1. ヒンカリとは?

ヒンカリ(Khinkali)とは、東ヨーロッパに位置するジョージア(グルシア)の郷土料理であり、小籠包(水餃子)のような見た目をしている料理である。しかし、そのサイズはこぶし大ほどもあり、かなりボリューム感のある一品となっている。また、水餃子のように茹でて仕上げるのだが、餡には牛肉や玉ネギなどのほかに、パセリ・コリアンダーなどの香味野菜を使っているのが特徴である。
ヒンカリの歴史とは?
ヒンカリは、もともとは「プシャヴィ地方などの山岳地帯で食べられていた」「モンゴル族がジョージアに伝えた」などといわれている。それから徐々に、ジョージア全土に広まっていったとされている。また、地域によって餡に違いが見られて、山岳地帯ではラム肉を使った素朴な味付けだが、ジョージア都市部では香味野菜などを使ってスパイシーな味付けにしていることが多い。
小籠包や水餃子との違い
ヒンカリは、中華料理の小籠包や水餃子と見た目は似ているが、餡や皮などは異なる。まず餡に関していうと、小籠包などにはひき肉・玉ねぎ・ショウガなどを使うが、ヒンカリにはパセリやパクチーなどの香味野菜も使うことが多い。また、皮についていうと、小籠包などは薄めでヒンカリは厚めになっている。このように見た目こそ似ているが、味や食感などは違っている。
2. ヒンカリの特徴や魅力を紹介!

ジョージアの国民食であるヒンカリには「大きくてボリューム感がある」「スパイスが効いていて美味しい」などさまざまな特徴や魅力がある。そんなヒンカリの特徴と魅力についても紹介しておこう。
その1.大きくて食べ応えがある
ヒンカリは小籠包や水餃子に比べると、サイズが大きいのが特徴である。ものにもよるがヒンカリの生地の直径は12~13cmであり、一般的な大判の餃子の皮が9~10cm程度なので一回り大きいことがわかる。そのため、食べ応えがあり一個一個の満足感が高い。また、皮も小籠包などよりも厚くて、モチモチとした食感が特徴となっている。
その2.スパイシーで美味しい
山岳地帯のヒンカリはシンプルな味付けだが、ジョージア都市部のヒンカリは香味野菜やスパイスが効いた味付けになっている。使うものはお店や家庭により異なるが、パクチー・パセリ・クミン・パプリカパウダー・チリパウダーなどを使うことが多いようだ。そのため、食べたときに香りと複雑な味わいを楽しむことができる。また、一口目のジュワッと染み出る肉汁もたまらなく美味しい。
その3.本場ではリーズナブル
ボリューム満点のヒンカリではあるが、実は現地では非常にリーズナブルに食べることができる。お店によって値段は異なるが、日本円にすると1個あたり30円前後で食べることが可能だ。もし東ヨーロッパのジョージアに行く機会があれば、ぜひ本場のヒンカリを試してみよう。
3. ヒンカリの基本的な作り方

日本ではまだまだジョージア料理を扱っているお店が少ないので、ヒンカリを食べたいなら自宅で作るのがおすすめだ。ここではヒンカリの作り方からヒンカリの茹で方までそれぞれの手順を紹介する。
【ヒンカリの生地の作り方】
- ボウルに強力粉・ぬるま湯・塩を入れる
- 生地が一つになるまで手でよくこねておく
- よくこねたらラップをして30分ほど寝かせる
- 寝かせた生地を複数個に等分しておく
【ヒンカリの餡の作り方】
- 玉ネギ・パクチー・パセリをみじん切りにしておく
- ボウルに挽き肉・塩・水・チリパウダーを入れてよく混ぜる
- ボウルに(1)の食材を食わせてさらによく混ぜておく
- ヒンカリの生地の枚数と同じになるよう餡を分けておく
【ヒンカリの作り方・茹で方】
- 生地を麺棒で直径13cm程度になるよう伸ばす
- ヒンカリの生地の上に餡を乗せる
- 指先で生地のひだを取りながら包む
- 最後まで包んだら先端を尖らせる
※ニンニクのような見た目になる - 鍋にお湯を沸かしておき10分程度茹でれば完成
4. ヒンカリの正しい食べ方とは?

ヒンカリの正しい食べ方は、ヒンカリの頭の部分を手で持って食べるというもの。また、最初は小籠包を食べるように小さくかじって肉汁を楽しんでから、その後に皮や餡を楽しむことになる。なお、手に持っていた先端部分は残すのがマナーとなっているようだ。自宅で食べるときは箸やフォークなどを使ってもいいが、現地では「マナー違反」「子どもっぽい」と思われてしまうので注意しよう。
結論
一口食べれば肉汁があふれ出すヒンカリは、小籠包のように美味しくて日本人好みの味わいである。また、香辛料や香味野菜を多く使うため、エスニック料理のような味わいも楽しむことができる。日本にはジョージア料理店が少ないため食べる機会があまりないが、家でも比較的簡単に作れるため興味があったら試してみるとよいだろう。
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