1. みかんの保存期間の目安
みかんは基本的に常温でも長持ちするが、うっかりカビが生えてしまったということになるのは避けたい。保存方法について詳しくは後述するとして、まずはみかんがどれくらい保存できるのか知っておこう。ただし時節や保存場所の環境などによって前後するので、あくまで目安として捉えていただき、できるだけ早く食べきってほしい。
常温保存は1〜2週間
常温保存する際は通気性の確保と温度管理がポイントになる。新鮮なもので、上手く保存できれば2週間ほどは食べられるだろう。
冷蔵保存は2〜3週間
冷蔵保存する際のポイントは「へた」を下に向けることだ。野菜室などで保存すれば3週間くらいは美味しくいただける。
冷凍保存は2〜4カ月
想定以上に大量に届いてしまい、とても食べ切れないという場合は冷凍保存がおすすめだ。状態にもよるが、2〜4カ月など長期間保存できる可能性がある。
2. みかんを常温保存する方法
みかんの常温保存に適しているのは気温の低い冬だ。あるいは箱ごと買った場合で、冷蔵庫や冷凍庫などへ入り切らないときも常温保存になるだろう。
保存に適した場所
通気性がよく、暖房がきいていない気温の低い場所が適している。たとえばベランダや廊下、玄関などがよいだろう。
保存方法
- メッシュ状のかごなどを用意し、底にペーパータオルを敷く
- みかんを「へた」を下にして1個ずつ並べていく
- 1段並べたらペーパータオルを敷き、その上にみかんを並べていく
かごがなければザルなどでもよい。とにかく通気性を確保することが大切だ。ただし3段も4段も重ねると潰れるなどして傷むおそれがあるので、2段くらいがよいだろう。
箱ごと常温保存する場合は?
いったんすべてのみかんを取り出し、段ボールを風に当てて乾燥させる。その際、傷んでいる個体がないかも確認しておくとよい。カビが生えていたり皮が柔らかかったりするものは取り除いておこう。段ボールが乾燥したら底に新聞紙を敷き詰め、みかんを「へた」が下になるように並べていく。あとは上述した方法と同じように1段並べるごとに新聞紙を敷き、その上にみかんを並べていこう。新聞紙がなければペーパータオルなどでもOKだ。
3. みかんを冷蔵保存する方法
冬以外、あるいは冬であっても保存に適した場所がないときなどは、冷蔵庫の野菜室で保存しよう。
保存方法
- みかんを1個ずつペーパータオルで包む
- ジッパー付きの冷蔵用保存袋などに、数個まとめて入れる
- 「へた」が下になるように、冷蔵庫の野菜室で保存する
冷蔵保存の際は乾燥に気をつけなければならない。面倒でも、1個ずつペーパータオルで包もう。そのあとは数個まとめて袋に入れるのだが、このとき「へた」の向きを揃えておくことも忘れないようにしよう。
4. みかんを冷凍保存する方法
続いては冷凍保存の方法をお伝えする。どうせ冷凍するなら、昔懐かしい「冷凍みかん」作りに挑戦してみるのはいかがだろう?行楽や旅、運動会などに持って行くのも楽しいだろう。ただしちょっとしたコツがあるので解説する。
保存のコツは「再凍結」
- まずは皮の表面をよく洗う
- 濡れたまま保存袋に入れ、冷凍庫へ
- 凍ったらいったん取り出す
- 冷水にくぐらせ、みかんの表面に氷の膜を作る
- 冷凍庫へ入れて保存する
このように、再凍結というステップを踏むことで乾燥防止になり、上等な冷凍みかんが完成する。取り出して徐々に解凍させればシャーベット状のこよなく美味な冷凍みかんをいただける。
5. みかんジャムにして保存するのもおすすめ
ジャムといえばマーマレードやイチゴが定番だが、みかんも美味しいジャムになる。身近すぎてあまり加工しない果物かもしれないが、ご家庭のキッチンで手軽にできるので子どもと挑戦してみるのもおすすめだ。
みかんジャムの作り方
- みかんの皮を剥き、筋を取ってざく切りにする
- みかんの重量の20%程度の砂糖をまぶしてなじませる
- みかんを中火にかけ、底から大きく混ぜながら煮ていく
- アクを取り除きながら10分ほど煮る
- レモン汁を加え、とろみがつくまで煮る
おおよそ、このような手順を踏めば意外と簡単にみかんジャムが作れる。煮ている間に保存瓶を煮沸しておき、自然乾燥させておくとよいだろう。完成したら熱々のうちに詰め蓋をして、少し内圧が上昇するのを待つ。その後、一瞬蓋をゆるめるとシュッと音がするので、再度しっかり締め直せばできあがりだ。
6. 陳皮を作ればみかんの皮も保存できる
乾燥させたみかんの皮は「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれ、昔から漢方薬や七味などに含まれる薬味として使われてきた。ぜひ皮も保存して、みかんを丸ごと有効活用してみてはいかがだろうか。
陳皮の作り方
- みかんの皮に付いている農薬やワックスをよく洗い落とす
- みかんの皮をザルに入れ、時折ひっくり返しながら2日ほど天日干しにする
干すことでビタミンDが増える。細かく砕いて生姜や蜂蜜を加えて飲んでもよいし、サラダやめん類などにかけて食してもよい。完全にパリパリになった皮は、お風呂に入れれば身体がほっこり暖まり、燻せば虫よけにもなるほか、靴箱やトイレの消臭剤としても使える。
結論
冬の風物詩であるみかんは、正しく保存すれば無駄なくよい状態のまま食べ切れる。もちろん、買ってすぐの美味しいうちにいただくのが理想だが、どうしても余ってしまうときは紹介した保存方法を参考にしてほしい。みかんの皮もいろいろと役に立つので、今年はぜひ陳皮作りにもチャレンジしてみよう。