1. 大吟醸や純米大吟醸とは?

大吟醸と純米大吟醸はどちらも日本酒の製法に基づいた特定名称であり、どちらが上という分類ではない。まずはその製法の違いについてみていこう。
大吟醸
日本酒の原料である米は、米の表面を削ってから使われ、その精米歩合によって日本酒の名称が異なる。大吟醸とは、精米歩合が50%以下、つまり50%以上削られた米を原料に造られている日本酒のことだ。また、頭に「純米」とつかない大吟醸は、香りをよくするなどの目的で醸造アルコールが添加されている。
純米大吟醸
大吟醸と同様、精米歩合が50%以下の米を原料に造られた日本酒で、なおかつ醸造アルコールの添加がない日本酒を純米大吟醸と呼ぶ。米、米麹、水のみで造られる酒は純米酒に分類され、純米大吟醸は純米酒でなおかつ大吟醸の規定を満たした日本酒のことを指す。
2. 大吟醸と純米大吟醸の味の違い

大吟醸と純米大吟醸の違いは醸造アルコール添加の有無であることがわかった。この醸造アルコールが日本酒の風味にもたらすことは2点ある。ひとつは日本酒のキレをよくすること、もうひとつは香りをより引き立たせることだ。純米大吟醸が最上クラスの日本酒という見方があるが、大吟醸の方が香りが華やかでスッキリしている傾向がある。銘柄によるので一概には言えないが、米の旨みやコクを重視するならば純米大吟醸、さわやかな飲み口や華やかな香りを楽しみたいなら大吟醸がおすすめだ。
3. おすすめの大吟醸酒

純米大吟醸と比べると、大吟醸はスッキリとしていて香りが豊かな特徴をもつことが分かった。次はおすすめしたい大吟醸酒の銘柄を紹介する。
北雪酒造「北雪 YK35」
酒米の王と呼ばれる山田錦を35%まで磨いて仕込まれる逸品で、日本だけでなく海外でも人気が高い。華やかな香りと軽やかな飲み口で、純米大吟醸とは違う大吟醸の特徴を感じられる1本だ。
黒龍酒造「黒龍 大吟醸」
福井県が誇る人気ブランド、黒龍の大吟醸だ。一年間熟成されてから出荷されており、さわやかなフルーティーさとふくよかな味わいが楽しめる。同社は純米大吟醸も造っているが、この大吟醸は売れ筋ランキングでも上位であり長く人気のある銘柄だ。
木下酒造有限会社「玉川 大吟醸」
京都府の北部でイギリス人杜氏が酒造りを指揮していることでも有名な玉川の大吟醸だ。同蔵元の銘柄の中でも最も海外輸出の多い商品で、熟成由来のバランスの取れた柔らかな飲み口が特徴である。あっさりした味わいの料理からスパイシーなメニューとも相性がよい。
4. おすすめの純米大吟醸酒

純米大吟醸酒は大吟醸酒の香り高さと、米の旨みを合わせ持った高級酒だ。最後にぜひ試してほしいおすすめの純米大吟醸酒を紹介する。
大関株式会社「大関 十段仕込 純米大吟醸酒」
酒処の灘にある大手メーカー、大関が少量ずつ10回に分けて仕込んでいる芳醇な甘みのある純米大吟醸酒だ。同社は大吟醸も辛口、甘口と複数の銘柄を造っているので、飲み比べをするのも面白い。
旭酒造「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」
日本酒好きであれば知らぬ人はいないであろう獺祭は、大吟醸クラスのお酒しか造らないというこだわりで有名だ。この磨き二割三分はその名の通り、山田錦を23%にまで磨き上げた非常に贅沢な造りをしており、透明感のあるキレイな味わいから世界中で人気がある。
朝日酒造「久保田 萬寿 純米大吟醸」
米どころ新潟県で造られる、全国的な人気と知名度の高い久保田の純米大吟醸酒だ。旨みや甘みのバランスがとれた上品な味わいが楽しめる。刺身など素材の味を生かした料理と非常に相性がよいので、ぜひ試してみてほしい。
結論
大吟醸、純米大吟醸ともに蔵元が技術をこらし時間をかけて仕込む高品質な日本酒だ。大吟醸と純米大吟醸で味わいの傾向に差はあるものの、銘柄による味の違いの方が大きいことを覚えておこう。自分の味覚に合った大吟醸酒や純米大吟醸酒を見つけて、日々の晩酌を華やかなものにしてほしい。