目次
1. 第三のビールと発泡酒の基本的な見分け方は?

はじめに、第三のビールと発泡酒のそれぞれの製法をもとに、基本的な見分け方から解説する。第三のビールも発泡酒も、ビール同様グラスに注げば琥珀色で泡も出るため、見た目では判断しづらいものではあるが、それぞれの製法にはどのような違いがあるのだろうか。
第三のビールと発泡酒の見分け方
第三のビールと発泡酒の基本的な見分け方は、まず商品を確認すればわかりやすい。第三のビールには「リキュール(発泡性)」と記載があるが、発泡酒には「発泡酒」と必ず明記されている。それぞれの製法の違いを解説すると、まず発泡酒とは麦芽の使用量が50%未満のビールテイストのお酒のことを指す。また麦芽の使用量が50%以上であっても、国で定められた副原料の使用割合が制限を超えたものは、発泡酒に分類されることも覚えておこう。次に第三のビールだが、こちらは発泡酒にさらに麦由来のスピリッツを加えたものや、麦芽以外の穀物類を原料として発酵させたビールテイストのお酒のことを指す。製法を見ると、第三のビールと発泡酒は実は似て非なるお酒であることがわかるだろう。それぞれの見分け方の基本として、頭に入れておいてほしい。
2. 第三のビールと発泡酒の味や香りには違いがある?

第三のビールと発泡酒の基本的な見分け方について解説したが、本項では味わいや香りの違いをもとにした、それぞれの見分け方について解説していこう。見分け方のポイントのひとつとして、こちらもよく覚えておきたい。
第三のビールと発泡酒の味や香りの違い
ビールの味わいや香りの特徴といえば、麦芽やホップ由来のしっかりとした苦みやコク、そして華やかな香味が挙げられるだろう。では、第三のビールや発泡酒の味わいや香りとはどのようなものなのかというと、まず第三のビールの場合、基本的にはビール特有の苦みや香味が少なく、クセのない味わいが特徴だ。しかし近年では品質向上が著しく、ビールの苦みやコク、香味や余韻に至るまで再現された商品も多く販売されており、ビール党の人からも高い支持を受けている。次に発泡酒の場合だが、こちらも第三のビールと同じく、苦みが少なくすっきりとした飲み口のものが多い。しかし第三のビールと異なる点は、味わいや香りのバリエーションが非常に豊富であることだ。前述の通り、麦芽使用量や副原料の使用割合の幅が広く制約が少ないお酒であるため、自分好みの味わいや香りを見つけやすいことが特徴である。
3. 第三のビールと発泡酒は値段でも見分けられる?

第三のビールや発泡酒が選ばれる理由は、味わいの好みや種類の豊富さなどさまざまだが、値段の安さこそ最も大きな理由として挙げられるだろう。本項では第三のビールと発泡酒の値段での見分け方について解説する。また値段での見分け方に加え、酒税法の改正により変更されるそれぞれの税率についても解説していこう。
値段で見る第三のビールと発泡酒の見分け方
第三のビールと発泡酒は値段で見分けられ、第三のビールの方が発泡酒よりも安く設定されていることが特徴だ。そして周知の通り、発泡酒はビールよりも安い。まずはそれぞれの値段設定の違いをよく知っておきたい。
酒税法の改正で値段はどう変わる?
これらの値段の違いは、見分け方としてわかりやすかったが、実は酒税法が改正され、それぞれの税率が変わることをご存じだろうか。税率の改正は2020年10月より実施され、次に2023年10月、最後に2026年10月と、段階的に実施される。そして最終的にはビール、発泡酒、第三のビールのすべての税率が、54.25円に統一されるという流れなのだ。これはつまり現在のそれぞれの税率から簡潔に表すと、ビールは値下げになり、発泡酒と第三のビールは値上げという結果になる(発泡酒の場合、麦芽使用量が25%以上の場合のみ値下げ対象)。とくに第三のビールの値上げ幅は大きく、最終的には約26円の値上げとなるので、今後発泡酒との値段の差はほぼなくなるだろう。しかしビールの値下げ幅が大きいことも事実で、最終的には約23円の値下げとなる。ビールが好きなものの、値段の安さから第三のビールや発泡酒を選んでいた人にとっては、今回の酒税法の改正は朗報となるだろう。
4. 第三のビールと発泡酒の見分け方と合わせておすすめ銘柄を紹介

ここまで第三のビールと発泡酒のさまざまな見分け方について解説してきたが、最後にそれぞれの見分け方と合わせて、おすすめの銘柄を紹介しよう。見分け方を理解したら、実際にお気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがだろうか。
キリンビール「淡麗 プラチナダブル」
「淡麗 プラチナダブル」は、キリンビールが販売する発泡酒の銘柄である。糖質、プリン体ともにゼロでありながら、本格的なコクのある味わいとキレのよさを実現している。発泡酒ファンだけでなく、ビールを好むすべての人におすすめできる銘柄だ。
キリンビール「本麒麟」
「本麒麟」は、キリンビールが販売する第三のビールの銘柄である。ビール醸造家からも高い支持を得るしっかりとした麦の旨みが特徴で、ビールとの見分けがつかないと評価されることも。アルコール度数は6度と少し高いので、飲みごたえも楽しめる。
サントリー「金麦」
「金麦」は、サントリーが販売する第三のビールの銘柄である。2007年の発売以来、日本の第三のビールを代表する銘柄として高い人気を誇っている。苦みが抑えられている分、甘みを強く感じる味わいなので、ビールが得意でない人にとっても飲みやすい。
結論
第三のビールと発泡酒には、製法の違いや味わいや香りの違い、また値段設定など、さまざまな見分け方があることをわかってもらえただろう。今後第三のビールや発泡酒を飲む際は、それぞれの違いも意識しながら味わってみることをおすすめしたい。