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【管理栄養士監修】みかんの栄養価と栄養素|栄養図鑑

【管理栄養士監修】みかんの栄養価と栄養素|栄養図鑑

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年4月28日

程よい甘みと爽やかな酸味が特徴の「みかん」。そんなみかんにはいくつか種類があるが、最も多く食べられているのは「温州みかん」である。今回は、文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」などを参考にしながら、そんな温州みかんの栄養価や栄養素について紹介する(※1)。

  

1. みかんの基本的な栄養価

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には「じょうのう(薄皮あり)」「さじょう(薄皮なし)」や、「早生(早い時期の収穫)」「普通(一般的な時期の収穫)」などいくつか温州みかんの栄養価が収録されている。ここでは基本となる「温州みかん(じょうのう/普通)」の100gあたりの栄養価を紹介する。

温州みかん(じょうのう/普通)100gあたりの栄養価

  • エネルギー:46kcal
  • たんぱく質:0.7g
  • 脂質:0.1g
  • 炭水化物:12.0g
  • 脂肪酸
     ・飽和脂肪酸:0.01g
     ・一価不飽和脂肪酸:0.02g
     ・多価不飽和脂肪酸:0.01g
  • ビタミン
     ・βカロテン:180μg
     ・ビタミンD:0μg
     ・ビタミンE:0.4mg
     ・ビタミンK:0μg
     ・ビタミンB1:0.1mg
     ・ビタミンB2:0.03mg
     ・ナイアシン:0.3mg
     ・ビタミンB6:0.06mg
     ・ビタミンB12:0μg
     ・葉酸:22μg
     ・パントテン酸:0.23mg
     ・ビオチン:0.5μg
     ・ビタミンC:32mg
  • ミネラル
     ・ナトリウム:1mg
     ・カリウム:150mg
     ・カルシウム:21mg
     ・マグネシウム:11mg
     ・リン:15mg
     ・鉄:0.2mg
     ・亜鉛:0.1mg
     ・銅:0.03mg
     ・マンガン:0.07mg
     ・ヨウ素:0μg
     ・セレン:0μg
     ・クロム:0μg
     ・モリブデン:0μg
  • 食物繊維:1.0g
     (・水溶性食物繊維:0.5g)
     (・不溶性食物繊維:0.5g)

2. みかんに含まれる主な栄養素と成分

温州みかんはビタミンCをはじめとするビタミン類、ミネラル類、食物繊維などの栄養素を含んでいる。ここではそんな温州みかんに多く含まれている栄養素について詳しく確認しておこう。

その1.ビタミンC

温州みかんは、100gあたりビタミンCを32mg含んでいる。ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンの合成をサポートする「水溶性ビタミン」の1種であり、体内の活性酸素を取り除く働きがある「抗酸化ビタミン」の1種でもある。成人男性(18~64歳)の1日あたりのビタミンC推奨量は100mgであるため、温州みかんを100g食べるだけで1日分の1/3程度を補うことが可能となっている(※2)。

その2.ミネラル類

温州みかんは少量ではあるが、カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛などのミネラル類も含んでいる。特にカリウムの含有量が多く、100gあたり150mgとなっている。カリウムにはナトリウムを排出する働きがあることから、塩分過多になりやすい日本人にとっては重要な栄養素として知られている(※3)。温州みかんではこのようなミネラル類も補うことが可能となっている。

その3.食物繊維

温州みかんは、100gあたり1.0gの食物繊維を含んでいる。特にみかんのじょうのう(薄皮)には、ペクチンという水溶性食物繊維が多く含まれている。一般的に水溶性食物繊維は胃腸内をゆっくりと移動するため満腹感が得られるほか、整腸作用などがあるとされている。このように食物繊維は消化・吸収はされないものの、健康作りには必要なので「第6の栄養素」として重視されている(※3)。

