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油のカロリーを比較!カロリーオフ方法や健康志向の人向きの油は?

油のカロリーを比較!カロリーオフ方法や健康志向の人向きの油は?

投稿者:ライター 諸田結(もろたゆい)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年8月27日

健康管理中はとくに避けたい油脂類だが、実際のカロリーはどのくらいあるのだろうか。じつは油脂類のカロリーは種類によって異なる。今回は植物油やそのほかの油脂類のカロリーとともに、油に含まれる身体によい栄養素を紹介したい。また、油ごとの特徴やツナ缶についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてほしい。

  

1. 植物油のカロリーはどのくらい?違いはあるの?

まずは油脂類の中から、サラダ油やキャノーラ油のような植物油のカロリーを見ていこう。大さじや小さじのカロリーもあわせて紹介するので、料理の際は参考にしてみてほしい。

植物油のカロリーは種類ごとに異なる

植物油といってもいろいろな種類があるが、じつはそれぞれカロリーが異なる。たとえば、代表的なサラダ油(調合油)やキャノーラ油(なたね油)などの100gあたりのカロリーは以下の通り。
サラダ油...886kcal
キャノーラ油...887kcal
ごま油...890kcal
コーン油...884kcal
オリーブオイル...894kcal
多少の違いはあるが、どれも高カロリーなのが分かるだろう。油を100g摂取することもないと思うが、これだけのカロリーを消費するためには、体重60kgの人ならジョギングを2時間程度する必要がある。消費するための運動量を見ても、植物油のカロリーが高いのがよく分かるだろう。

大さじ1あたりの油のカロリー

油は大さじ1杯で約12gのため、サラダ油の場合は大さじ1杯で106kcalである。種類によって多少の誤差はあるものの、植物油大さじ1杯のカロリーは100~110kcal程度とかなり高い。

小さじ1あたりの油のカロリー

油の小さじ1杯あたりの重さは約4gで、カロリーはサラダ油の場合で約35kcalだ。

1gあたりの油のカロリー

1gあたりのカロリーは、サラダ油の場合で約9kcalである。脂質は1gあたり9kcalのため、ほとんどの油が1gあたり約9kcalなのだ。

2. 油の種類で違う?カロリーを比較

サラダ油などの植物油のカロリーはどれもほとんど同じと紹介したが、動物性油脂やバターなどの固形物はどうだろうか。

背油など動物性油脂のカロリー

背油(ラード)や牛脂など、動物性油脂の100gあたりのカロリーをみてみよう。
背油...885kcal
牛脂...869kcal
どちらも植物性油とほとんど変わりなく、高カロリーであると分かる。

バターやマーガリンのカロリー

ではバターやマーガリン、ショートニングなどの固形油脂の100gあたりのカロリーはどうだろうか。
バター(有塩)...700kcal
マーガリン(有塩)...715kcal
ショートニング...889kcal
バターやマーガリンは植物油よりもカロリーが低く、ショートニングはほぼ同じ結果となった。バターやマーガリンには少量の水分が含まれているため、ややカロリーが低いのである。

3. 油をカロリーオフする方法はある?

油自体をカロリーオフすることはできないため、カロリーを抑えたいのであれば使用量を控えるのがおすすめだ。また、以下のポイントをチェックしながら使う油を選んでみてほしい。

揚げ物には油ぎれがよい油を使う

揚げ物など大量の油を使うときは、できるだけ油ぎれのよいものを使おう。食材からしっかり油がきれれば、その分カロリーが下がる。とくにおすすめなのはサラダ油やなたね油、揚げ物用に調合された油など。とくに油の吸収率を抑えた油は、揚げ物がしつこくなりにくくておすすめだ。

太りにくい油を使う

普段から料理に多く油を使うのであれば、太りにくい油を選んでみよう。油には脂肪酸と呼ばれる成分が含まれているが、中でもαーリノレン酸は代謝を活発にして脂肪燃焼を助ける働きがある。αーリノレン酸を多く含むのは、えごま油・しそ油・アマニ油など。やや高価な油が多いが、ぜひ普段の料理に取り入れてみよう。

