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安定感が持ち味の栗【国見】粒の大きさが魅力

安定感が持ち味の栗【国見】粒の大きさが魅力

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 平原あさみ(ひらはらあさみ)

鉛筆アイコン 2019年7月16日

早生栗のひとつとして、9月の上旬に登場する「国見」。30gにもなる大粒の国見は、味がが大味と評されることが多い。甘みや食感も、よくいって中庸と言われる国見はどんな特徴があるのだろうか。国見栗のメリットについても探ってみよう

  

1. 国見は可もなく不可もない栗?

日本の市場に出回る多くの栗と同様に、農林省の品種改良によって登場した国見。大粒であることや害虫に強いという特徴で知られている。味については抜きんでた評判というのはあまり聞かれないのだが、農林省が認めたのだからなんらかのメリットはあるはず!国見栗の特徴を探ってみよう。

早生代表「丹沢」と堅実な「石鎚」から生まれた国見

昭和58年に新品種として認められた国見は、丹沢と石鎚の交配によって完成した。栗の産地である、熊本県の国見岳にちなんだ命名である。
数ある栗の中でトップバッターとして8月には市場に登場する丹沢と、生産が安定している石鎚を親にしているのだから、国見もその遺伝でよくも悪くも突出したところがない。しかし、安定性が最大の強みとなっている。
控えめな甘さや香りは、濃厚な秋の味覚を味わいたい人には物足りないかもしれない。赤みが勝ったつややかな外観と一頭地を出た粒の大きさは、秋の豊かさを象徴するにふさわしい美しさを誇る。

抜きんでた耐虫性

可もなく不可もないイメージの国見の本領は、対害虫の無敵ぶりにある。栗の天敵クリタマバチや、甚大な被害をもたらすモモノゴマダラノメイガに対して最強の強さを誇るのである。農林省が開発したいくつかの栗の品種には、クリタマバチには耐えられても、モモノゴマダラノメイガに対しては万全とはいえないものも少なくなかった。
国見は、いずれの害虫にも強い。
味うんぬんとは別の意味で栗農家にとっては天恵であるこのメリットにより、栗きんとんで有名な岐阜県の中津川で国見が栽培されている理由ともなっている。

トンビがタカを生んだか?

国見の名がよく登場するのは、2007年に誕生した「ぽろたん」について語られるときである。丹沢と国見などの栗を交配して完成したぽろたんは、肉質、味、そしてなによりも渋皮のむきやすさにおいて近年の栗の世界では奇跡とも呼ばれている。国見のDNAは、優秀な新品種に連綿と伝えられているのである。

2. 国見栗の長所を探せ!旬と特徴は?

無難な栗と言われる国見であるが、実際はどうなのであろうか。その旬と味わいについて詳細を見て行こう。

早生栗としては最後に登場

国見は、早生栗の一種である。
早生栗の中では後半に登場するため、旬は9月の中旬とされている。実の大きさは30g 前後にもなる大粒で、外観は赤みがかった茶色でつやがある。円形に近い丸みを帯び、肉厚の形状である。左右が対象でない実もたまさかに見られるが、味覚に影響はない。味は、栗独特の粉感があり、甘みはほどほどといったところ。果実の部分は薄い黄色で、秋らしい色合いに欠ける。これが国見の不人気の理由ともなっている。

国見の選び方

国見は大粒の栗のため、実際に手に取ってその重みを確認して購入することが望ましい。また、丸みを帯びた外観に虫食いの穴などがないことも選択の条件である。もともとつやのある品種であるため、くすんだ色合いのものは避けたほうがよい。多少、形がいびつになることが多い国見であるが、肉厚であることが美味しさにおいては優先される条件である。味についてはともかく、外観に関しては美しいと評されることが多いのが国見なのである。

その安定感が持ち味

決して安価とはいえない栗。
秋の味覚の栗の増産のために、栽培において安定性バツグンの国見は大きな役割を担っている。甘みや風味がよくいってもまあまあ、などと辛らつな意見も多い国見ではあるが、安定性と粒の大きさは次代の栗の品種改良の一翼を担うことが期待されている。

3. 国見栗の美味しい食べ方

評価が高くない国見については、義憤を感じる栗ファンも多いらしい。
専門家によると、収穫して間もなくの国見は確かに味も風味もそっけないが、氷温熟成の追熟によって甘みがのるという。そのため、購入したあとは冷蔵庫で保管するのが望ましい。さらに、研究者も香りについては上等に属すると太鼓判を押している。
国見の味わい方で専門家も推奨しているのは、甘露煮である。甘露煮にすれば、国見の香りや甘みも十分味わうことができる。また、栗ごはんに入れても香りが引き立って美味である。品質が「中」とされているだけに、かえって惜しみなくさまざまなレシピに利用できるというメリットがある。

結論

大きな栗は大味だという人の念頭には、この国見があるのかもしれない。しかし、栽培が安易であることや美観がものをいい、9月初旬からはよく目にする栗である。また、次世代の栗の交配にも登場し、その存在感は決して小さくない。30gを超す大物の栗は、甘露煮にして目でも楽しみたいものである。
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  • 更新日:

    2019年7月16日

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