1. ツバメの種類が違う

日本の軒先のツバメは、巣が食材になるツバメとは種類が違う。
食用になる巣を作るのは「アナツバメ」という種類のツバメだ。
日本のツバメの巣は食べられないので注意が必要だ。
食用になる巣を作るのは「アナツバメ」という種類のツバメだ。
日本のツバメの巣は食べられないので注意が必要だ。
日本も海外も「縁起物」
春の訪れとともに日本にやってくるツバメたちは、いずれも渡り鳥で5種類ほどだ。スズメ目の鳥で、「雷や家事から家を守る」
「商売繁盛」「子宝に恵まれる」など、とにかく愛されている。一方、ツバメの巣を食べる中国でも、ツバメは「愛情鳥」と呼ばれている。家庭円満の象徴として縁起物の鳥で、中国では新婚の女性にツバメの巣を持たせる風習もあるのだそうだ。しかし、中国にも食用の巣を作るツバメは生息していない。
「商売繁盛」「子宝に恵まれる」など、とにかく愛されている。一方、ツバメの巣を食べる中国でも、ツバメは「愛情鳥」と呼ばれている。家庭円満の象徴として縁起物の鳥で、中国では新婚の女性にツバメの巣を持たせる風習もあるのだそうだ。しかし、中国にも食用の巣を作るツバメは生息していない。
アナツバメの特徴
食べられる巣を作る「アナツバメ」は、東南アジアのごく一部の地域にしか生息していない。日本のツバメは何度も同じ巣を使って
繁殖するが、アナツバメの巣は一度きり。子育てごとに新しい巣を作る。このため、古い巣を人が採って食べても繁殖に問題はない。
繁殖するが、アナツバメの巣は一度きり。子育てごとに新しい巣を作る。このため、古い巣を人が採って食べても繁殖に問題はない。
2. 採集に手間がかかる貴重品

食用となるのはアナツバメの巣のみで、採集に制限がある上、採集自体が難しい。しかし、ツバメの巣は高価でも需要がある。
特に中国では、ツバメの巣の料理は最高のもてなしになるため、需要は高まる一方である。採集量に限りがあるので、近年ではますます高級になる傾向だ。
特に中国では、ツバメの巣の料理は最高のもてなしになるため、需要は高まる一方である。採集量に限りがあるので、近年ではますます高級になる傾向だ。
唐王朝の宮廷料理
東南アジアのアナツバメの巣は、中国の船団がマレーシア半島沖で遭難したことがきっかけでもたらされたものだ。船員が死に物狂いでたどり着いた岸壁に不思議な半透明の巣を見つけ、飢えをしのぐため海水で洗って食べた。すると全員みるみるうちに元気になったという言い伝えが残っている。船員はその巣を持ち帰り、唐王朝に献上品として捧げたのだという。
採集は命がけ
アナツバメの巣は泥や小枝を使う日本のツバメの巣と違い、ほぼすべてアナツバメ自身の唾液で作られている。これはとにかく巣を軽くするための工夫だ。海岸沿いの断崖絶壁にある洞窟の、さらに奥深くに繁殖地がある。あまりに採集が危険なため、マレーシア政府が24時間体制で厳重管理するほどである。
3. ツバメの巣をめぐる問題点

天然のアナツバメの生態を守るため、そして採集者の命を守るため、東南アジアでは厳重管理が行われている。それでもさまざまな問題が起きているようだ。
乱獲による生態破壊
一大採集地であるマレーシア政府による手厚い保護のもと、採集には「許可証」が必要となっている。採集していいのは役目を終えた古い巣のみで、ツバメの繁殖に合わせて2・8・12月と年3回だ。ところが、それを潜り抜けて利益のために乱獲する業者が後を絶たない。まだヒナのいる巣を壊して採集する業者もいるようだ。
ツバメアパートと偽造
アナツバメが巣を作りやすいよう、人工的に作られた建造物で「ツバメアパート」を作って繁殖させる方法もある。これらのアパートは市街地に無作為に作られたので、大量の糞害で地元住民は困惑している。また、ツバメの巣そのものに味はないため、本物に似た素材で人造して天然と偽って高額販売したり、人工的に着色して値段を吊り上げる行為も横行している。人工飼育の法規定が追い付かず、法の整備が急務となっている。
結論
味が特にないため、甘く煮てデザートにしたり、薬用で食べられているツバメの巣。例え高級でも、ツバメの巣の需要は中華料理で欠かせない。ツバメの巣が出る宴席は「燕菜席」といい、かの有名な「満漢全席」に次ぐ格式があるためだ。健康効果や美容効果もうたわれているが、もしわたしたちが食べる機会があっても、それが本物のツバメの巣とは限らないのが現状である。