1. お米の基礎知識
■お米の歴史
我々日本人にとって、とても身近な存在のお米だが、その起源はなんと縄文時代までさかのぼる。西暦に入って約2000年経つが、日本ではお米は少なくとも3000年以上前から作られていたということが明らかになっているというから驚きだ。雨が多く降る季節と雨が少ない季節がはっきりとしている気候が、お米作りには適しているとされている。そのため、そういった気候を持つ日本で、お米が主食として我々の食生活に根付いていったのは、自然なことだと言えるのかもしれない。
■日本を代表するブランド米
日本ではさまざまな種類のお米が作られているが、そんな中でもブランド米と呼ばれるお米は特にわれわれ日本人にとっては特別な存在だ。日本のお米で有名なブランド米と言えば、やはり「コシヒカリ」だろう。日本の広い地域で生産されており、国内のブランド米の生産量もナンバーワンを誇っている。また、その他にも日本の各地域の気候や風土に合わせたブランド米が数多く生産されており、東北地方であれば「ひとめぼれ」や「あきたこまち」、西日本であれば「ヒノヒカリ」などと、さまざまな品種が近年でも生まれてきている。
2. さまざまなお米の違い
■新米と古米の違い
「新米」という言葉をよく耳にしたり、スーパーなどで見かけたりするかと思うが、実際に新米を詳しく説明できるという人は少ないのではないだろうか。新米とは、呼んで字のごとく新しい米のことを指している。国の規定では11月1日をお米の収穫の基準としており、翌年の10月31日までのお米を新米と定めている。そういった基準から、お米が収穫された翌年の11月1日以降のお米は、「古米」と呼ばれ、その次の年からは「古古米」、さらに翌年からは「古古古米」と「古」の文字が経年によって増えていくことになっている。
■海外の米と日本米の違い
日本で栽培されているお米の品種は、300種類以上にも及ぶという話はしたが、当然日本以外のさまざまな国でもお米は栽培されており、世界で栽培されているお米の品種となると、その数は1000種類を超える。日本で栽培されているお米は、総称で「ジャポニカ米」と呼ばれており、その特徴は丸みを帯びた楕円形、粘りと甘味が強く、まさに我々が毎日食べているお米だ。
ジャポニカ米以外には、主にインドやタイ、中国やアメリカなどで生産されている「インディカ米」、インドネシアなどの東南アジア、イタリアやスペインなどで栽培されている「ジャバニカ米」などがある。インディカ米は、日本のお米と比べると、細長い形状で粘り気が少なく、ジャバニカ米は形、粘り気ともに、ジャポニカ米とインディカ米の中間と言えるだろう。
ジャポニカ米以外には、主にインドやタイ、中国やアメリカなどで生産されている「インディカ米」、インドネシアなどの東南アジア、イタリアやスペインなどで栽培されている「ジャバニカ米」などがある。インディカ米は、日本のお米と比べると、細長い形状で粘り気が少なく、ジャバニカ米は形、粘り気ともに、ジャポニカ米とインディカ米の中間と言えるだろう。
3. 代表的なブランド米の特徴
■コシヒカリ
日本国内で最も多く栽培されているお米でまさに日本を代表するブランド米のコシヒカリ。新潟県をはじめ、日本国内の幅広い地域で栽培されており、一言でコシヒカリと言っても、産地によって味や粘り気に違いがある。全体的に味や香り、粘り気に優れており、そういったことが理由で高い人気を誇っているお米だ。
■ひとめぼれ
コシヒカリには及ばないが、現在日本国内で二番目に多く栽培されているのが、このひとめぼれ。コシヒカリに比べると、少し大粒で粘り気が強いのが特徴だ。和食はもちろん、洋食や中華など、どんな料理にも合うのが高い人気を誇る理由。ちなみにひとめぼれは、コシヒカリとキヌヒカリの子供である。
■ヒノヒカリ
日本国内第三位の作付面積を誇るお米。コシヒカリに良く似たお米だが、コシヒカリに比べて粘りと米独特の香りが少なく、お米としての平均的なバランスを保っているため、クセが少ない。西日本中心で作られているお米で、そのバランスの良さと手軽な価格から、高い人気を誇るお米になっている。
4. ご飯が一番美味しく炊けるのは土鍋
■アミラーゼの働きがポイント
よくご飯を美味しく炊くには土鍋が一番と言うが、その理由はなんだろうか。昔から「はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣くとも蓋とるな」というお米を炊く際の火加減を詩にしたものがあるが、実はこの中にその答えがある。冒頭の「はじめチョロチョロ」というのは、弱火で土鍋全体を少しずつ温めることで、お米の甘みを引き出す「アミラーゼ」の働きが活発になるため、ゆっくりと加熱していくのがよいと言われているのだ。
■土鍋の保温性の高さ
次に「中パッパ」の部分だが、これは強火で一気に加熱することで、鍋の中を沸騰し続ける状態に保つことを指しており、土鍋は保温性の高さからその状態を維持しやすい。また、「赤子泣くとも蓋とるな」では、鍋を火からおろした後も、お米を蒸らすことで余分な水分を飛ばし、ふっくらと美味しく炊き上げることができることを指している。この部分も高い保温性を持つ土鍋が適していると言われているのだ。このような詩からも、いかにお米が日本人から愛されているかを伺い知ることができる。
結論
われわれ日本人の口に合い、日本という気候にも適しているお米。そんなお米が主食として愛され続けるのは当然のことだと言えるのだろう。しかし、毎日当たり前のように食べているお米なだけに、その美味しさを再確認することも少ない。しかし最近では、土鍋に近い炊き方のできる電子炊飯器なども登場していることから、われわれ日本人がいかにお米にこだわり、愛情を持っているかがわかると言えるのではないだろうか。