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ゼラチンと寒天・アガーの特徴や違いとは?代用や混ぜる方法も伝授

ゼラチンと寒天・アガーの特徴や違いとは?代用や混ぜる方法も伝授

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 岩切千晃(いわきりちあき)

鉛筆アイコン 2021年7月28日

寒天とゼラチン、どちらも食材を冷やして固める時に使うが、どのように使い分けしたらよいのだろうか。寒天やゼラチンと同じく液体を固めることができるアガーもある。どんなときに何を使えばいいのか、それぞれの違いと使い方、代用の仕方について説明する。

  

1. ゼラチンの性質と使い方

まずは、ゼラチンの特徴や種類、基本の使い方や注意点について見ていこう。

ゼラチンとは

ゼラチンは豚や牛の骨や皮に含まれているコラーゲンという一種のタンパク質からできている。ゼリーに使われていることからも分かるように、弾力性と粘り気が強く、プルンとした食感が持ち味だ。また、体温で溶けてしまうので、寒天やアガーに比べて口溶けがよいのも特徴である。

ゼラチンの種類

ゼラチンの種類は粉ゼラチンと板状のゼラチンの2種類がある。粉ゼラチンは、必要な量を小さじや大さじ、もしくははかりで測って使う。また、ふやかさずにそのまま溶かせるので、手早く調理することができる。板ゼラチンは、薄い板状になっていて、1枚あたりの重量が決まっている。そのため、計量しやすいという特徴がある。仕上がりも粉ゼラチンに比べて美しく、食感が滑らかなので、プロが好んで使う。冷凍すると解凍した時に崩れてしまう。

ゼラチンの使い方

ゼラチンを使う時は、液体の量の2~2.5%量を50~60℃くらいのお湯に入れて溶かす。固まる温度は20℃以下なので、冷蔵庫で冷やし固めることが必要だ。

ゼラチンを使う時に注意したいこと

ゼラチンは口溶けがいい代わりに、常温で放置しておくと溶けてしまう。冷やし固める時は冷蔵庫で、食べる時は冷蔵庫から出したら早めに食べるようにする。また、生のパイナップルやキウイ、いちじくなどに含まれる酵素はゼラチンを分解させてしまうので、生のフルーツを入れる時は、加熱してから入れる。缶詰はそのまま使える。
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2. 寒天の性質と使い方

次に寒天について紹介する。ゼラチンとは原材料も性質も異なる。どのような特徴があるのか、種類や使い方、注意点なども併せて見ていこう。

寒天とは

寒天は海藻のなかでも主に紅藻類の海藻であるテングサやオゴノリを使って作られている。国産の海藻だけでなく、海外から輸入された海藻が原料になっていることもある。ゼラチンやアガーと違い、少量でも多量の液体を固めることができ、凝固力に優れている。弾力性はあまりなく、口に含むと滑らかな食感とともにほろっと崩れていく。食物繊維をたくさん含んでいるので、ダイエット食品としても注目されている。デザートのほか、ごはんを炊く時に入れたり、味噌汁に入れたりすることもできる。冷凍すると解凍した時に崩れてしまう。

寒天の種類

寒天には粉状のものと角寒天(棒寒天)、糸寒天がある。粉末タイプの寒天は、ふやかさないで使うことができ、初心者でも扱いやすい。角寒天は、伝統的な形状で味わい深い寒天である。柔らかく仕上がる。糸寒天は透明感に優れている。水で戻してそのままサラダやスープに入れることができる。

寒天の使い方

寒天によって使い方が異なる。初心者でも使いやすい粉末寒天の場合、分量の水にそのまま加えて加熱し、2分ほど沸騰させる。角寒天と糸寒天は、2~3時間、水にふやかしてから加熱して溶かす。寒天は40~50℃で固まるため、常温でも完全に固めることができる。
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寒天を使う時に注意したいこと

果物や果汁など酸味のあるものを入れる時は、火を止めて粗熱が取れてから加える。また、砂糖や塩、牛乳、調味料などを入れる場合、寒天が完全に溶けてから入れる。

3. アガーの性質と使い方

アガーという名称を、聞き慣れない人も多いのではないだろうか。水ゼリーやコーヒーゼリーなどの材料として使われる新しい凝固剤だ。どのような特徴があるのか、使い方なども併せて紹介する。