その4.ヘスペリジン

温州みかんは、ポリフェノールの一種である「ヘスペリジン」も多く含んでいるとされている。特に熟したオレンジ色のみかんより、未熟な緑色の「青みかん」に多く含まれているという。ヘスペリジンにはさまざまな働きが期待されており、例えば、抗酸化物質として体内の活性酸素を取り除く働きなどがあるとされている(※4)。温州みかんにはこのような機能性成分も含まれているという。

3. 温州みかんの種類別の栄養価

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には、「温州みかん(じょうのう/普通)」以外にもいくつか栄養価が収録されている。そこで温州みかんの時期・状態別の栄養価を以下にまとめておく。
  • じょうのう/普通:カロリー46kcal、たんぱく質0.7g、脂質0.1g、炭水化物12.0g、食物繊維1.0g
  • じょうのう/早生:カロリー45kcal、たんぱく質0.5g、脂質0.1g、炭水化物11.9g、食物繊維0.7g
  • さじょう/普通:カロリー45kcal、たんぱく質0.7g、脂質0.1g、炭水化物11.5g、食物繊維0.4g
  • さじょう/早生:カロリー43kcal、たんぱく質0.5g、脂質0.1g、炭水化物11.3g、食物繊維0.4g
このようにいずれの場合も、栄養価に大きな差は見られない。しかし、前述のとおり食物繊維はみかんの薄皮部分にたくさん含まれているため、「砂じょうだけのみかん」よりも「じょうのうを含むみかん」のほうが食物繊維の含有量は多くなっている。そのため、食物繊維をしっかり摂りたいなら、じょうのう(薄皮)も食べるほうがよい。

4. 温州みかんのジュースの栄養価

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には、温州みかんを使った果実飲料(ジュース)の栄養価もいくつか収録されている。以下にまとめたみかんジュースの栄養価についても確認しておこう。
  • ストレートジュース:カロリー41kcal、たんぱく質0.5g、脂質0.1g、炭水化物10.6g、食物繊維0g
  • 濃縮還元ジュース:カロリー38kcal、たんぱく質0.5g、脂質0.1g、炭水化物9.9g、食物繊維0g
  • 果粒入りジュース:カロリー47kcal、たんぱく質0.2g、脂質0g、炭水化物13.0g、食物繊維0g
  • 50%果汁入り飲料:カロリー60kcal、たんぱく質0.2g、脂質0g、炭水化物14.7g、食物繊維0.1g
  • 20%果汁入り飲料:カロリー50kcal、たんぱく質0.1g、脂質0g、炭水化物12.4g、食物繊維0g
このように同じ温州みかんジュースであっても、種類によって砂糖などの使用量が異なるためカロリーは大きく異なる。一般的に、みかん本来の味を楽しめるストレートジュースや濃縮還元ジュースのほうがカロリーは低い。カロリーが気になるなら、商品の種類にも気を付けるほうがいいだろう。

5. 温州みかんの缶詰の栄養価

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には、温州みかんを使った缶詰の栄養価も収録されている。果肉と液汁それぞれの栄養価が収録されているので、以下に主な栄養価をまとめておく。
  • 缶詰(果肉):カロリー64kcal、たんぱく質0.5g、脂質0.1g、炭水化物15.3g、食物繊維0.5g
  • 缶詰(液汁):カロリー63kcal、たんぱく質0.3g、脂質0.1g、炭水化物15.3g、食物繊維0g
このように缶詰には砂糖やシロップなどが使われているため、生の温州みかんに比べるとカロリーは高くなっている。カロリー制限や糖質制限などをしているなら、缶詰の温州みかんよりも生の温州みかんを食べるほうがよいだろう。

結論

みかんの中でも最も多く食べられている温州みかんは、ビタミンCなどのビタミン類、ミネラル類、食物繊維などをバランスよく含んでいる。また、ポリフェノールの一種である「ヘスペリジン」も含んでいるという。手軽に食べられて、カロリーもそこまで高くはないので、日々の栄養バランスを整えるために食べるようにしてみるのもよいだろう。
【参考文献】

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  • 公開日:

    2016年12月12日

  • 更新日:

    2021年4月28日

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