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【管理栄養士監修】豚肉のカロリーを紹介!部位別に違いを解説!

【管理栄養士監修】豚肉のカロリーを紹介!部位別に違いを解説!

投稿者:ライター 佐々木美紀(ささきみき)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年9月 8日

とんかつ、カレー、しょうが焼き。食卓でおなじみの豚肉は庶民派の代表で、老若男女問わず人気が高い。そんな豚肉は、脂身のあるなしや部位、加工の仕方によってカロリーや炭水化物量がかなり違ってくる。実際に比較すると見えてくる、ヘルシーな食べ方とは?豚肉の気になるカロリーあれこれを紹介していく。

  

1. 豚肉の部位

一般的に豚肉は、部位ごとにカットして販売されている。そこでまずは豚肉の部位を、図を参考に解説していこう。
まずは豚のカシラだ。カシラは頭全体をイメージする人が多いかもしれないが、こめかみからほほにかけての肉のことを意味する。1頭からとれる量が少なく、日持ちしないことから希少部位とよばれる。豚の耳はそのままミミとよばれ、ゼラチン質が部分だ。タンは豚の舌の部分をさし、コリコリとした食感が特徴となっている。ネックは豚肉の首の部分でトントロともいう。
豚の前足の上の部分を肩肉、下の部分を腕肉という。肩肉はよく動かす部位なので、脂肪が少なく赤身が多いのが特徴だ。この肩肉に接した部位、図を参考にすると肩肉の横にある部分を肩ロースという。肩ロースは肩肉よりも、脂肪が多く混ざっている。腕肉は繊維が入り組んでいて、肉質が比較的硬い。
豚のお腹側の部位にはバラ肉があり、赤身と脂肪が層になった肉で、骨付きはスペアリブとよばれる。煮込み料理などで食したことがある人も多いだろう。内側を中バラ、外側を外バラという。対して豚の背中側の部位は豚ロースといい、適度な脂肪で肉のきめが細かく、やわらかい肉質が特徴だ。この豚バラと豚ロースの間にある部位が豚ヒレで、脂肪が少ないという特徴がある。1頭からとれる量が少なく、豚肉の最上部位ともよばれている。
豚の後ろ足のもも部分を豚モモという。筋肉質で赤身が多く、きめ細かなやわらかい肉質だ。おしりに近い部分を豚外モモといい、こちらの部分はやや硬い肉質が特徴となっている。モモの下の肉をスネという。スネ肉は筋肉質で硬めだが、煮込むと美味しく食べられる。そして豚の足先が豚足だ。コラーゲンが多い部位として知られている。
豚のしっぽ部分はテールとよばれ、煮込み料理などに用いられる。

2. 豚肉のカロリーは部位ごとに違う?

豚肉にはさまざまな部位があるが、炭水化物はどの部位でもほぼ0g。一方、カロリーは部位により幾分違う。たとえば、赤身の肩と赤身の肩ロースでは、肩のほうが100gあたり30kcalも低い。また、脂身がついている場合とついていない場合(赤身)を部位ごとに比べてみると一目瞭然。脂身のカロリーは予想していたことだが、やはり高そうだ。では、実際に、脂身のあるなしについて、日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)を参考に部位ごとの数値をチェックしてみよう。以下はすべて100gあたりのカロリーだ。

豚肩

◎豚肉・肩(赤肉)114kcal (※2)
◎豚肉・肩(脂身つき)201kcal (※3)

豚ロース

◎豚肉・ロース(赤肉)140kcal (※4)
◎豚肉・ロース(脂身つき)248kcal (※5)

豚肩ロース

◎豚肉・肩ロース(赤肉)146kcal (※6)
◎豚肉・肩ロース(脂身つき)237kcal (※7)

豚バラ

◎豚肉・バラ(脂身つき)366kcal (※8)

豚モモ

◎豚肉・モモ(赤肉)119kcal (※9)
◎豚肉・モモ(脂身つき)171kcal (※10)

豚外モモ

◎豚肉・外モモ(赤肉)133kcal (※11)
◎豚肉・外モモ(脂身つき)221kcal (※12)

豚ヒレ

◎豚肉・ヒレ(赤肉)118kcal (※13)

豚ひき肉

◎豚肉・ひき肉 209kcal (※14)

3. 調理法によってもカロリーは変わる

豚肉は調理方法によってもカロリーが異なることを知っているだろうか。たとえば、焼いたり、茹でたりすることで流出する脂肪分や水分量に変化があるので100gあたりのカロリーも変わる。前項で紹介した豚ロースと豚モモについて、それぞれの場合でカロリーがどう異なるか紹介していこう。日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)を参考に100gあたりのカロリーを記載していく。

焼きの場合

◎豚肉・ロース(赤肉)140kcal (※4)
◎豚肉・ロース(脂身つき)248kcal (※5)
◎豚肉・ロース(脂身つき)焼き310kcal (※15)

◎豚肉・モモ(皮下脂肪なし)138kcal (※16)
◎豚肉・モモ(皮下脂肪なし)焼き186kcal (※17)

◎豚肉・バラ(脂身つき)366kcal (※8)
◎豚肉・バラ(脂身つき)焼き444kcal (※18)

◎豚肉・ヒレ(赤肉)118kcal (※13)
◎豚肉・ヒレ(赤肉)焼き202kcal (※19)

◎豚肉・ひき肉 209kcal (※14)
◎豚肉・ひき肉 焼き289kcal (※20)

焼くことで水分が抜ける分、100gあたりのカロリーはアップすると考えられる。

茹での場合

◎豚肉・ロース(赤肉)140kcal (※4)
◎豚肉・ロース(脂身つき)248kcal (※5)
◎豚肉・ロース(脂身つき)茹で299kcal (※21)

◎豚肉・モモ(皮下脂肪なし)138kcal (※16)
◎豚肉・モモ(皮下脂肪なし)茹で185kcal (※22)

生肉より、焼いたり茹でたり加工したほうが100gあたりのカロリーは高いことが分かる。焼いた場合と茹でた場合を比較すると、カロリーはどちらの調理法でも大きな差はないことが分かる。

4. 豚肉の栄養成分とは?