アガーとは

アガーは海藻から抽出されたカラギーナンという多糖類や、マメ科の種子から抽出されたローカストビーンガムという多糖類からできている。原材料名にもあまりなじみがないことから、身体に悪いのでは?と不安になる人もいるようだ。しかし、アガーの原材料はいずれも自然由来のものである。ゼラチンや寒天と同様に、安心して使える凝固剤だ。アガーは透明度が高く、その硬さはゼラチンと寒天の間くらいで、プルンとした食感に仕上がる。常温でも溶けず、また、型くずれしにくいので、持ち運びが容易にできる。冷凍した後に解凍しても、形が崩れないのも特徴のひとつ。無味無臭なので、香りが強い食品とも合わせられる。

アガーの種類

ゼラチンや寒天には形状の異なる複数のタイプがあるが、一般的に販売されているアガーは粉末タイプの1種類のみである。100~500gなどのパックになった商品や、1回分ずつ小分けになった商品がある。

アガーの使い方

砂糖やブドウ糖がアガーに添加されている場合、液体の全量の1~2%量を、90℃以上の熱湯に溶かして使う。アガーは30~40℃で固まり、常温でも完全に固められる。

アガーを使う時に注意したいこと

アガーはダマになりやすいため、あらかじめブドウ糖が添加されているものがある。無添加の場合は、液体を混ぜながら少しずつアガーを加えて溶かし、その後加熱する。もしくは、あらかじめ砂糖を混ぜておいたアガーを熱湯に入れて溶かすと、ダマになりにくい。また、果物や果汁の酸を加えると固まりにくくなることがある。

4. ゼラチン・寒天・アガーの違いを比較してみよう

寒天とゼラチンの違いは何となくわかるが、アガーとの違いはよくわからないという人も多いのではないだろうか。そこで、ゼラチン、寒天、アガーという3つの凝固剤を、さまざまな視点から比較してみよう。

ゼラチン・寒天・アガーの食感や使用目的の違い

  • ゼラチン
    ぷるぷるとしていて口溶けがよい。ゼリー、プリン、ババロア、ムース、マシュマロなど
  • 寒天
    ほろりとした食感で歯ぎれがよい。水ようかん、ところてん、杏仁豆腐など
  • アガー
    ふるふるとやわらかく、なめらか。ゼリー、プリン、水ようかんなど

ゼラチン・寒天・アガーの栄養成分やカロリーの違い

いずれも共立食品株式会社の商品の目安表示値を、100gあたりに換算して比較する。
  • ゼラチン(商品名:「ゼラチンパウダー」※1)
    カロリー344kcal たんぱく質87.6g 脂質0.3g 炭水化物0g 食塩相当量0.7g
  • 寒天(商品名:「寒天パウダー」※2)
    カロリー4kcal たんぱく質0g 脂質0g 炭水化物78g(糖質0g)食塩相当量0.12 ~1.2g
  • アガー(商品名:「ゼリーの素(アガー)」※3)
    カロリー320kcal たんぱく質0g 脂質0g 炭水化物92g 食塩相当量0.8g

ゼラチン・寒天・アガーの固まる時間や温度の違い

  • ゼラチン 
    20℃以下で2時間ほどで固まる(冷蔵庫で冷やし固める)
  • 寒天
    40~50℃で固まる(常温でも固まる)
  • アガー
    30~40℃で固まる(常温でも固まる)

ゼラチン・寒天・アガーの固まらない原因の違い

  • ゼラチン
    たんぱく質分解酵素を含む生のフルーツを入れると固まりにくい。加熱したフルーツや缶詰のフルーツを使うとよい。また、常温では溶けやすいため冷蔵保存する。
  • 寒天
    酸の強いものや牛乳、砂糖などを一緒に加熱すると固まりにくい。牛乳や調味料は寒天が完全に溶けてから、酸味のある果物や果汁などはさらに粗熱が取れてから加える。
  • アガー
    完全に溶けていない状態や酸の強いものと一緒に加熱すると固まりにくい。ダマがなくなるまで溶かしてから加熱し、果汁などはあとから入れるとよい。

ゼラチン・寒天・アガーの値段の違い

  • ゼラチン
    購入場所:スーパーで購入可能、製菓材料コーナーに陳列
    値段:共立食品株式会社「ゼラチンパウダー」(※1)100g/450円(税抜き)
  • 寒天
    購入場所:スーパーで購入可能、乾物コーナー、製菓材料コーナーに陳列
    値段:共立食品株式会社「寒天パウダー」(※2)50g/500円(税抜き)、100gあたり1000円
  • アガー
    購入場所:製菓材料店などで購入可能(スーパーでの取り扱いは稀)
    値段:共立商品株式会社「ゼリーの素(アガー)」(※3)25g(5g×5袋)170円(税抜き)、100gあたり680円

5. ゼラチンや寒天・アガーの代用は可能?

