1. 体重制限中に鶏肉が選ばれる理由
生活習慣病を防ぐのに大切なことは、メタボ体型にならないことである。近年の健康志向の高まりから、男女関係なく、肥満にならないように減量を試みる人が増えている。
規則的な食生活や適度な運動を心がけるのはよいことではあるが、食事においてはヘルシーなものを選びつつ、必要最低限の栄養を摂る必要がある。痩せたい願望が強すぎると、極端にカロリーや糖質を減らそうとしてしまう。しかし、無理な食事制限は身体に害となることを知っておくべきだ。
規則的な食生活や適度な運動を心がけるのはよいことではあるが、食事においてはヘルシーなものを選びつつ、必要最低限の栄養を摂る必要がある。痩せたい願望が強すぎると、極端にカロリーや糖質を減らそうとしてしまう。しかし、無理な食事制限は身体に害となることを知っておくべきだ。
体重制限中は高カロリーである肉類が敬遠されがちだが、肉類が食べたいけれどカロリーが気になるという場合は鶏肉を選ぶとよい。ぜひ積極的に鶏胸肉や鶏もも肉などを摂るようにしよう。
2. 鶏胸肉と鶏もも肉はどちらが低カロリー?
それでは、鶏胸肉と鶏もも肉ではどちらが低カロリーなのだろうか。実際に調べたので比べてみよう。
鶏胸肉のカロリー
淡白な味で硬めの食感が特徴の鶏胸肉。調理をすることでパサパサとした食感になりやすく、敬遠されることも少なくないだろう。鶏胸肉(皮あり)のカロリーは、100gあたり133kcal、200gあたり266kcalだ。
鶏もも肉のカロリー
ほどよい脂とジューシーな旨みが魅力の鶏もも肉。脂のとろけるような食感を好む日本人にとってはこちらのほうが人気は高い。鶏もも肉(皮あり)のカロリーは、100gあたり190kcal、200gあたり380kcalだ。
高カロリーの原因は皮にあり?
もも肉に比べ、胸肉のほうが低カロリーであることが分かるが、さらに深く追求して見てみよう。鶏肉を使って調理する際に、皮を取り除いたほうがカロリーは低くなると思うが、実際どのくらいの差があるのだろうか。
◎若鶏肉(むね・皮あり)[133kcal、266kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(むね・皮なし)[105kcal、210kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(むね・皮なし)[105kcal、210kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(もも・皮あり)[190kcal、380kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(もも・皮なし)[113kcal、226kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(もも・皮なし)[113kcal、226kcal/100g、200g]
このように、皮ありと皮なしではカロリーに大きく違いが出ることが分かる。
また、皮がついている鶏肉を切る際に、肉と皮の間に黄色い脂肪があるのを見たことはないだろうか。実はこの脂肪こそが高カロリーの元凶なのである。鶏肉も人間と同様、年をとってくると皮と筋肉の隙間にこってりと脂肪がつくというわけだ。
また、皮がついている鶏肉を切る際に、肉と皮の間に黄色い脂肪があるのを見たことはないだろうか。実はこの脂肪こそが高カロリーの元凶なのである。鶏肉も人間と同様、年をとってくると皮と筋肉の隙間にこってりと脂肪がつくというわけだ。
調理する際は、この脂肪の部分を取り除くだけでも随分とカロリーを抑えることができる。皮を残してパリパリに仕上げたいなら、隙間の脂肪のみ取り除いたあとに調理すればOKだ。
成鶏肉と若鶏肉でもカロリーが異なる?
さて、鶏肉には「若鶏肉」と「成鶏肉」があるのをご存知だろうか。若鶏肉は柔らかくてジューシー、成鶏肉はコクがあり深い味わい、というように、味と食感について微妙に違うイメージがある。
しかし、二者のカロリーを見てみると、驚くことにまったく数値が異なってくるのだ。皮がついた状態の鶏肉で、実際にカロリーを比べてみよう。
しかし、二者のカロリーを見てみると、驚くことにまったく数値が異なってくるのだ。皮がついた状態の鶏肉で、実際にカロリーを比べてみよう。
◎成鶏肉(むね・皮あり)[229kcal、458kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(むね・皮あり)[133kcal、266kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(むね・皮あり)[133kcal、266kcal/100g、200g]
◎成鶏肉(もも・皮あり)[234kcal、468kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(もも・皮あり)[190kcal、380kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(もも・皮あり)[190kcal、380kcal/100g、200g]
◎成鶏肉(ささみ)[105kcal、210kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(ささみ)[98kcal、196kcal/100g、200g]
◎若鶏肉(ささみ)[98kcal、196kcal/100g、200g]
元々皮がついていないささみのカロリーは、成鶏肉と若鶏肉ではそれほど違いはない。ところが、皮がついている胸肉ともも肉では、成鶏肉のほうが圧倒的にカロリーが高い。胸肉にいたっては約100kcalも違う。鶏肉の皮をパリパリに焼くと香ばしくて旨いが、メタボ予備軍は、若鶏肉をチョイスしたほうがよさそうだ。
3. 栄養素も減量向き?
