1. 李王の特徴と親の紹介

早春の頃に、梅や杏に次いで白い花をつけ、収穫期のはじまりは初夏に迎えるスモモ。
李王とは、日本スモモの一種であり大石中生(おおいしなかて)とソルダムから誕生した。
1990年に品種登録された比較的新しい品種である。まずは親品種を紹介したい。
李王とは、日本スモモの一種であり大石中生(おおいしなかて)とソルダムから誕生した。
1990年に品種登録された比較的新しい品種である。まずは親品種を紹介したい。
- 大石中生の特徴
果皮は薄い緑色でところどころ朱がさす。果皮は柔らかく口当たりがよい。味は酸味よりも甘味が強い。栽培が難しく希少価値が高く高級品種である。
- ソルダムの特徴
果皮が厚く歯ごたえがあり、果肉は濃い紅色である。味は甘みが強いがほどよい酸味も感じられる。果汁が多くジューシーである。
- 李王の特徴
果皮は赤紫色で、果肉が黄色の早生種である。果汁が多くジューシーで香りは高い。味は酸味が少なく甘みが強い特徴がある。大石中生とソルダムのよいところを受け継いでいる。収穫時期は7月がピークであり、期間が短く収穫できる数も少ない。その美味しさと、収穫数が少ないことから高級スモモとして知られている。
2. 李王に含まれる栄養素と効能

李王に多い栄養素は葉酸とカリウムである。
- 葉酸
葉酸はビタミンB12とともに新しい赤血球をつくり出すために必須であることから、「造血ビタミン」と呼ばれている。また、たんぱく質の合成や細胞増殖に必要なDNAを合成するために必要なビタミンB群の一種である。そのため、妊娠中の女性や成長期の子どものように細胞増殖が活発な時期にはとくに欠かせない栄養素である。葉酸はスモモのほか、緑黄色野菜に豊富に含まれている。ちなみにビタミンB12はレバーや肉類などの動物性食品に多く含まれている。また、葉酸は光や空気に弱いため切ったらすぐに食べることがおすすめだ。
- カリウム
主にカリウムは細胞内液に、ナトリウムは細胞外液に存在している。カリウムとナトリウムは互いに濃度を一定に保ち、バランスをとり合いながら細胞内外の浸透圧を維持している。カリウムは、腎臓でのナトリウムの再吸収を防ぎ、余分なナトリウムと水分を排出する働きがある。そのためむくみ解消に効果的といわれている。カリウムは水に溶けやすい性質があり、効率よく取り入れるためにはスモモは生食がおすすめだ。
3. 李王を長く味わうための保存法

李王は味のみでなく、香り高いことも特徴的である。その美味しさを長く味わうためにも保存がきく加工食品を作ることもおすすめだ。
- 李王シロップ
用意するものは李王、李王と同量の氷砂糖と酢、保存瓶のみである。まず、李王はきれいに洗い水分を拭き取っておく。次に竹串で数箇所刺しておく。消毒した容器にプラムと氷砂糖を交互に入れる。最後に酢を入れて、砂糖が溶けるように1日1回程度、瓶を上下に返しながら冷暗所に保存する。氷砂糖がすべて溶けたら完成。漬けた李王は取り出しておく。
冷水や炭酸水で割って飲むと美味しい。また、かき氷のシロップとしてもおすすめだ。
冷水や炭酸水で割って飲むと美味しい。また、かき氷のシロップとしてもおすすめだ。
- 李王酒
用意するものは、李王、李王の2倍のホワイトリカー、李王の半量の氷砂糖である。李王は水で洗い、キッチンペーパーなどで水分を拭き取り乾燥させておく。保存瓶に李王と氷砂糖を交互に入れ、最後にホワイトリカーを注ぎふたをして日光の当たらない涼しい場所に保存する。3ヶ月頃から飲めるが、半年以上置くと味がなじんで美味しい。李王は半年から1年後に取り出すとよい。
シロップも酒も李王のさわやかな酸味とほどよい甘みが感じられるのでおすすめだ。保存がきくので長い期間楽しめる。
シロップも酒も李王のさわやかな酸味とほどよい甘みが感じられるのでおすすめだ。保存がきくので長い期間楽しめる。
結論
李王は柔らかく傷がつきやすいことから、市場では出回りにくい品種である。また、希少価値が高く、人気もある品種であるため手に入れるには事前に農家での予約が必要だ。機会があったら最高級のスモモを味わってみてはいかがだろうか。
この記事もcheck!