ゼラチン、寒天、アガーは、凝固剤という共通点はあるが、それぞれ異なる特徴をもつことがわかった。では、ゼラチンを使いたいが寒天しかないなど、互いに代用したい場合にはどうすればよいのだろうか。じつは、凝固剤には代用できるケースと難しいケースがあるのだ。

ゼラチンとアガーは代用可能

アガーは一般的なスーパーでは取り扱われていないため、入手できないこともあるだろう。その場合は、ゼラチンを代用すると近い食感になる。もちろん、ゼラチンの代わりにアガーを使用してもよい。ただし、食感が似ていても特性は異なるため注意が必要だ。たとえば、融解温度や凝固温度が異なるため、作り方も同じというわけにはいかない。失敗を避けるためにも、それぞれの特性を再確認したうえで使用することが大切だ。

寒天はゼラチンやアガーと代用不可

寒天は比較的入手しやすいが、ゼラチンやアガーとは食感がまったく異なる。もちろん単純に固めるだけなら代用できないこともないが、仕上がりの食感がイメージと離れすぎてしまうのだ。そのため、基本的に代用は避けたほうがよいだろう。ゼラチンやアガーは寒天の代わりにならないし、寒天をゼラチンやアガーの代わりに使うのもおすすめできない。

6. ゼラチンと寒天を混ぜるとどうなる?

ゼラチンと寒天を互いに代用することは難しいが、混ぜ合わせるという使い方ができることをご存知だろうか。異なる性質をもつ凝固剤を組み合わせることで、新たな食感を生み出すことができるのである。

混ぜるとゼラチンと寒天のいいとこ取りができる

なめらかな食感のゼラチンと、歯ぎれのよい寒天を組み合わせると、柔らかくさっぱりとした口当たりでとても食べやすい。硬すぎず柔らかすぎず、まさに新食感を楽しむことができる。ゼリーはもちろん、杏仁豆腐などにもおすすめだ。配合の仕方によって、硬さを好みで調節できる点もメリットの一つである。

ゼラチンと寒天を混ぜてゼリーを作る方法

ゼラチンと寒天を混ぜて使う場合は、両方とも粉末タイプを選ぶとよい。粉ゼラチンと粉寒天を、1:2~1:3の割合を目安に使用する。性質が異なるため、粉末の状態で混ぜ合わせるのではなく、溶かした寒天にふやかしておいたゼラチンを加えて合わせるのがポイントだ。
まずは、粉ゼラチンを冷水でふやかしておく。粉寒天は水とともに鍋に入れ火にかけ、5分ほど煮る。火を止め寒天がしっかり溶けたところに、ふやけたゼラチンを加えて溶かそう。その後、果汁やフルーツなど好みの食材や調味料を加えて固めれば完成だ。

結論

ゼラチン、寒天、アガーはそれぞれ原料や性質が異なるため、使い方にも違いがある。失敗を防ぐためには特性を踏まえて使用することが大切だ。また、ゼラチンとアガーは互いに代用できることや、ゼラチンと寒天を混ぜ合わせると新食感になることも覚えておきたい。3つの凝固剤を上手に使い分けて、お菓子作りや料理の幅を広げよう。
(参考文献)
※文部科学省の食品成分表にアガーがないため、同一メーカーの商品による情報を参考にしました。

※1 共立食品株式会社「ゼラチンパウダー」
https://www.products.kyoritsu-foods.co.jp/detail/?page=1&category=117&id=2216

※2 共立食品株式会社「寒天パウダー」
https://www.products.kyoritsu-foods.co.jp/detail/?page=1&category=117&id=1823

※3 共立食品株式会社「ゼリーの素(アガー)」
https://www.products.kyoritsu-foods.co.jp/detail/?page=1&category=117&id=272
  • 公開日:

    2017年11月16日

  • 更新日:

    2021年7月28日

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