食物繊維を同時に摂取する

食物繊維には余分な糖質や脂質の吸収を抑え、排出するのを助ける働きがある。また、噛みごたえのある食物繊維が豊富な食材を一緒に摂取すれば、揚げ物などの食べ過ぎを防げるだろう。食物繊維を多く含むのは豆類や野菜、海藻やきのこなどだ。

4. 油は高カロリーだが身体によい栄養も含まれる

実は油はカロリーが高いだけでなく、身体によい栄養素も含まれている。以下では、代表的な栄養素について詳しく紹介しよう。

注目は不飽和脂肪酸

油には不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸といった、脂肪酸が含まれている。脂肪酸がさまざまな成分と結びつき、できあがるのが脂肪なのだ。脂肪酸は脂質の主要成分としても知られ、実は人間が生きるうえで欠かせない栄養素なのだ。脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられ、不飽和脂肪酸はさらに「多価不飽和脂肪酸」と「一価不飽和脂肪酸」に分けられる。植物油の多くには不飽和脂肪酸が、動物性油脂には飽和脂肪酸が多く含まれるのが特徴だ。また、不飽和脂肪酸にはオメガ3(n-3)系脂肪酸・オメガ6(n-6)系脂肪酸・オメガ9(n-9)系脂肪酸などがある。

オメガ6系脂肪酸

植物脂の中でもコーン油は、リノール酸などのオメガ6(n-6)系脂肪酸を多く含む。リノール酸にはコレステロールを下げる働きがあるほか、血管を正常に保つ効果が期待できる。ただし、摂取しすぎると善玉コレステロールが減少したり、免疫力が低下したりすることもあるので注意が必要だ。また、酸化しやすいため、身体にとって悪影響となる過酸化脂質に変化する場合もある。(※1)植物油は菓子パンやスナック菓子などに多く含まれているため、料理の際に使う油だけでなく加工品の摂取量にも注意したい。

オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸には、EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)・αーリノレン酸などの種類がある。EPAやDHAは魚に多く含まれる脂肪酸で、αーリノレン酸はアマニ油などの植物油に多く含まれている。オメガ3系脂肪酸は身体の中で生成できない必須脂肪酸で、食品から摂取する必要があるのだ。また、血圧を正常に保つ働きや脳の機能を活発にする効果があると期待されている。(※2)

トランス脂肪酸の過剰摂取には注意

さらにトランス脂肪酸(※3)にも注意しよう。コーン油などのオメガ6系脂肪酸を個体に加工する過程で生まれるトランス脂肪酸は、摂り過ぎると生活習慣病発症の危険性が上がるといわれている。固体化されたコーン油はマーガリンやショートニング、食用精製加工油脂を使った製品に使われている。トランス脂肪酸の摂取量目安は1日の総エネルギー摂取量の1%以内なので覚えておこう。

5. カロリーはほとんど同じでも違いはある!さまざまな植物油の特徴

植物油のカロリーは種類によってカロリーが少し違うと紹介したが、ほぼ同じカロリーでも特徴には違いがある。

サラダ油の特徴

サラダ油は、なたね油・大豆油・コーン油・ひまわり油・米油などを組み合わせて作られた植物油の総称である。同じサラダ油でも、商品によって使われている油が異なるのが特徴だ。リノール酸やオレイン酸を多く含んでいるので少量であればカロリー制限中に摂取してもよいが、過剰摂取には注意したい。

キャノーラ油の特徴

キャノーラ油はなたね油のことで、サラダ油と同じくリノール酸やオレイン酸を多く含むのが特徴である。少量の摂取であればカロリー制限中でもよいが、酸化しやすいので扱いには注意したい。また、過剰摂取は善玉コレステロールを減らすなどの悪影響を及ぼすため、適量を守って摂取しよう。

