目次
1. 「日本酒のソーダ割り」は邪道ではないのか?

日本酒をソーダで割るという飲み方が人気なのをご存じだろうか?日本酒はそのまま飲むものでは?というのが一般的な考えかもしれないが、実はじわじわと広まっている飲み方のひとつなのだ。
日本酒の飲み方といえば?
日本酒の飲み方といえば「冷酒」「冷や(常温)」「ぬる燗」「熱燗」などである。細かくいえば冷酒には「雪冷え(5℃)」「花冷え(10℃)」「涼冷え(15℃)」があり、ぬる燗には「日向燗(30℃)」「人肌燗(35℃)」「ぬる燗(40℃)」がある。
同じように熱燗にも「上燗(45℃)」「熱燗(50℃)」「飛びきり燗(55℃)」といったように、さまざまな飲み方があるのが日本酒だ。これらはいずれも「日本酒のみ」で楽しむための飲み方であるが、実は近年日本酒のソーダ割りが人気を集めている。
日本酒のソーダ割りこそ「新しい飲み方」である
日本酒好きの方にとってソーダ割りは邪道に映るかもしれない。だが一度試してみると、これが思いのほかウマい。従来の日本酒とはまったく別の飲み物として受け入れられるはずだ。日本酒をソーダで割るだけのシンプルな飲み方だが、実は多くの蔵元もおすすめしている。まさに日本酒の新しい飲み方として注目されているところなのだ。
日本酒をソーダで割るメリット
日本酒をソーダ割りにすることで、アルコール度数が下がり飲みやすくなる。日本酒の「酒感」やアルコール度数が苦手という方もすんなり飲めるだろう。だがその飲みやすさ以外にもメリットがある。それは「酸化が進んで飲みづらくなった日本酒でも美味しく飲める」点だ。
日本酒に賞味期限はないが、開栓後は速やかに飲み切らないと酸化して味が落ちる。そうなった日本酒は料理酒として活用できるが、大量に余らせた場合などは消費しきれないことも多い。そんなときこそぜひソーダ割りを試してみよう。
スパークリング日本酒との違いは?
スパークリング日本酒と日本酒のソーダ割りは全くの別モノである。スパークリング日本酒は「炭酸ガスを含む日本酒」のことを指す。発酵の過程で発生する炭酸ガスを瓶内に閉じ込める「瓶内二次発酵方式」、直接日本酒に炭酸ガスを注入する「炭酸ガス注入方式」で造られる。「日本酒に直接ソーダを加える」わけではないため、両者の違いは覚えておこう。
2. 日本酒のソーダ割りはどんな味わいなのか?

実際に日本酒をソーダ割りにした場合、どのような味わいになるのだろうか?
日本酒のソーダ割りの味わい
日本酒をソーダ割りにすると、炭酸のスッキリしたのどごしと同時に、スッと鼻に抜ける風味を楽しむことができる。日頃チューハイやハイボールを好んで飲む方はもちろん、日本酒をそのまま飲むのが苦手な方にもおすすめできる。
食中酒にもぴったり
日本酒のソーダ割りは、そのさわやかな味わいからさまざまな料理に合わせやすい。これも大きな魅力のひとつである。日本酒を普通に飲む場合、一緒に合わせる料理には工夫が必要だ。だがソーダ割りであれば幅広い料理に合うため、ペアリングに悩む必要がなくなる。
3. 日本酒のソーダ割りの美味しい作り方!割合はどれくらい?

ご家庭で日本酒のソーダ割りを楽しんでいただけるよう、作り方のポイントなどをお伝えする。ただ好きなように割るだけでもよいのだが、やはり割合や仕上げにはこだわってほしい。
日本酒とソーダの黄金比は【1対1】!
日本酒とソーダの割合は「1対1」が基本とされている。やや濃いめに感じるかもしれないが、日本酒のアルコール度数は平均15度なのでむしろ、1対1が黄金比である。ハイボールは1対3が黄金比とされるが、これはウイスキーのアルコール度数が平均40度と高いためだ。好みで調整するのももちろんOKだが、まずは日本酒の風味をしっかり楽しめる1:1で試してみよう。
グラスには氷をたっぷり入れる!
日本酒のソーダ割りは、氷をたっぷりと入れたグラスで飲むのがおすすめ。キンキンに冷えた日本酒のソーダ割りの爽快感は格別なものである。しかし日本酒の風味をメインで楽しみたいという場合は、冷蔵庫で冷やしたソーダをそのまま日本酒と合わせるだけでもOK。好みのスタイルで楽しもう。
美味しく作るコツは「仕上げのひと手間」!
ここまででも十分、美味しい日本酒のソーダ割りが作れる。だがぜひ、さらにひと手間加えてみてほしい。日本酒のソーダ割りは柑橘類との相性がバツグンなので、仕上げにレモン果汁を加えたりカットレモンを入れたりするのがおすすめだ。見た目も清涼感もアップするのでぜひ実践してみてほしい。
4. ソーダ割りにおすすめの日本酒3選

ソーダ割りにおすすめの日本の銘柄を3つ紹介する。どの銘柄も簡単に手に入る上、価格もリーズナブルなのでぜひ参考にしてほしい。
白鹿「上撰 黒松白鹿 本醸造」
バランスのとれた味わいが特徴の本醸造酒で、飲み口がスッキリしているためソーダ割りとの相性がよい。初めて日本酒のソーダ割りを作る方にはこちらがおすすめだ。
酔鯨酒造「酔鯨 特別純米」
米の旨みとキレのある後味にこだわった、独特の酸味が特徴の特別純米酒だ。食中酒として好まれている銘柄なので、ソーダ割りにもバッチリ合う。
日本盛「生原酒」
味が濃くアルコール度数も高めの生原酒もソーダ割りとの相性がよい。生原酒は飲みにくいというイメージがあるかもしれないが、ソーダ割りにはぜひおすすめしたい。
結論
日本酒のソーダ割りはまだまだ馴染みがない飲み方かもしれないが、蔵元もおすすめするほどである。カクテルベースにも使われるなど、日本酒のソーダ割りは今や幅広い飲み方で楽しまれている。この機会にぜひ一度、日本酒のソーダ割りを味わってみていただきたい。