1. 美味しくて不思議なロブスター

大型スーパーでは見かけるようになったロブスターだが、食材としてだけでなく生き物としても大変面白い生態である。
元々アメリカ産
ヨーロッパ、南アフリカにも生息しているが、一大生産地はアメリカ北東部に位置するボストンだ。一般家庭でも茹でてよく食べられているし、名物料理としてロールパンに茹でたロブスターの具を挟んだ「ロブスターロール」が有名である。
興味深い生き物
ロブスターの臓器は老化や退化をしない。このため、論理上ロブスターには寿命がないという驚きの生き物だ。ロブスターの寿命は全て捕食によるものだと言われている。爪、足、触覚は切り落とされても生えて来る高い再生能力を持ち、痛覚が無い。また、足に口と同じ味覚細胞があり、歯が生えているのは口ではなく胃の中。なんだか妖怪のようなロブスターだが、意外なことにひっくり返して数分置いておくと眠ってしまう。茹で調理の前はひっくり返して眠らせてしまおう。
2. ロブスターは美味しいの?

輸入品の為中々出回らなかったが、最近は気軽に入手することが可能となった。ロブスターは果たして美味しいのだろうか。
ロブスターは味が濃厚
大型スーパーで半割の状態でも売られていることが多くなったが、その味は「濃厚でカニと海老の良いとこどり」と表現される。甲殻類が好きなら間違いない味である。値段もイセエビやカニの1/3程度しかしない為、思い切って活きロブスターをネット等で購入してみるのもいいだろう。カニ同様、茹でてある物ではなく生きている物を自宅で茹でた方が段違いで美味しいのだそうだ。
イセエビとの違い
日本で有名な大型海老と言えばイセエビだが、イセエビの特徴は柔らかな食感である。ロブスターはイセエビよりプリプリと弾力があり歯ごたえが強い。また、イセエビには無い大きな爪があるので、尾と爪で食感の違いを楽しめる。
3. ロブスターの調理方法

基本的にエビと同じでOKだ。おすすめの4つをご紹介しよう。
茹でる
なるべく大きな鍋に最低2ℓのお湯を沸かし、1ℓにつき大さじ2の塩を入れる。野菜や白ワイン、レモン汁を一緒に茹でれば、ゆで汁がスープストックとして使えるのでおすすめだ。ロブスターは頭からそっと一尾ずつ湯に入れる。再沸騰してから最低でも12分以上茹でるのだが、ロブスターの大きさによって違うため、茹でる前にサイズと茹で時間を確認しておこう。
蒸す
茹でるよりも時間がかかってしまうのだが、甘味が増すのでより美味しく味わえる。鍋に底から5㎝程度の塩水を沸かし、ロブスターを入れて再沸騰してから時間を計測する。最低でも18分以上は掛かる。
グリルで焼く
加熱調理済みを買ったら、風味を増すためグリルで焼いてみよう。殻を縦半分に割っておき、身にバターを塗って殻を下にして3~4分加熱するだけだ。グリルやオーブンはあらかじめ熱々に予熱しておこう。
直火で焼く
こちらもグリル同様の処理をし、フライパン等に殻を下にして入れて3~4分焼く。ロブスターは爪の中も食べられるので爪を割り、尾の内側の静脈と目の後ろにある袋状の小さな嚢(のう)を取り外してから加熱しよう。
結論
ロブスターは可食部分が多いことでも有名である。胴の前面にある胃袋(嚢に似ている)、触覚、エラ、腸、目玉以外は食べられる。加熱調理後の身に詰まった緑がかった香り豊かな肝臓は、カニ味噌同様の珍味だ。卵ももちろん食べられる。子供たちはハサミや尾の部分を食べるのが簡単だろう。場所によって味わいや食感が変わるロブスター、一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。
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