1. 沖縄そばとソーキそばの歴史

■沖縄そばの歴史
沖縄そばの歴史については諸説あると言われている。14世紀の後半に明(みん)から伝わったという説や、15世紀に中国から訪れた使節によって伝えられた説などがあるが、中国の中華麺が起源になっているということは間違いないようだ。そのような形で沖縄に伝わった沖縄そばだが、当時は大変高級な料理のひとつになっており宮廷料理として食べられていたと言われている。その後、明治、大正という時を経て、庶民にも普及し気軽に食べることができるものになった。
■ソーキそばの歴史
1970年代の沖縄が本土復帰を果たした頃の時代。その時期に登場したものがソーキそばだ。現在では沖縄そばのひとつとして全国的にも有名なものが、ソーキそばだと言っても過言ではないだろう。ソーキとは、沖縄では豚のスペアリブのこと。ソーキそばとは、文字通り、そのスペアリブがトッピングされた沖縄そばだ。もともとは、これまでの沖縄そばの上に、別で売っていたソーキを乗せて客に出したところ、それが大変好評になり、ここまで広まり、定着したと言われている。つまり、沖縄そばとソーキそばの違いとは、それぞれが別の料理ということではなく、ソーキそばとは数ある沖縄そばのひとつだと言うのが正しいだろう。その他にも、豚足を煮込んだテビチを乗せた「てびちそば」や、おぼろ豆腐を乗せた「ゆし豆腐そば」、細麺を使った「八重山そば」などもある。
2. 沖縄そばとソーキそばの特徴

■沖縄そば
もともとの沖縄そばのスタンダードは、麺はきしめんによく似た麺で、豚骨でダシを取ったスープに醤油を加え、豚肉にネギをトッピングした、大変シンプルなものだった。そこから塩ベースの透明なスープに、豚の三枚肉、かまぼこ、紅ショウガにネギなどの具材が加えられ、改良されていき、現在の沖縄そばのスタイルになったと言われている。
■ソーキそば
現在、多くの人が沖縄そばと呼んでいるものが、このソーキそばのことを指す。沖縄産の黒糖や泡盛、醤油などを使って、甘辛く炊いたソーキ(豚のスペアリブ)をトッピングに使った沖縄そば。また、ソーキの中にも、固い骨付きの「本ソーキ」や軟骨の部分が付いた「軟骨ソーキ」などがある。
3. 地域でアレンジされている沖縄そば

■宮古そば
沖縄県の宮古島で食べられているポピュラーな沖縄そばが、この宮古そばだ。本島のものに比べると、麺がやや細めで縮れの少ないストレートの平麺であることが特徴的。トッピングはほとんど変わらないが、贅沢を隠すという理由から、昔は具材を麺の下に隠していたと言われている。
■八重山そば
細めで丸い縮れのないストレート麺が特徴的な八重山そば。おもに石垣島をはじめとする八重山諸島で食べられている沖縄そばだ。
スープは本当の沖縄そばに比べるとやや甘めになっている。三枚肉の乗ったソーキそばとは違い、細切りにした豚肉とカマボコをトッピングに使っているのも特徴的。
スープは本当の沖縄そばに比べるとやや甘めになっている。三枚肉の乗ったソーキそばとは違い、細切りにした豚肉とカマボコをトッピングに使っているのも特徴的。
■大東そば
沖縄県の南大東島に由来する沖縄そばが、この大東そば。麺は太く不揃いで縮れているのが一番の特徴。南大東島の海洋深層水を使って練り上げられたという麺は、コシが大変強く、とても食べ応えがある。あっさりとしたスープとの相性もばっちりだ。
結論
ソーキそばとは、もっともポピュラーな沖縄そばのひとつである。トッピングによっては「テビチそば」や「ゆし豆腐そば」、「野菜そば」などとも呼ばれている。また、離島ごとに特色ある沖縄そばが存在する。最近では離島の沖縄そばが食べられる専門店が沖縄本島にも増えてきているため、沖縄に足を運んだ際は、さまざまな沖縄そばを食べ比べてみるのもおもしろいだろう。
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