鶏肉のカロリーについて詳しく紹介したが、体重を減らすことばかり意識してしまうと栄養不足などのリスクが生じる。美しい身体を目指すなら、栄養のバランスにも目を向けてみよう。
ここからは、鶏肉がもつ栄養素について紹介する。鶏胸肉と鶏もも肉によって持ち味も変わってくるが、これを読むと鶏肉はいかに減量向きである食材かが分かるだろう。
ここからは、鶏肉がもつ栄養素について紹介する。鶏胸肉と鶏もも肉によって持ち味も変わってくるが、これを読むと鶏肉はいかに減量向きである食材かが分かるだろう。
たんぱく質
鶏肉には共通して良質なたんぱく質が含まれている。たんぱく質は身体の筋肉量を維持するだけでなく増量させるための大切な栄養素であり、体重管理においても必要不可欠なのだ。
また、人間は30歳を過ぎた頃から自然と筋肉量が落ちてくるといわれている。減量だけでなく健康を維持していくためには、運動によって筋肉を鍛えることと筋肉の元となるたんぱく質をしっかり摂ることが大切だろう。
また、人間は30歳を過ぎた頃から自然と筋肉量が落ちてくるといわれている。減量だけでなく健康を維持していくためには、運動によって筋肉を鍛えることと筋肉の元となるたんぱく質をしっかり摂ることが大切だろう。
鶏胸肉に含まれる栄養素
鶏胸肉には、疲労回復効果が期待できるイミダゾールジペプチドが多く含まれている。さらに、その中にあるカルノシンやアンセリンには活性酸素を抑える強い抗酸化成分が含まれているため、アンチエイジング効果も期待できるらしい(※2)。
ほかにも、イミダゾールジペプチドは疲労を軽減させたり、生活習慣病を予防し改善させたりなど、さまざまな効果が期待できるため、ぜひ日頃の食事に取り入れていきたい(※2)。
ほかにも、イミダゾールジペプチドは疲労を軽減させたり、生活習慣病を予防し改善させたりなど、さまざまな効果が期待できるため、ぜひ日頃の食事に取り入れていきたい(※2)。
鶏もも肉に含まれる栄養素
鶏の身体の中でもよく動かす部位の鶏もも肉は、最も栄養価が高く、とくにビタミンAやビタミンB2、鉄やナイアシンが豊富に含まれている。これらの栄養素は、細胞の活性化や脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあるようだ(※3)。
高カロリーでも皮は食べるべき?
高カロリーであることを先述した鶏の皮だが、実はコラーゲンを豊富に含んでいる。コラーゲンは皮膚や血管を構成するたんぱく質で、人体のたんぱく質の30%を占めるといわれている。カロリーだけでなく栄養素も踏まえて最適な食べ方を心がけるとよいだろう(※4)。
4. 調理法でもカロリーは変わる?
健康を維持しながら体重減少を成功させるために、鶏肉が大いに役立ってくれることが分かった。さらに調理方法によってもカロリーが変わるので、より理解を深めたうえで食事をしていくとよいだろう。最後に鶏胸肉と鶏もも肉の調理方法別カロリーを紹介しておこう。下記数値は、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に計算したものだ(※1)。
◎鶏胸肉(皮あり・焼き)[215kcal、430kcal/100g、200g]
◎鶏胸肉(皮なし・焼き)[177kcal、354kcal/100g、200g]
◎鶏胸肉(皮なし・焼き)[177kcal、354kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮あり・焼き)[220kcal、440kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮あり・茹で)[216kcal、432kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮なし・焼き)[145kcal、290kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮なし・茹で)[141kcal、282kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮あり・茹で)[216kcal、432kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮なし・焼き)[145kcal、290kcal/100g、200g]
◎鶏もも肉(皮なし・茹で)[141kcal、282kcal/100g、200g]
このように、焼いた場合と茹でた場合のカロリーを見ると大差ないことが分かる。やはり、皮のありなしがカロリーを大きく左右すると思ってよさそうだ。
また、からあげなど揚げ物調理をする場合は、素揚げ、からあげ、天ぷら・フライの順で油の吸収率が大きくなり、カロリーが増えてしまうことを覚えておこう。少量の油で揚げ焼きにしてみたり、衣をつけ過ぎないよう気をつけてみたり、調理方法を工夫するのもおすすめだ。
また、からあげなど揚げ物調理をする場合は、素揚げ、からあげ、天ぷら・フライの順で油の吸収率が大きくなり、カロリーが増えてしまうことを覚えておこう。少量の油で揚げ焼きにしてみたり、衣をつけ過ぎないよう気をつけてみたり、調理方法を工夫するのもおすすめだ。
結論
鶏胸肉と鶏もも肉の気になるカロリーや栄養素について紹介した。牛肉や豚肉に比べカロリーが低く、さらに良質なたんぱく質や抗酸化作用のあるイミダゾールジペプチドなども同時に摂ることができるので、理想の減量促進食材といってよいだろう。調理方法なども考えながら、鶏肉料理をぜひ楽しんでもらいたい。
(参考文献)
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
※2 Shodex
https://www.shodex.com/ja/dc/01/10/01.html
※3 江崎グリコ株式会社 栄養成分百科
https://jp.glico.com/navi/dic/index.html
※4 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
※2 Shodex
https://www.shodex.com/ja/dc/01/10/01.html
※3 江崎グリコ株式会社 栄養成分百科
https://jp.glico.com/navi/dic/index.html
※4 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
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