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日本酒の生一本ってなに?生一本の定義から見る日本酒の歴史を学ぶ

日本酒の生一本ってなに?生一本の定義から見る日本酒の歴史を学ぶ

投稿者:ライター 森本泰斗(もりもとたいと)

監修者:管理栄養士 水島知美(みずしまともみ)

鉛筆アイコン 2021年1月23日

日本酒には味わいや特徴が異なるさまざまな種類が存在するが、その中でも生一本という種類の日本酒をご存じだろうか。実は生一本とは、日本酒の歴史を語るうえで重要な言葉なのである。本記事では生一本の定義など、基本的な解説をはじめ、生一本のおすすめの飲み方や、おすすめの銘柄についても紹介する。日本酒用語の基本を押さえておこう。

  

1. 生一本とは?

はじめに、生一本の定義や歴史に加えて、生一本という言葉の語源である「灘の生一本」という言葉についても、詳しく解説する。ちなみによく間違われやすい読み方だが、「生一本」と書いて「きいっぽん」と読む。読み方を間違えないよう注意しておこう。

生一本の定義

生一本の定義とは、「ひとつの製造場だけで醸造した純米酒」であることだ。この定義は日本酒の製法品質表示基準として、酒税法で決められているが、生一本とラベルに表示することは義務ではなく、任意となっている。その理由とは、現在ではひとつの蔵元でそれぞれの銘柄の日本酒を造ることが、一般的となったからである。ではなぜこのような定義が生まれることになったのかというと、それは1970年代までの日本酒の歴史にあるのだ。

生一本から見る日本酒の歴史

実は1970年代までは、大手の蔵元が小規模の蔵元から日本酒を買い取り、複数ブレンドしたものを自社銘柄の日本酒として販売するケースが多く見られたという。この方式は「桶買い」や「桶売り」とも呼ばれ、大手銘柄の需要拡大で生産を追いつかせるための方法として、当時は珍しくなかったのである。しかしその後技術の進歩などにより、小規模の蔵元でも日本酒の大量生産が可能になると、「桶買い」や「桶売り」といった古い方式を用いる蔵元はみるみる激減し、現在では流通する純米酒のほとんどが、生一本であることが普通となったのである。

灘の生一本とは

生一本について知るにあたり、灘の生一本についてもしっかりと押さえておきたい。灘とは兵庫県に位置する日本有数の酒どころのことを指す。灘の生一本とは、生一本が日本酒の製法品質表示基準として定められる以前、生一本としての意味を持っていた言葉、つまり生一本の語源である。日本酒の中でもとくに優秀なものを表す言葉として、古くから用いられてきた言葉として知られており、「灘で生まれた生粋の混じりけのない酒」という意味合いを持っている説が有力だ。現在では「灘五郷のひとつの製造場のみで醸造した純米酒」が灘の生一本と呼ばれている。

2. 生一本のおすすめの飲み方は?

生一本のおすすめの飲み方は、日本酒の基本的な飲み方から、自分好みの飲み方を選べばよい。本項ではおすすめの生一本の飲み方をいくつか紹介しよう。

冷やで楽しむ

冷やとは、日本酒の飲み方の定番である。もちろん生一本も、冷やと相性がよい。ここで混同しないよう注意したいのが、冷やとは冷やして飲むことでなく、常温で飲むことを指すということだ。日本酒用語の基本としても、覚えておこう。20度から25度前後の温度で、口に含んだときに少し冷たさを感じる程度が望ましい。生一本の風味や米の旨みをじっくりと楽しみたい人におすすめの飲み方だ。

冷酒で楽しむ

冷やは常温であることを解説したが、冷酒は冷やしたものを指す。冷やす温度によって呼び名が分かれており、5度ほどに冷やしたものを「雪冷え」、10度ほどに冷やしたものを「花冷え」、15度ほどに冷やしたものを「涼冷え」と呼ぶ。さわやかに引き締まった味わいで生一本を楽しみたい人におすすめの飲み方だ。

燗をつけて楽しむ

生一本は燗をつけて飲んでも美味しく楽しめる。40度あたりに温めた「ぬる燗」をはじめ、45度あたりに温めた「上燗」や、50度あたりに温めた「熱燗」など、燗のつけ方にも多くの種類がある。生一本の香りをじっくりと楽しみたい人におすすめの飲み方だ。

3. 生一本のおすすめ銘柄は?

最後に、生一本のおすすめの銘柄をいくつか紹介する。どれも歴史ある蔵元が造る生一本なので、本格的な味わいが楽しめる逸品ばかりである。好みの1本を見つける参考にしてもらいたい。

佐浦「特別純米酒 生一本 浦霞」

佐浦は宮城県塩釜市で13代も続く老舗の蔵元である。社名に「浦霞醸造元」ともあるように、浦霞は佐浦の看板銘柄として全国的に知られている。「特別純米酒 生一本 浦霞」は、原料に宮城県産のササニシキを全量使用しており、米のふくよかな旨みとほどよい酸味が特徴の、贅沢な味わいの生一本だ。

宮坂醸造「純米吟醸 辛口生一本 真澄」

宮坂醸造は長野県諏訪市に本社を置く老舗の蔵元である。「純米吟醸 辛口生一本 真澄」は、宮坂醸造の大黒柱として、国内外でさまざまな賞を受賞するなど、高い評価を受けている銘柄である。辛口でありながら、やわらかな後味も兼ね備えた味わいがあることが特徴だ。

菊正宗酒造「純米酒 灘の生一本」

日本の酒どころ、兵庫県神戸市東灘区に本社を置く菊正宗酒造は、日本を代表する大手酒造メーカーとして知られている。「灘の生一本」は菊正宗酒造をはじめ、同じく灘五郷に蔵元を持つ、沢の鶴、剣菱酒造、白鶴酒造、櫻正宗、小山本家酒造、辰馬本家酒造、日本盛、大関の合計9社から「灘酒プロジェクト」として発売されている生一本だ。菊正宗酒造の「純米酒 灘の生一本」は、原料に兵庫県産の恋錦を全量使用しており、おだやかな香りとキレのある味わいが特徴となっている。各メーカーの灘の生一本を飲み比べしてみるのも、楽しみのひとつといえるだろう。

結論

生一本とは、日本酒の中でもとくによいものを示す言葉として、現在でも語り継がれる言葉のひとつである。現代の日本酒の製造方法において生一本は珍しいものではないが、生一本と名乗る銘柄の味わいは、一際特別なものといえる。まだ生一本を飲んだことがないという人は、ぜひ一度手に取り、じっくりと味わってみてほしい。
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  • 更新日:

    2021年1月23日

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