豚肉は、たんぱく質をはじめ、ビタミン類・ミネラル類・脂質などの栄養素をバランスよく含む。また、カルノシン・グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸などの旨み成分も豊富だ(※23)。豚ばら肉に注目して栄養成分を解説していこう。

たんぱく質

たんぱく質は、筋肉などの臓器を作る材料や、身体を動かすエネルギー源となる重要な栄養素。そんなたんぱく質は、豚ばら肉100gあたり14.4gも含まれ、成人男性(18~64歳)の1日あたりのたんぱく質推奨量の約1/5にもなる(※24)。さらに、豚肉のアミノ酸スコアは100なので「良質なたんぱく質」といえる。

ビタミンB1

豚バラ肉は、100gあたり0.51mgのビタミンB1を含んでいる。これは成人男性(18~64歳)の1日あたりのビタミンB1推奨量の1/3に相当し、豚ばら肉100gで1食分のビタミンB1を補える計算だ。ビタミンB1は、グルコース代謝と分枝アミノ酸代謝などに関与する(※24)。

ミネラル類

豚バラ肉には、リン・カリウム・鉄・亜鉛などのミネラル類もバランスよく含まれている。ミネラル類の働きはそれぞれ異なるが、いずれも健康状態を維持するのに必要な栄養素となっている(※25)。

脂質

脂質は身体を動かすための重要なエネルギー源。適切な範囲内で摂取することが重要だ。豚バラ肉は、100gあたり35.4gの脂質を含んでいる。成人男性(18〜64歳)の目安量は総エネルギーに対して20~30%なので(※2)、豚肉を食べてしっかりと脂質も補うようにしよう。

機能性成分

豚肉には前述した栄養素のほかにも、グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸といった旨み成分なども含んでいる。旨み成分の一つである「カルノシン」には優れた抗酸化作用があるとされており、体内の活性酸素を取り除く働きがあると考えられている(※1)。

5. 加工肉のカロリーはどのくらい?

日々の食卓でよく目にするハムやベーコンも、原料は豚肉だ。脂身込みで作られ、しかも調味料で味付けされているので、カロリーが生肉よりも増えているように予測される。では、実際にどのくらい増加しているのだろうか。ハム、ベーコン、ソーセージの100gあたりのカロリーをそれぞれ見ていこう。

ハムのカロリー

◎ハム(ボンレス)115kcal
◎ハム(ロース)211kcal
◎ハム(ショルダー)221kcal
◎生ハム 243kcal

ベーコンのカロリー

◎ベーコン(バラ) 400kcal
◎ベーコン(ロース)202kcal
◎ベーコン(ショルダー)178kcal

ソーセージのカロリー

◎ソーセージ(ウィンナー)319kcal
◎ソーセージ(ドライ/サラミ)467kcal
◎ソーセージ(フランクフルト)295kcal
◎ソーセージ(ボロニア)242kcal

6. 豚肉を使った料理のカロリーは?

メインディッシュになることが多い豚肉は、食卓にのぼる回数も多い。豚肉を使用した代表的な料理であるとんかつや、そのほかのメニューで100gあたりのカロリーを見ていこう。

とんかつ

◎とんかつ・ロース(脂身つき)429kcal
◎とんかつ・ヒレ(赤身)379kcal

一般的な豚肉料理

◎焼き豚 166kcal
◎しょうが焼き 318kcal(豚肉97g、しょうが3g)
◎酢豚 321kcal(豚肉50g、玉ねぎ25g、にんじん16g、その他9g)
◎回鍋肉 166kcal
◎餃子 197kcal

結論

日本の食卓になじみ深い豚肉は炭水化物の量はほとんど0g。低糖質の食材といえる。部位によりカロリーが異なるが、とくに脂肪がない肩肉は低カロリーなので、どんどん食べたい。焼くか茹でるかや、味付けなど調理方法でもカロリーは変化するので、ヘルシーな豚肉メニューを研究してほしい。
(参考文献)
※1出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※2 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/かた/赤肉/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※3 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/かた/脂身つき/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※4 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ロース/赤肉/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※5 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ロース/脂身つき/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※6 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/かたロース/赤肉/生
※7 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/かたロース/脂身つき/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※8 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ばら/脂身つき/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※9 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/もも/赤肉/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※10 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/もも/脂身つき/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※11 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/そともも/赤肉/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※12 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/そともも/脂身つき/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※13 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ヒレ/赤肉/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※14 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[ひき肉]/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※15 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ロース/脂身つき/焼き - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※16 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし/生
※17 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし/焼き - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※18 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ばら/脂身つき/焼き - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※19 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ヒレ/赤肉/焼き - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※20出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[ひき肉]/焼き - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※21 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ロース/脂身つき/ゆで - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※22 出典:文部科学省 食品成分データベース
肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし/ゆで - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
※23 出典:日本食肉消費総合センター「豚肉のチカラ」
※24 出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
※25 出典:厚生労働省e-ヘルスネット「ミネラル」
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  • 公開日:

    2018年1月12日

  • 更新日:

    2021年9月 8日

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