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柑橘類とは?その特徴から品種まで詳しく解説!美味しい食べ方も!

柑橘類とは?その特徴から品種まで詳しく解説!美味しい食べ方も!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2020年10月28日

みかんやたちばなに代表される柑橘類。ほどよい甘味と爽やかな酸味が魅力的だが、その味や風味は品種によってそれぞれ異なる。また、みかんのよう食べて楽しむものもあれば、ゆずのように香りを楽しむものもある。今回はそんな柑橘類の種類や特徴について紹介する。

  

1. 柑橘類とは?

柑橘(かんきつ)とは「みかん(柑)」と「タチバナ(橘)」というミカン科の植物を表す言葉であり、柑橘類とはミカン属・キンカン属・カラタチ属に分類されている植物の総称を指す。スーパーや八百屋などで目にする柑橘類としては、温州みかん・オレンジ・グレープフルーツ・レモンなどが有名。これらからもわかるように、黄色(オレンジ色)の見た目と甘酸っぱい味が特徴である(※1)。

柑橘類の原種

柑橘類の原産地は東アジア・東南アジアなどに広く分布しているが、一般的には「2000~3000万年前のインド北東部(アッサム地方)で誕生した」と考えられている(※2)。また、日本には古くから観賞用として親しまれてきた「タチバナ」という柑橘類の植物があり、日本書紀や古事記などにもたびたび登場している。食用である「紀州みかん」が誕生したのは16世紀頃と比較的最近である。

柑橘類の特徴

柑橘類は品種によってそれぞれの特徴は異なるが、味・香り・色味・食感・構造など共通点も多い(※1、3)。
  • 味:甘味と酸味のバランス(糖酸比)がよい。冬の寒い時期には甘味が増す
  • 香り:芳香成分の「D-リモネン」が多く、爽やかなシトラスの香りがする
  • 色味:幼果期には葉緑素により緑色だが、収穫期には黄色や橙色に変化する
  • 食感:果肉は柔らかく、水分量も多いためジューシーな食感である
  • 構造:果肉が10個程度のじょうのう(白い袋)に包まれている

柑橘類の栄養

柑橘類の主な栄養素には「ビタミンC」や「ヘスペリジン(ビタミンP)」がある。ビタミンCはコラーゲンの生成を促す働きや、活性酸素を取り除く抗酸化作用などを持つ栄養素として有名。また、ポリフェノールの一種であるヘスペリジン(ビタミンP)にも抗酸化作用があるほか、ビタミンCの吸収を助けることで知られている(※4)。ヘスペリジンは特に外皮とじょうのうに多く含まれる。

2. ミカン科ミカン属の分類と主な品種

柑橘類はミカン属・キンカン属・カラタチ属で構成されるが、食用のほとんどが「ミカン属(カンキツ属)」に分類されている(※5)。ミカン属にもいくつかグループがあるので以下にまとめておく。
  • みかん類:温州みかん、紀州みかん、ポンカン、マンダリンオレンジなど
  • オレンジ類:バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジなど
  • タンゴール類:清見、不知火、せとか、タンカン、伊予柑など
  • タンジェロ類:セミノール、サマーフレッシュ、スウィーティーなど
  • ブンタン類:ブンタン(ザボン)、晩白柚、安政柑など
  • グレープフルーツ類:グレープフルーツ、オランジェロなど
  • 雑柑類:夏みかん、八朔、日向夏など
  • 香酸柑橘類:レモン、ライム、ゆず、すだち、カボス、シークヮーサーなど
なお、上記の品種はあくまで代表的なものであり、このほかにもミカン属の品種は数多くある。また、それぞれの品種に地域ごとのブランド品があり、例えば日本国内のみかんだけでも80種類近くあるようだ(※6)。品種やブランドにより、一つひとつ味や香りなどが異なることは覚えておこう。

最も生産量が多いのは温州みかん!

日本ではこのようにさまざまな種類の柑橘類が栽培されているが、特に多いのが「温州みかん」である。その2018年の収穫量は、農林水産省の「果樹生産出荷統計」によれば773,700トン(※7)。これは温州みかんを除く「その他柑橘類」の生産量である302,786トンの2倍以上となっている(※8)。

3. 代表的な5つの柑橘類の特徴を紹介!

柑橘類には本当に数多くの品種があるのだが、その中から特に多く作られている温州みかん・不知火・八朔・夏みかん・伊予柑の五つについて詳しく紹介しよう(※5、7、8)。

その1.温州みかん(うんしゅうみかん)

温州みかんは、日本で最も多く生産されている柑橘類である。その栽培品種は未登録も含めると100種類以上あり、代表的なものでいうと11~12月頃に出回る「宮川早生」や「興津早生」、12月頃から出回る「青島温州」などがある(※7)。外皮を剥けば簡単に食べることができ、爽やかな甘味と酸味が楽しめる。冬の定番果物として知られており、幅広い世代に愛されている。

その2.不知火(しらぬい)

デコポンに代表される不知火(しらぬい)は、「その他柑橘類」の中では一番多く収穫されている。その収穫量は約43,600トンであり、主な産地としては熊本県や愛媛県などが知られている。特に不知火として有名な「デコポン」は頭が膨らんでおり、その見た目が特徴的である。一見硬そうに見えるが比較的簡単に手で剥くことができ、その味は「酸味よりも甘味」が強くジューシーさがある。

その3.八朔(はっさく)

八朔(はっさく)は江戸時代末期に発見された柑橘類で、1925年頃から広島県を中心に栽培が始まった。2017年の収穫量は約33,700トンで、「その他柑橘類」の中では二位の収穫量となっている。一個あたりの重量が400g前後あり、柑橘類の中では比較的大きめな見た目をしている。また、硬めの皮は手で剥くことが難しく、中の果肉からは少しだけ苦味と酸味を感じる。

その4.夏みかん(なつみかん)

夏みかんは熊本県や鹿児島県などで作られている柑橘類で、主に2~6月頃に出回っている。2017年の収穫量は32,200トンとやや八朔より少なかったため、「その他柑橘類」では三位となっている。冬に多く出回る「温州みかん」と似た見た目をしているが、春から夏に収穫できるので「夏みかん」と呼ばれている。じょうのう(袋)がやや厚いため、甘い果肉部分だけを食べることが多い。

その5.伊予柑(いよかん)

伊予柑(いよかん)は、愛媛県の特産品としても知られている柑橘類である。主な収穫時期は1~3月頃で、2017年の収穫量は約30, 800トンとなっていた。250g程度と温州みかんよりはやや大きめで、球体の見た目が特徴。また、夏みかんよりも柔らかいともいわれている。甘味よりも酸味のほうが強く、爽やかでフルーティな味わいが特徴になっている。

4. 柑橘類は外皮まで美味しく食べよう

柑橘類は外皮を剥いて食べることが多い。しかし、柑橘類の栄養は外皮に多く含まれているため、本来なら外皮まで余すことなく食べるのがおすすめ。外皮を調理したいなら、例えば、甘く煮詰めてマーマレードにしたり、乾燥させてから砂糖漬けにしてオレンジピールにしたりするとよい。

結論

柑橘類には日本で最も多く食べられている温州みかんをはじめ、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、ゆずなど本当に数多くの種類がある。同じ柑橘類であるため味・香り・食感など似ているところも多いが、別の品種のため当然違っているところも少なくない。そのまま食べたいのか、料理に使いたいのかなど、用途・目的に合わせて柑橘類を使い分けるといいだろう。
【参考文献】
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  • 公開日:

    2019年8月 8日

  • 更新日:

    2020年10月28日

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