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継ぎ足しのタレが腐らない理由は?「創業100年」なのになぜ!?

継ぎ足しのタレが腐らない理由は?「創業100年」なのになぜ!?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年2月21日

焼き鳥やうなぎ屋さんの前を通ると、プーンと漂う香ばしくて甘いタレの香り。創業した頃から使っている「秘伝のタレ」を持っている店も少なくない。しかし「継ぎ足しのタレは衛生的に大丈夫なのか」と不安に思ったことはないだろうか。今回は、継ぎ足しのタレが腐らない3つの理由を説明しよう。

  

1. (理由1)低温殺菌されている

焼き鳥やうなぎ屋さんでは、いったん焼いた熱々の鶏肉やうなぎをタレに浸けている。これにより、継ぎ足しのタレは低温殺菌され、菌の繁殖を防ぐことができるのだ。よく「名店ほどタレが腐らない」と言われることもあるが、これはお客さんが多いためにタレに浸ける回数が多く、タレが常に低温殺菌されていることによるものだ。

ちなみに、低温殺菌というのは「60℃~70℃位で殺菌すること」を意味している。もちろん定期的にタレを加熱して殺菌する方法もあるが、あまりに高温になるとタレが煮詰まってしまったり、たんぱく質が変性して味が変化したりするので好ましくない。

この低温殺菌の方法は、牛乳にも用いられている。牛乳の場合も殺菌する温度によって変質してしまう特徴があるが、低温でも30分加熱することで、風味を損なわずに十分な殺菌効果が得られることが知られている。

2. (理由2)塩分や糖分が高い

焼き鳥やうなぎのタレの甘辛い味には、塩分や糖分がしっかりと含まれている。やや専門的な話になるが、食品に含まれる水分には自由水と結合水の2種類があり、細菌が繁殖できるのは自由水のみである。タレに含まれる塩分や糖分は水と結合して結合水となるため、通常の液体に比べると細菌が繁殖しづらい環境になっている。

しかし、塩分や糖分が多いと言っても、砂糖漬けやジャム・梅干しのような保存食ほど多くはないので、そのまま放置していると数日間で腐ってしまう。というのも、細菌が繁殖しづらくなる目安は「塩分10%以上、糖分65%以上」。それに対して、例えば一般的なうなぎのタレは、「塩分約8%、糖分25%程度」であり大きく下回っているためだ。

つまり、繁殖を抑える程度の塩分と糖分はあるがそれだけでは不十分であるため、さらに低温殺菌することによって、菌が繁殖しづらい環境を保っているのだ。

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3. (理由3)継ぎ足すことで中身が入れ替わる

「創業当時のタレを100年以上使い続けています」という看板を時々見かけることがある。「100年以上前のタレって大丈夫なの?」と思ってしまいがちだが、実際には継ぎ足すことで中身が入れ替わっているため、古いタレはほとんど含まれていないと言われている。

タレの中身は、一ヶ月程度で新しいものにほぼ入れ替わっていることが多い。それならば「最初から新しいタレを作っても良いのでは?」という疑問も湧くが、タレを継ぎ足すことにもいくつかの意味がある。
  • 同じ味が提供できる...継ぎ足して使うことによって、今も昔も変わらない味を食べてもらうことができる。
  • 旨味が凝縮される...鶏肉やうなぎを漬け込むことで、素材の旨味がタレの中にも出てくる。これにより旨味がグンとアップする。
  • 繁盛店・老舗店であることのPRになる...塩分と糖分の割合から、ただ放置しているとすぐに腐ってしまうタレ。そのタレを腐らせずに継ぎ足しで使い続けていることは、繁盛店や老舗店であることのPRにもつながる。

結論

継ぎ足しのタレが腐らないのには、きちんとした理由があることが分かった。食中毒などの心配をしていた方にとっては一安心だったに違いない。「創業して以来、タレを継ぎ足して使っている」というお店は、タレの管理が十分できているということを意味するので「繁盛していて当然」とも言えるだろう。美味しい焼き鳥やうなぎが食べたくなったら、ぜひ継ぎ足しのタレを使ったお店に行ってみるのはいかがだろうか。

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  • 公開日:

    2018年2月 6日

  • 更新日:

    2020年2月21日

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