1. メバルの種類
メバルは「スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属」の白身魚。名前の通り目が大きく見張っているように見えるため、「メバル」と呼ばれるようになったという説がある。視力がよいのが特徴だ。かつては庶民の食卓によくあがる魚だったが、捕獲量が減少してからは高級魚となった。
・メバルの色によって呼び名が違う
以前はまとめてメバルと呼ばれていたが、2009年に発表された論文により、現在はアカメバル、クロメバル、シロメバルの3種類に分類されるようになった。色の傾向で分類するようだ。また、沿岸にいるアカメバルなどと区別するために、沖にいるウスメバルを沖メバルと呼ぶことが多い。東北でメバルと言えば、ウスメバルを指す傾向にあるようだ。
- アカメバル
名前の通り、赤みがかった個体をアカメバルと呼ぶ。小規模な群れを作って過ごすことも多い。沿岸域に生息し、海藻や岩礁の近くをホバリングしている。 - クロメバル
全体的に黒っぽい個体をクロメバルと呼ぶ。背側が緑がかっているのも特徴だ。アカメバルやシロメバルとは異なり、単独行動することが多い。沿岸部の岩礁帯に生息しているのは、アカメバルと共通する。 - シロメバル
全体的に白っぽい個体が多い。中には金色っぽい個体もいるが、シロメバルに含まれる。アカメバルやクロメバルとは異なり、内湾に多く生息するのが特徴だ。アカメバル同様、小規模な群れを作ることがある。
2. メバルと似ているカサゴとの見分け方とは
メバルとカサゴは種類によってはよく似ており、漁師や釣り人でも見分けが難しい場合がある。では、どうしたら見分けられるのか、方法をいくつかご紹介しよう。なお、ここで紹介する方法はあくまでも一例であって、すべての魚にあてはまるわけではないので、注意していただきたい。
・目の大きさを見比べてみる
一般的にカサゴよりメバルの方が目が大きいとされている。迷ったときは見比べてみてはいかがだろうか。
・全体的な形を見比べてみる
カサゴよりメバルの方が棘もあまりなく、スッキリしたフォルムのものが多い。メバルに比べ、カサゴは頭が大きいのも特徴だ。また、カサゴの名前の由来にも注目したい。出っ張っている棘が傘のようで、それをかぶっているように見えるから、笠子と呼ばれるようになったという説もある。それほどゴツゴツしたフォルムなのだ。
・色を比べてみる
カサゴの色は暗褐色や赤褐色のまだら模様のものが多い。メバルより色味がはっきりしているのも特徴だ。ただし、生息域によっては色が変わることがあるため、あくまでも参考程度に考えてもらいたい。
・見分けられなかった場合の対処法
メバルとカサゴはどちらも近い種類で、肉質や味に大きく差はない。そのため、煮物や焼き物など定番の調理法を用いれば問題はないだろう。ただし、カサゴの棘には毒性があるため、見分けられない場合は注意しながら棘を切り落としてしまおう。
3. メバルの美味しい調理法
新鮮なメバルを釣り上げたら、刺身でいただきたいと思うかもしれない。しかし、刺身だとやや淡泊な味わいで個性に欠ける。やはり、定番の焼き魚や煮魚、唐揚げにすると美味しくいただけるようだ。
- 焼き魚
メバルの美味しさがストレートに味わえる塩焼きか、ムニエルがおすすめだ。とくにメバルの仲間のハツメという魚は、皮下に旨味が詰まっているので塩焼きにすると美味である。そのほかのメバルも塩焼きにしても美味しいが、淡泊さを補えるムニエルにすることでより美味しくなるだろう。 - 煮魚
定番中の定番が煮魚だ。酒、醤油、みりん、砂糖で煮つけるのがおすすめである。弾力のある身と甘辛い煮汁の相性は最高だ。また、アクアパッツァでいただくのもよいだろう。本来アクアパッツァは白身魚で作るため、相性のよさは疑う余地がない。 - 唐揚げ
小さなメバルを釣り上げたときは、唐揚げにすると余すことなくいただける。棘の先をキッチンばさみなどで切り落としておくとよいだろう。
結論
メバルとカサゴはとても近い種類であるため、見分けがつきにくい場合がある。今回紹介した見分け方はあくまでも参考として捉えていただきたい。しかし、見分けがつかない場合でも、大きく問題があるわけではない。どちらも白身魚で味や調理法に大きな違いがないからだ。メバルとカサゴの見分け方に迷った場合は、定番の調理法を試してみてはいかがだろうか。