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春菊は栄養満点!効率のよい摂取方法や正しい保存方法も紹介

春菊は栄養満点!効率のよい摂取方法や正しい保存方法も紹介

投稿者:ライター 諸田結(もろたゆい)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年9月 9日

春菊は、好き嫌いがはっきり分かれる食材である。しかし、栄養の観点からみると、自律神経を整えるなどさまざまな効果が報告されている。栄養豊富な春菊は積極的に取り入れたい食材の1つであるが、どんな栄養が含まれているのか確認してみよう。

  

1. 春菊とは?

春菊はキク科の野菜で種類がいくつかあり、産地によって苦みや甘みが異なる。関西方面では「菊菜」や「新菊」と呼ばれることもある。春菊を食用としている国は東アジアだけであり、そのほかの国では観賞用の植物として栽培されている。日本では鍋、天ぷらやごま和え、おひたしなどで食べられる。肉料理の付け合わせにも、もってこいの食材だ。

春菊の品種

【大葉種】

多くは九州、四国地方で栽培される。葉の切れ込みが浅く柔らかで、肉厚な種類。クセが少ないので食べやすい。

【中大葉種】

奈良県の伝統野菜として、古くから栽培されてきた。アクが少ないため、サラダなど生でも食べられる。

【中葉種】

香りが強く、関東と関西に多く出回っている。

春菊の旬と産地

春菊の旬は11~2月頃の寒い時期で、ちょうど鍋物を食べたくなる季節なのだ。国内での主な産地は千葉県・大阪府・群馬県・茨城県などである。旬は真冬だが、ハウス栽培されている春菊であれば通年購入可能だ。

春菊の選び方

春菊の旬は11~3月である。土壌がよいところで栽培されたものは、葉がピンとはっており、たくさん枝葉がある。緑の色も濃いものを選ぶのがよい。味は、葉の切れ込みが浅い大きな葉の種類が、クセがない。苦みや香りが強いものが好みなら、葉の切れ込みが大きなものがおすすめだ。葉先が黄色くなっているものは収穫から時間がたっている可能性が高いため、避けるようにしよう。

2. 春菊の栄養

春菊の糖質は100gあたり0.7g、たんぱく質は2.3g、脂質は0.3gといずれもほとんど含まれていない。しかし、βカロテンやビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれている。以下では、それぞれの栄養素の含有量と効果効能を紹介しよう。

βカロテン

春菊には100gあたり4500μgのβカロテンが含まれている。βカロテンは体内でビタミンAに変わり、抗酸化作用があることで知られている。体内の活性酸素が増えると免疫力が低下する可能性があるため、βカロテンを摂取して活性酸素の動きを抑制させれば免疫力が向上するとされているのだ。(※1、※2)

ビタミンC

春菊のビタミンC含有量は、100gあたり19mgとやや多め。ビタミンCは皮膚の状態を健康的に維持し、風邪の予防にも重要なビタミンである。βカロテンと同じ抗酸化作用があるだけでなく、毛細血管や歯などを正常に保つ働きがある。また、メラニン色素の生成を抑制し、日焼けを防ぐことでも知られている。(※3)

カルシウム

春菊には100gあたり120mgのカルシウムが含まれている。カルシウムは骨や歯の形成に使われる栄養素で、骨粗鬆症の予防効果も期待できる。また、血液凝固による出血の予防や筋肉の興奮を抑える働きもある。(※4)

春菊の鉄含有量は100gあたり1.7mgで、鉄には貧血を予防する効果があるとされている。全身に酸素を送る働きのある赤血球を作るのに必要な成分で、不足すると頭痛や集中力の低下を引き起こす。(※5)

葉酸

葉酸は鉄と同じく、赤血球を作るのにも必要な栄養素である。また、細胞の分裂や成長に大きく関わる栄養素のため、妊娠中の女性や胎児にも重要な成分といえる。(※6)

ペリルアルデヒド

ぺリルアルデヒドは胃腸の調子を整え、自律神経にも作用する。咳を鎮めるような効果もある。また、春菊が独特の香りを放つのもぺリルアルデヒドが原因だ。(※7)

3. 春菊の栄養を効率よく摂取する方法は?

春菊に豊富に含まれるビタミン類は水に溶け出しやすく、茹でると栄養が減ってしまう。生の春菊100gあたりにはビタミンCが19mg含まれているのに対し、茹でた場合は5mgにまで減ってしまうのだ。そのため、春菊の栄養を効率よく摂取するなら油炒めなどがおすすめ。
また、βカロテンなどの脂溶性ビタミンは油で調理すると吸収されやすくなる。油炒めは水溶性ビタミンを減少させないだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収をよくしてくれるのだ。春菊を茹でて食べたい場合は、茹で時間を少なくするとよいだろう。茹でる時間が長ければ長いほど、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは溶け出してしまう。ビタミン流出が心配な場合は、電子レンジなどを上手に活用してみよう。

4. 春菊のカロリーと糖質

春菊のカロリーは100gあたり20kcal、糖質は0.7gとどちらもかなり低い。栄養価の高い春菊だが、90%以上が水分でできているためカロリーも糖質も低いのだ。春菊のカロリーや糖質がどのくらいの値なのか、同じ葉物野菜のほうれん草やモロヘイヤと比較してみよう。

ほうれん草のカロリーと糖質

ほうれん草のカロリーは100gあたり18kcal、糖質は0.3gとどちらも春菊とほとんど変わらない。ほうれん草には春菊と同じくビタミンや鉄が多く含まれているため、春菊が苦手な人にもおすすめだ。

モロヘイヤのカロリーと糖質

モロヘイヤのカロリーは100gあたり36kcal、糖質は0.4gでどちらも春菊やほうれん草より高い結果となった。モロヘイヤは春菊やほうれん草と比べ、豊富なβカロテンが含まれているのが特徴だ。独特の粘りがある野菜なので、興味がある人はぜひ食事に取り入れてみよう。

5. 春菊の保存方法

春菊は冷蔵庫、もしくは冷凍庫で保存するのがおすすめだ。それぞれの保存方法のポイントや注意点をチェックしてみよう。

春菊の冷蔵保存方法

春菊は基本的に冷蔵庫で保存するのがおすすめ。濡らしたキッチンペーパーか新聞紙で包み、ビニール袋に入れて保存しよう。また保存する際は、冷蔵庫の中で立てておくとよい。牛乳パックや細長いプラスチック容器を冷蔵庫に設置し、その中に春菊を入れて保存するとよいだろう。

春菊の冷凍保存方法

すぐに使いきれない場合は、冷凍保存しておくとよい。生のままで冷凍すると食感が損なわれやすいため、茹でるなどしてから水気をきって冷凍しよう。茹で時間は短くして硬めに仕上げ、冷水にさらしてから水気をきって使いやすいサイズにカットする。1回で使いきれる量ずつラップで包み、ジッパー付きの袋に入れて冷凍する。また、冷凍する際はアルミトレイの上にのせるなどして、できるだけ急速に冷凍するとよい。

結論

春菊は、独特な香りや苦みのせいで好みの分かれやすい食材だが、これだけの栄養や効能が含まれているとなるとぜひ食べたい野菜だ。鍋以外にもいろいろなレシピがあるので、積極的に食卓へ登場させてみてはいかがだろうか。
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  • 公開日:

    2017年3月11日

  • 更新日:

    2021年9月 9日

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