亜麻仁油の特徴

亜麻仁油は必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸の含有量が多く、中でαーリノレン酸を豊富に含むのが特徴だ。ややクセのある風味がするが、味にはクセがないのでさまざまな料理に活用できる。また、ビタミンAやビタミンEが豊富で、皮膚などの粘膜の健康維持や老化を防ぐ働きがある。さらには水と乳化できる珍しい性質をもち、ケーキ作りなどに多く活用されているのだ。カロリーはサラダ油とほぼ変わらないが、ビタミンやαーリノレン酸が含まれているので比較的健康志向の人向きだろう。

ごま油の特徴

ごま油は中華料理などによく使われる油で、独特の香りや風味が特徴的だ。リノール酸やオレイン酸を多く含むだけでなく、ごまに含まれるセサミンも豊富である。また、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富に含まれている。サラダ油とカロリーはほとんど変わらず、含まれる脂肪酸も似ているので健康志向の人向きとはいえない。健康管理中に摂取するのであれば、少量に留めておこう。深く焙煎された色の濃いごま油は、少量でしっかり香りが付くのでおすすめだ。

コーン油の特徴

コーン油はトウモロコシからとれる油で、さまざまな用途に使われている。脂質以外の栄養素にはビタミンKやビタミンEなどが含まれており、糖質は含まれていない。サラダ油やキャノーラ油と同じようなカロリーかつ植物油なので、カロリー制限中にはあまり向かないだろう。

米油の特徴

揚げ物料理がカラッと揚がるため、天ぷらで味わうのにおすすめの米油。栄養成分は、ビタミンE・オレイン酸・リノール酸・トコトリエノール・ガンマオリザノールなどが含まれている。ビタミンEは強い抗酸化作用があり、生殖機能の維持などが期待できる。オレイン酸は便秘を解消し、血中コレステロール値を改善する。血栓を防いで心疾患のリスクを減らすなどの効果が期待できるのだ。リノール酸は血中コレステロールを下げるといわれており、身体に欠かせない脂肪酸である。ビタミンEのひとつであるトコトリエノールは、強力な抗酸化作用をもっているのが特徴だ。
また、血管を正常に保つ働きや、紫外線による皮膚の炎症を防ぐ効果などをもちあわせている。ポリフェノールの一種であるガンマオリザノールは、血行を促進しコレステロール値を低減させたり、紫外線の吸収を抑える効果や自律神経の働きをサポートしたりする働きがある。米油は揚げ物向きの油だが、健康管理中なら薄衣にしたり食材をあらかじめ加熱したりして脂の吸収を少なくする工夫をしよう。

6. ツナ缶は高カロリーでも油漬がおすすめ

水煮のツナ缶のカロリーは100gあたり70~96kcalなのに対し、油漬は265~279kcalとかなり高い。カロリーを気にしている場合は水煮を選びがちだが、実は油漬けにもさまざまなメリットがあるのだ。ツナ缶の油は植物油が使われていることが多く、植物油には食べ物から摂取する必要のある必須脂肪酸のリノール酸が含まれている。また、油にはツナの旨みがたっぷりとしみ込んでいる。料理の際に油ごと使用すれば、旨みやコクのある仕上がりになるだろう。

結論

今回は植物油を中心とした油脂類のカロリーや栄養などを紹介した。どの油脂類もカロリーが高く、カロリー制限中には避けてしまいがちだ。しかし、中には生きるのに必要な栄養素も含まれているので、適度に摂取しながら上手に付き合ってみてほしい。
(参考文献)
※1 厚生労働省「不飽和脂肪酸 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
※2 キューピー「「n-3系脂肪酸(オメガ3)」を含む食品について」
https://www.kewpie.com/education/information/oil/function/point01.html
※3 農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/
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  • 公開日:

    2019年3月10日

  • 更新日:

    2021年8月27日

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