1. 寒天の種類

寒天は粉寒天、糸寒天、角寒天の3種類があり、どの寒天も100%海藻から作られる。しかし、原料となる海藻や製法や形状が異なっている。
●粉寒天
粉寒天はオゴノリと言われる海藻から作られる。糸寒天や角寒天と違い、工場で作られる寒天だ。粉状なので使用する前に水で戻す必要がなく、そのまま使える。また、計量がしやすいため、用途に合わせて使いやすい。
●糸寒天
糸寒天は細寒天とも言われ、テングサから手作りで作られる。細く長い寒天で、水に浸して戻してから使用する。昔から主に和菓子の材料として使われてきた。煮溶かしても使えるが、水に浸けて柔らかくしたものを、サラダなどに入れてそのまま食べることもできる。
●角寒天
角寒天は棒寒天とも言われ、テングサとオゴノリを混ぜて作られるものが多い。30分以上水に浸して戻してから使う。一般的には戻した寒天を煮溶かして使うが、水に浸したものをちぎってサラダやスイーツを作ることもできる。
2. 寒天の使い方

寒天は原料になる海藻が違うので、種類によってそれぞれ凝固力が違う。粉寒天は4gが小さじ2杯分なのだがそれを基準に換算すると、糸寒天は8g、24~26本分、棒寒天は8g、1本分に相当する。
●粉寒天
鍋に分量の水やだしを入れ、そこに粉寒天を入れ火にかける。そのままでは鍋底に沈みやすいので、常に木べらなどでかき混ぜながら煮溶かす。沸騰したら火を弱め、さらに2分ほど混ぜながら加熱する。完全に溶かして均質な寒天液を作るためである。寒天が溶けたら、そのまま調味料や具材を入れ冷やし固める。
●糸寒天
煮溶かして使う場合は、たっぷりの水に30分以上浸して戻す。柔らかくなったら水気を絞り、沸騰した湯やだしに入れて煮溶かす。固まりが消えて透明感が出たら容器に入れて冷やし固める。煮溶かして使わない、糸寒天の食感をそのまま楽しみたい時は、両手でしっかり水気を絞って盛り付ける。
●角寒天
使用する前に流水でよく洗い、たっぷりの水に30分以上浸して戻す。浸す時間が長ければ長いほど柔らかくなり、扱いやすくなる。水に戻したら、手で小さくちぎって沸騰した湯やだしに加える。混ぜながら煮溶かし、固まりが消えて透明感が出たら型に入れたり、具材を加えたりして冷やし固める。
3. 寒天の効果

●寒天の保水力と食物繊維
寒天は食物繊維のかたまりのような食品で、100g中およそ80.9gが食物繊維だ。また寒天の食物繊維の独特の性質として、非常に強い保水力がある。
多量の水を含んだ寒天の食物繊維は腸の中でかさばり、その結果胃が内容物を腸にゆっくり送るようになる。それにともなって糖の吸収を遅らせる効果がうまれる。コレステロールが吸収されるのを和らげることもでき、血糖値の上昇が緩やかになる。この保水力こそが、生活習慣病の予防に役立つ寒天効果のもとなのである。
多量の水を含んだ寒天の食物繊維は腸の中でかさばり、その結果胃が内容物を腸にゆっくり送るようになる。それにともなって糖の吸収を遅らせる効果がうまれる。コレステロールが吸収されるのを和らげることもでき、血糖値の上昇が緩やかになる。この保水力こそが、生活習慣病の予防に役立つ寒天効果のもとなのである。
●肥満予防や便秘の緩和
食物繊維はノーカロリーで、また吸水力に優れている寒天はお腹のなかで体積が増え、少量でも満腹感を感じることができる。また、糖を吸収が遅くなることで、満腹感を長く持続させることもできるのだ。また、大腸内でも水分を吸って排泄物のかさを増すため、便秘や痔の症状を和らげることができる。
結論
健康のために運動しようと思っても、忙しい現代人、なかなか実行に移せないということもある。簡単に始められるのが寒天による健康法。毎日の生活に取り入れてみよう。