1. ツバメの巣とは?

ツバメの巣(燕窩、燕巣)とは、主に中華料理で使われているアナツバメの巣を乾燥させた食材のこと。特にスープにして食べられることが多い。アナツバメはアマツバメ科アナツバメ属に分類されるツバメの総称であり、特にマレーアナツバメやハシブトアナツバメの巣が食用とされている。日本ではアワビやフカヒレと並んで「中国三大珍味(中国三大高級食材)」の一つとして知られている。
2. 中華食材「ツバメの巣」の特徴

ツバメの巣の味・香り・食感、栄養面、産地といった特徴を確認しよう。
1.食感は「プルン」としている
高級食材であるツバメの巣は、実は味や香りはほとんどしない。しかし「プルン」とした上品な食感が特徴的であり、スープやデザートなどにして食べると美味しい。一般的には乾燥された状態で売られているため、お湯で戻してから料理に使うことになる。
2.たんぱく質の含有量が多い
ツバメの巣の栄養成分の比率は、水分が約13.4%、たんぱく質が約49.9%、脂肪が0%、糖質が30.6%、灰分6.2%となっており、たんぱく質を多く含んでいる。また「遭難した船人がツバメの巣を食べて元気になった」といった、ツバメの巣の栄養価の高さを伺わせるエピソードも残っている。
3.主に東南アジアで採取される
ツバメの巣は中華食材として知られているが、実は主な産地はマレーシア、フィリピン、タイと言った東南アジアとなっている。アナツバメは巣を再利用しないため、これらの地域ではヒナが巣立ってから巣の採取を行う。また、乱獲などを防ぐために24時間体制で厳重に監視している地域もある。
3. ツバメの巣が使われる料理

ツバメの巣は明王朝の頃より皇帝の「宮廷御膳」として食べられるようになったといわれている。そんなツバメの巣は現在では、水で戻してから柔らかく煮込んで料理やデザートなどに使うことが多くなっている。ツバメの巣の煮込み料理は、中国では「清炖燕窝」と呼ばれている。
4. ツバメの巣に関するよくある質問

最後に、ツバメの巣に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.日本のツバメが作る巣との違いとは?
アナツバメが作る巣は、そのほとんどが粘度の高いのり状の唾液であり、食べることができる。一方、日本で見かけるツバメ(スズメ目ツバメ科)などが作る巣は、泥や枯れ葉などでできており唾液の量は少ない。このことから日本のツバメが作る巣は食べることができない。
Q2.ツバメの巣はどうして高価なのか?
ツバメの巣が高級食材である理由は、そもそも採取できる量が少なく、採取にも危険が伴うことなどが関係しているという。アナツバメが巣を作るのは、外敵が近寄るのが難しい絶壁の洞窟の中などとなっている。許可を受けた採取者はハシゴなどで絶壁を降りていき、専用の器具で一つずつツバメの巣を丁寧に採取する必要があるのだ。
結論
ツバメの巣はアワビやフカヒレと並ぶ中国三大珍味のひとつである。しかし、ツバメの巣はほとんど味や香りがしないが、「プルン」とした食感が非常に美味しいという。なお、偽物も少なくないというので購入する際には十分注意したほうが良いだろう。
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