1. 昆布の保存方法

出汁のはなし
日本料理にとって、出汁は非常に重要である。料理の味付けはしょうゆや味噌だけでは決め手のない味となってしまう。出汁をとらなければ、味噌汁や煮物などは味気のない料理に仕上がってしまうのだ。昆布出汁にあご出汁、カツオ出汁など出汁にもいろいろな種類があり、地域性や家庭の好み、料理などによって使い分けられる。そんな数ある出汁の中で、家庭で特によく使われるものはカツオ節と昆布だ。ここでは、おでんや煮物などに不可欠な昆布の正しい保存方法を解説する。
昆布の賞味期限
昆布の賞味期限は長い。スーパーなどで販売されている一般的な昆布の賞味期限は1年ほどだ。しかし、昆布に適した環境で保存をすれば、より長期保存が可能である。1年以上寝かせた昆布を使って調理する料理人も多く、利尻昆布においては20年以上寝かせたものも存在するほどである。
昆布の保存方法
乾燥状態の昆布は、当然だが水に弱い。湿気を避けるため、ジッパー付きの保存袋などに入れてしっかりと空気を抜いてから密閉するか、プラスチック製の保存容器に入れる。冷蔵庫で保存する人も多いが、しっかりと密閉すれば戸棚などの冷暗所でも問題ない。むしろ、臭いがつきやすく、湿気が発生する冷蔵庫よりも戸棚の方が昆布の保存場所として適している。昆布は臭いがつきやすいので、容器や保存袋は無臭のものを選ぶこと。
2. 生昆布の保存方法

生昆布とは
"昆布"と聞いて思い浮かべるものは、乾燥した状態で袋に入れて売られているものだろう。一般的に昆布と言えば乾燥昆布を指すが、生昆布も存在する。生昆布とは、どのようなものだろう。夏に収穫され、乾燥して貯蔵されたものが一般的な昆布だ。これに対し、乾燥させていないものが生昆布だ。生昆布は湯通しして"刺身昆布"として食べられるほか、佃煮など乾燥昆布と同じような調理法で使うことができる。一般的に乾燥昆布よりも生昆布の方が風味はよく、栄養価も高い。
生昆布の保存方法
乾燥昆布は常温での長期保存が可能だったが、生昆布はそうはいかない。数日以内に食べられない場合は、冷凍保存が必須となる。昆布をしっかりと洗ってから水気を切り、食べやすいサイズに切ってからジッパー付きの保存袋かプラスチック製の保存容器に入れ、冷凍庫で保存する。保存可能期間は1ヶ月ほど。あまりに大量で1ヶ月では食べきれない場合、乾燥させて乾燥昆布として保存することもできる。
3. 上手な昆布出汁の取り方と再利用のアイディア

上手な出汁のとり方
① 昆布を必要な大きさに切る。目安は水500mlに対して昆布5gほど
② 乾燥昆布の表面を固く絞った布巾などで軽く拭く
③ 昆布に数カ所切れ込みを入れる
④ 鍋に水と昆布を入れて30分〜60分ほど浸し、中火にかける
⑤ 沸騰直前に昆布を取り出す
② 乾燥昆布の表面を固く絞った布巾などで軽く拭く
③ 昆布に数カ所切れ込みを入れる
④ 鍋に水と昆布を入れて30分〜60分ほど浸し、中火にかける
⑤ 沸騰直前に昆布を取り出す
佃煮だけじゃない!出汁をとった昆布の利用方法
出汁をとった後に残った昆布、このまま捨ててしまうのは勿体ないと思ったことはないだろうか?出汁をとった後の昆布にも、たくさんの栄養が含まれている。捨てずに活用しよう。すぐに使わない場合は、冷蔵保存(2日ほど)・冷凍保存(1ヶ月ほど)も可能だ。
- 2番出汁に合う料理
昆布は2回出汁を取ることができ、1回目が1番出汁、2回目が2番出汁と呼ばれる。2番出汁は、しょうゆや味噌などの濃いめの調味料で味付けをする料理に適している。一度出汁をとった昆布と水を鍋に入れ、じっくりと弱火にかける。 - 佃煮
昆布を適当な大きさにカットし、しょうゆ・みりん・出汁で煮込む。 - 味噌汁
昆布で出汁をとって味噌汁を作る際、鍋から取り出した昆布を小さくカットして味噌汁の具とする。 - 煮物
椎茸やこんにゃくなどと煮る。 - 塩昆布
出汁をとった後の昆布を千切りにして鍋に入れ、しょうゆ・みりん・酢・砂糖を加えて煮込む。1日天日干しにし、塩をまぶして完成。
結論
出汁が味の決め手となる日本食文化において、非常に重要な食材である"昆布"について解説した。男の料理はカレー・パスタ・揚げ物などガッツリ系のものが多く、出汁を使う料理をよく作る男性は珍しい。美味しい出汁をとれてこそ、真の料理上手。まずは昆布出汁のとり方をマスターし、和食の幅を広げよう!