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精米歩合はお酒の味と香りの決定要因!美味しい日本酒の条件とは?

精米歩合はお酒の味と香りの決定要因!美味しい日本酒の条件とは?

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

2020年11月13日

精米歩合という表記が、日本酒のパッケージや瓶のラベルに書いてある。この精米歩合とは米をどれほど削るのかという意味だ。しかし、精米歩合の本来の意味はご存知だろうか。また、精米歩合が低い日本酒は一般的に高価だが、高価な日本酒は本当に美味しいのだろうか。精米歩合から考える、日本酒の美味しさについても紹介しよう。

  
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1. 日本酒の精米歩合とは

日本酒の精米歩合は、ほぼ全てのお酒に書いてある。この精米歩合は、日本酒の種類によって決まっている。まずは精米歩合とは何か、精米する理由は何か、そして日本酒の種類で精米歩合は決まっているのかなどを紹介しよう。

精米歩合とは

精米歩合は、日本酒で使う酒米をどれほどの割合まで磨いて使っているのかという表示だ。玄米の状態を100%として、残った割合がどれほどかで示す。たとえば精米歩合が60%の場合は、1粒あたり40%にあたる部分を削っているといえる。削った部分を「精白率」とも呼ぶので、精白率40%は精米歩合60%と同じ意味合いだ。

どうして米を削るのか

1粒の米の中には、でんぷん質やタンパク質、脂質も含まれている。純度の高い日本酒を作りたい場合は、このでんぷん質だけを取り出して醸造すればよい。そこで、タンパク質や脂質が多く含まれる外側を削り、内側のでんぷん質を多く使おうというのが精米の考え方である。そのため、精米歩合が下がれば下がるほどクリアなお酒ができるのである。基本的に日本酒における精米は、生の酒米をローラーなどで削って使うことが多い。ほとんどの酒米は丸く削られ、大吟醸酒用の酒米は球体になっている。ただ、本来はお米の粒の端にタンパク質などがつまっているため、平らに精米する方法をとる酒造もある。

日本酒別の精米歩合

日本酒の規格の中では、お米の削り方も1つの条件として定められている。本醸造酒は70%以下、特別醸造酒、特別純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒は60%以下、大吟醸酒と特別純大吟醸酒は50%以下の精米歩合が求められる。一方で純米酒はとくに精米歩合が決められていない。とはいえ一般的に清酒は75%以下の精米歩合の米を使うことが多い。食用米が92%程度の精米歩合なので、それよりも磨かれていることがわかるだろう。

2. 精米歩合で変わる日本酒の味や香り

精米歩合は日本酒の種類にも関係することがわかった。次は、精米歩合にこだわった日本酒を3つ紹介しよう。精米歩合と日本酒の関係性が少しわかるかもしれない。

1本10万円!精米歩合1%の日本酒とは

精米歩合を1%まで下げた日本酒がある。楯の川酒造「光明」は、4合酒で10万円の値段がつけられた高級日本酒だ。特徴は精米歩合を最大限まで下げたことと、その値段である。10万円のワインはよくあるが、10万円の日本酒はそれまで生産されたことがなかった。最大限まで削った米のおかげで、香りはフルーティさよりも青竹などのような清冽な香りである。また味わいもすっきりとしており、米本来の味わいが強い。

精米歩合90%の日本酒はどんな味わい?

株式会社寺田本家「純米90 香取」は精米歩合90%と、米全体を使ったお酒だ。食用米としても有名なコシヒカリを使用し、米のタンパク質や脂質の部分もなるべく使うことでどっしりとした飲み心地の日本酒ができあがった。このお酒は燗酒にすると米特有の香りが花開く。いわゆるうまみ成分の強い、旨口の酒である。

精米歩合の違うお酒のブレンドとは

合資会社加藤吉平商店の「梵 夢は正夢」は、精米歩合がそれぞれ20%と30%の大吟醸をブレンドしたものである。割合は精米歩合20%の方が9割だ。クリアなお酒を主体として、そこに少しうまみの強いお酒を足すことにより、滑らかでどっしりとした味わいでありながら、華やかな香りを持ち、なおかつ切れ味が鋭く、飲み口がさっぱりとした日本酒になるのである。

3. 精米歩合の高い日本酒=良い酒ではない

精米歩合が高いお酒だからといって高価な酒ではなく、よい酒だとは限らない。しかし、精米歩合が低く高価なお酒だからといって美味しいお酒ではない。そこで、日本酒の精米歩合と味わいの関係について考えてみよう。

精米歩合が低いお酒のメリットとデメリット

精米歩合が低いお酒は、一般的に高価である。これは原材料を大量に必要とするためだ。しかし、味わいはキレがありクリアな味わいだといわれる。精米することで雑味とされるタンパク質などが排除され、純粋な米のでんぷんのみが残るためだ。また香りも華やかになる。一方で、デメリットとしては個性のないお酒になることや、うまみ成分も取れてしまうことである。

精米歩合の高いお酒のメリットとデメリット

精米歩合の高いお酒は精米歩合の低いお酒と比べて若干安価だ。味わいはどうしても雑味が多くなってしまう。とはいえどっしりした味や他の料理と合わせて飲む際にはうまみが強く合わせやすい。また高価でなくとも、海外では精米歩合の高い日本酒が評価されることもある。米の個性が最も出やすいのがあまり削っていない米なのである。

精米歩合は好みの指数!

精米歩合が高い日本酒は、単調な味わいになるといわれてきた。これはもろみに含まれる麹菌が活性化しすぎてしまい、糖化が進みすぎるためだ。そのため雑味なども入ってしまうといわれる。しかし、この雑味は低温発酵や糖化の管理などを行うことで抑えられることも判明している。さらに、精米歩合によって向いている日本酒の飲み方もある。たとえば精米歩合の高いお酒は燗酒、精米歩合の低いお酒は冷酒として飲むと美味しい。精米歩合は、1つの指標にしか過ぎないのである。いろいろな日本酒を飲むことが、実は最も楽しむことなのかもしれない。

結論

日本酒の精米歩合は、酒米をどれほど残しておくのかという指標だ。この精米歩合が上がれば上がるほどうまみが強いお酒になる。一方で精米歩合が下がれば、香りが強く切れ味の鋭い日本酒になるのである。さらに、燗をつけるか否かでも合う日本酒は違う。さらに、精米歩合が高くても雑味の混じりにくい日本酒も存在する。精米歩合は日本酒を選ぶ際の1つの指標として考える方がよいだろう。
  

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