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関東と関西で異なる【うなぎ】のかば焼き。それぞれの特徴と調理法

関東と関西で異なる【うなぎ】のかば焼き。それぞれの特徴と調理法

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2019年12月19日

うなぎのかば焼きには関東風と関西風がある。それぞれ調理法が違うが、その成り立ちには東西の歴史と文化が深く関わっている。今回は関東と関西のうなぎの開き方と焼き方の違いについて詳しく解説する。

  

1. 東西で違ううなぎの開き方

関東と関西ではうなぎの開き方が異なる。それぞれの特徴について解説する。

■関東では背開き

関東ではうなぎを背側から開く。その理由は諸説あるが、その昔、江戸の町には侍が多く、「切腹」を連想させる腹開きは縁起が悪いとされ、背開きが主流になったといわれる。

そのほか、1700年代の江戸時代には熟練した料理人が少なく、難易度の高い腹開きができる職人も限られていたのではないかともいわれている。当時の江戸の町は全国各地から集まった単身赴任者が多く、外食産業は盛況だったが、腕のよい調理人の数が需要に追い付かなかった。

そこで採用されたのが背開きだ。うなぎは背側から開くと大人しく捌きやすい。調理効率がよく時間も短縮できるので、背開きが好まれたといわれている。

また、うなぎの腹には脂が乗っているので、その旨みを逃がさないために背開きが好まれたという説もある。

こうしたいくつかの要素が重なり、関東ではもっぱらうなぎは背開きで、現在までその方法が受け継がれている。

■関西では腹開き

関東では背開きであるのに対し、関西では腹開きが主流だ。江戸の町が武家社会だったのに対し、上方は商人文化だったので、「腹を割って話す」ということを意味する腹開きが好まれたという。

2. 東西の焼き方の違い

関東風と関西風ではうなぎの調理法にも違いがある。最大の違いは焼く前に蒸すか蒸さないかだ。

■関東のうなぎは蒸す

関東風のうなぎのかば焼きの特徴は、素焼きにしたあと蒸す点にある。先にも挙げたように、その昔、江戸の町では単身者が多かったことから、お一人様用に早く美味しく提供することが求められていた。

そこで生まれたのがこの関東風のかば焼きだ。調理法はうなぎを一度素焼きにして、そのあと箱に入れてうなぎをふっくら柔らかく蒸し上げる。お客が来るまでにそこまで下ごしらえをしておいて、いざお客の注文が入ったらタレを塗ってサッと焼けばできあがりだ。

この方法なら注文後の調理時間を短くできるので、気の短い江戸っ子相手にはピッタリの調理法だ。また事前に火を通しているので、タレで焼いても焦げる心配はない。

またうなぎを蒸すと身がふっくらするので、心なしかうなぎが大きく見える。その見た目のよさが見栄っ張りの武家社会で好まれたと言う説もある。

現在も関東では、うなぎのかば焼きは蒸した後にタレ焼きにして出される。関東風は身が柔らかく、ほくほくしているが、その裏にはこうした調理法の秘密があるのだ。

■関西のうなぎは蒸さない

関東風が蒸すのに対し、関西風ではうなぎを蒸さない。関西ではうなぎを開いたらダイレクトに焼くが、焼く技術で身を柔らかくする。

またご飯の中にうなぎを入れることで身を柔らかくすることも多い。実際に関西のうな丼はご飯の間にうなぎが入っている。関西ではうな丼を「まむし」と言うが、その語源は「まんまむし」にあり、これはご飯で蒸すことを意味する。そのほか、ごはんをまぶすことが転じて「まむし」になったという説もある。

3. 関東風と関西風の境界線

関東風と関西風の境界線は、浜松から諏訪湖に至る天竜川沿いといわれている。実際に浜松市では関東風と関西風の店が連なる。また、諏訪湖近くの諏訪市でも関東風と関西風が混在するが、隣の岡谷市では関西風の店が主流だ。

結論

うなぎのかば焼きは関東と関西で調理法が異なる。関東は背開きで蒸すのが主流。一方関西は腹開きで蒸さないのが一般的。どちらの調理法も美味しくいただけるので、旅行の際はご当地のうなぎを堪能しよう。

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  • 公開日:

    2018年7月19日

  • 更新日:

    2019年12月19日

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