1. ランビックビールとは?

ランビックとはビールのスタイルのひとつで、ベルギーの首都ブリュッセル近郊の街で造られる。最大の特徴は強い酸味と発酵食品を思わす個性的な香りだ。これは管理された酵母ではなく、自然に住む野生酵母を使って醸造することから生まれる。まずは代表的なランビックビールをみていこう。
カンティヨン醸造所「カンティヨン・グース」
目を引く小便小僧のラベルが印象的な、ランビックの代表的な銘柄だ。年代の異なる複数のランビックをブレンドしてから瓶詰めされ、数か月かけて瓶内で二次発させる。香ばしさとヨーグルトのような発酵食品を思わす香りに、かなり強めの酸味、フルーツのようなニュアンスもある複雑な味わいのビールだ。
ブーン醸造所「ブーン・クリーク」
クリークはベルギー語でサクランボを意味し、サクランボを漬けて造られるフルーツランビックビールだ。サクランボのフルーティーな香りが楽しめ、甘酸っぱい味わいでビールが苦手な人でも飲みやすい。ルビー色の外観も美しく、アルコールも低めなことから女性にも試してほしい銘柄だ。
2. ランビックビールに合うおつまみ

酸味の強いランビックビールに合う食べ物は想像しにくいかもしれないが、料理と合わせることでよりその魅力を楽しめる。次はランビックビールに合うおすすめのおつまみをみてみよう。
サーモン
油ののったサーモンのグリルやスモークサーモンを使ったカルパッチョなどは、シャープな酸味のあるランビックと相性がよい。レモンを搾りたくなるようなレシピを選んでランビックと合わせてみよう。
チーズ
クセの少ないソフトチーズやクリームチーズから個性的なブルーチーズまで、チーズとランビックビールはおいしい組み合わせだ。チーズの塩味やコクとランビックの持つ酸味が絶妙にマッチする。
あっさりした鶏肉料理
塩たれの焼き鳥や鶏肉の煮込み料理など、シンプルな鶏肉レシピとランビックビールも好相性だ。白ワインと合いそうな料理を用意してランビックと合わせると、ランビックの酸味が鶏肉の脂や料理の塩味をさっぱりさせてくれる。
3. ランビックビールにピッタリのグラス

ランビックビールは香りが特徴的なので、それをしっかり堪能できるグラスも用意したい。次はランビックビールを飲むときにおすすめのグラスについて紹介する。
シュピゲラウ「チューリップグラス」
ドイツのグラスメーカーが造るチューリップ型のグラスだ。この形はグラスの中に香りがこもりやすく、ランビックビールの持つ複雑な香りを楽しむのにぴったりである。ギリギリまで注ぐよりもグラスの半分くらいまで注いで飲む方がより香りを感じやすい。
東洋佐々木ガラス「クラフトビールグラス 香り」
100年以上続く日本のガラスメーカーが、クラフトビールの香りを楽しめるようデザインしたグラスだ。ランビック以外のビールにも使え、食洗器にも対応した丈夫さも嬉しい。
4. ランビック以外でおすすめのベルギービール

200を超える醸造所と1500以上の銘柄があるベルギーでは、ランビックだけでなく実に多種多様なビールがある。最後はランビック以外でぜひ飲んでおきたいベルギービールをみてみよう。
アンハイザー・ブッシュ・インベブ「ヒューガルデン ホワイト」
ベルギービールを代表するホワイトエールがこのヒューガルデン・ホワイトだ。大麦だけでなく小麦も原材料に使われ、コリアンダーやオレンジピールを加えることでスパイシーでフルーティーな風味を生み出している。苦みが少なく軽やかな味わいでたいへん飲みやすいビールだ。
ヴェルハーゲ醸造所「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ 」
大麦ではなく赤大麦を使用し、18か月熟成、8か月熟成のビールをブレンドして造られるレッドビールだ。ランビックにもあるような独特の酸味と、熟成由来の深いコクが感じられる。酸味のある赤ワインが好きな人に試してほしいビールだ。
結論
ランビックビールは普段見かけるビールとはかなり違ったスタイルだが、飲み慣れてくるとクセになる味わいだ。ビールの苦みが苦手な人や、酸味がある飲み物が好きな人、複雑な香りをじっくり楽しみたい人にはぜひ試してみてほしい。果実の味わい豊かなフルーツランビックも多く輸入されているので、まずは飲みやすいものから味わってみよう。