1. 米を浸水させるのはなぜ?

米を研いだ後に、しばらく浸水させて米に水を吸わせると良いと耳にしたことがある方もいることだろう。しかし、なぜ浸水させるのが良いのか理由についてはご存じだろうか?
浸水によってたっぷりと内部まで水分を吸った米は、炊飯器による加熱で徐々に膨張する。すると、米の表面が溶けだすことで糊のように粘りが出くる。この現象のことを糊化と呼ぶ。もっちりとした美味しいご飯はこの糊化によるものである。
また、糊化させることで米のでんぷんが分解されて、甘みの元となる糖が生まれる。旨みと口当たりの面から、米を浸水させることは大切なのだ。
浸水によってたっぷりと内部まで水分を吸った米は、炊飯器による加熱で徐々に膨張する。すると、米の表面が溶けだすことで糊のように粘りが出くる。この現象のことを糊化と呼ぶ。もっちりとした美味しいご飯はこの糊化によるものである。
また、糊化させることで米のでんぷんが分解されて、甘みの元となる糖が生まれる。旨みと口当たりの面から、米を浸水させることは大切なのだ。
2. 米の浸水時間と吸水率の関係

米の浸水時間と吸水率の関係や、浸水時間と米の炊き上がりの関係についてご紹介しよう。
・米の浸水時間と吸水率、水温はどう関係する?
米を炊くときには浸水時間が長ければ長いほど米の吸水率は高く、米を炊くのにも良いのだろうか?およそ5℃程度の水温に米を浸水させた場合、約120分の浸水時間で吸水率はほぼ最大となり、それ以降、吸水率は増えないとされる。
一方、水温が25℃程度の場合、米の吸水率は約60分程度でほぼ最大となり、その後吸水率は増えない。なお、どちらの水温であっても浸水後120分後の時点での吸水量はほぼ同じであった。以上のことから、米は浸水させる水温が高いほどすばやく吸水し、水温が低いほどゆっくり吸水するようである。
また、水温の高低にかかわらず、吸水量は120分後には一定になることから、長く浸水させればさせるほど良いというのも大きな間違いである。時期によっては水が傷み、雑菌の繁殖にも繋がりかねない浸水に必要な時間は、夏の時期で約1時間程度、冬の時期でも2時間程度とされる。
一方、水温が25℃程度の場合、米の吸水率は約60分程度でほぼ最大となり、その後吸水率は増えない。なお、どちらの水温であっても浸水後120分後の時点での吸水量はほぼ同じであった。以上のことから、米は浸水させる水温が高いほどすばやく吸水し、水温が低いほどゆっくり吸水するようである。
また、水温の高低にかかわらず、吸水量は120分後には一定になることから、長く浸水させればさせるほど良いというのも大きな間違いである。時期によっては水が傷み、雑菌の繁殖にも繋がりかねない浸水に必要な時間は、夏の時期で約1時間程度、冬の時期でも2時間程度とされる。
・浸水時間と米の炊き上がりの関係は?
浸水時間と吸水率との関係が分かったところで次に気になるのは、浸水時間と米の炊き上がりの関係だ。同じ水温で浸水時間を20分と60分に変えて炊き上げたところ、浸水時間が60分の米の方が米の中心までふっくらと柔らかいという研究報告がある。これは、米の内部にまで水が行きわたり、糊化がしっかり進むことで、ふっくらとしたご飯になると言われている。
このようにしっかり浸水させないまますぐに米を炊くと、米の内部まで水が行きわたらず熱が伝わりにくくなるため、芯のある美味しくないご飯になりやすい。
このようにしっかり浸水させないまますぐに米を炊くと、米の内部まで水が行きわたらず熱が伝わりにくくなるため、芯のある美味しくないご飯になりやすい。
3. 米の浸水前後に気を付けること

美味しいご飯を炊くために、米の浸水前後に気を付ける点を以下にまとめた。
・浸水させる時はお湯を使わない
冬などの寒い時期の水仕事は手がかじかむ。米を浸水させる時にもお湯を使いたくなるかもしれないが、お湯に浸水させると、米の甘みが溶けだしてしまう。美味しいご飯に炊き上げるためにも、お湯は使わず水に浸水させよう。
・浸水後はザルで水気を切らない
浸水後の米は少しの乾燥でも割れやすくなる。浸水後、水気を切るためにザル上げを行うと米が乾燥しやすく、米が割れると米の成分が流れ、炊き上がりがべったりとする原因になる。
なお、どうしても正確な水加減にしたいなどでザル上げを行いたい場合、濡れ布巾でザルを完全に覆うなど、米が乾燥しにくいように注意しよう。
なお、どうしても正確な水加減にしたいなどでザル上げを行いたい場合、濡れ布巾でザルを完全に覆うなど、米が乾燥しにくいように注意しよう。
・浸水後に水は足さない
米は浸水によって水を吸収する。そのため、吸水によって減った水分を再度調整する必要があるのではと考える方もいるかもしれない。
しかし、さらに水を足してしまうと、逆に水分が多すぎてべちゃべちゃとした炊き上がりになってしまう。浸水後には水は決して足さずに、浸水前の水加減で炊飯することが重要だ。
しかし、さらに水を足してしまうと、逆に水分が多すぎてべちゃべちゃとした炊き上がりになってしまう。浸水後には水は決して足さずに、浸水前の水加減で炊飯することが重要だ。
結論
今回は米を浸水する理由や、浸水時間と吸水率との関係などについて紹介した。難しいテクニックはなく、十分な浸水を行なうだけで米を美味しく炊き上げることができる。いつものご飯をもっと美味しく変身させたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがだろうか。