1. シルバーベルの歴史

シルバーベルはどのようにして山形県で誕生したのだろうか。まずはシルバーベルの誕生について紹介しよう。
歴史
シルバーベルは山形県で誕生した西洋梨である。ラ・フランスの自然交雑実生を選抜し、山形県の園芸試験場で育成された。ちなみに、自然交雑実生とは、新しい品種の作られ方のひとつであり、自然に新しい品種が生まれたことをいう。ほかの新種の作られ方としては交雑育種法といった、人工的に2つの品種を交配して得られた種をまき、育てた樹の中からよいものを選抜するという方法がある。
自然交雑実生のよさは、もとの品種の食味を受け継いだまま、果実の色が変わったり、熟す時期が早くなるなどの部分的な変化が生じることが多い点。シルバーベルも親であるラ・フランスの特徴を受け継いでいる。ちなみに、名前の由来は育成者の鈴木寅雄氏の名前の「鈴」をとったことと、クリスマスベルの形に似ていることから「シルバーベル」と名付けられたとされている。
自然交雑実生のよさは、もとの品種の食味を受け継いだまま、果実の色が変わったり、熟す時期が早くなるなどの部分的な変化が生じることが多い点。シルバーベルも親であるラ・フランスの特徴を受け継いでいる。ちなみに、名前の由来は育成者の鈴木寅雄氏の名前の「鈴」をとったことと、クリスマスベルの形に似ていることから「シルバーベル」と名付けられたとされている。
2. ラ・フランスと比べたシルバーベルの特徴

シルバーベルは親にラ・フランスを持つことから、ラ・フランスと似ているところもあるが違うところもある。ラ・フランスと比較しながら、シルバーベルについて紹介したい。
大きさ
250g前後のラ・フランスと比べると、シルバーベルは400~500gになる。果実の重さで枝が折れないように、支柱で支えるなどの工夫が必要である。
味
味はラ・フランス独自の味を引き継ぎ、濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴である。シルバーベルのほうがラ・フランスにはない酸味がある。果汁は多くとろけるような舌ざわりである。
完熟の見分け方
ラ・フランスと比べるとシルバーベルの完熟具合は分かりやすい。果皮が黄緑から黄色へと変わり、甘い香りが強くなる。軸の周りをそっと押して柔らかさを感じたら完熟である。
収穫時期
ラ・フランスは10月中旬~下旬に収穫されるが、シルバーベルは11月中旬である。ラ・フランスと比べるとやや遅いのが特徴だ。
生産地
ラ・フランスもシルバーベルも山形県での生産量が一番多い。シルバーベルは全国生産量の6割以上を山形県が占める。次いで秋田県、岩手県となっている。
3. シルバーベルの保存方法と美味しい食べ方

シルバーベルの保存方法や、美味しい食べ方について紹介したい。
保存方法
完熟前のシルバーベルは新聞紙で包むか、ポリ袋に入れて直射日光を避け、室温で保存して追熟させる。理想の温度は12~17℃前後である。完熟したらすぐに食べきることがおすすめだ。
シルバーベルの美味しい食べ方
シルバーベルのそのままの美味しさを味わいたいのであれば、生で食べることがおすすめだ。食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やすとさらに美味しい。
シルバーベルのおすすめの切り方
1.皮付きのまま縦半分に切り、また縦に半分に切る。
2.真ん中の種の部分をクの字型に切り取る。
3.形にそって薄く皮をむく。
また、皮がついたまま半分に切り、スプーンでゼリーのようにすくって食べても美味しい。注意点としては、シルバーベルは果汁が多く柔らかいので、優しく扱うことが大切である。
2.真ん中の種の部分をクの字型に切り取る。
3.形にそって薄く皮をむく。
また、皮がついたまま半分に切り、スプーンでゼリーのようにすくって食べても美味しい。注意点としては、シルバーベルは果汁が多く柔らかいので、優しく扱うことが大切である。
シルバーベルのジャム
用意するものは、シルバーベルとシルバーベルの重さの50%の砂糖、レモン汁少々のみである。まず、シルバーベルの皮と芯を取り除き約1㎝のいちょう切りにする。鍋にすべての材料を入れてやさしく混ぜる。全体が馴染んだら中火で10分煮る。ふつふつしてきたら弱火でときどきかき混ぜながら煮る。煮汁が少なくなり、とろみがついたら煮沸消毒した瓶に保存する。正しい保存方法であれば、冷蔵庫で2週間ほどもつ。
白ワインとシルバーベルのサングリア
用意するものは白ワインと適量のシルバーベルのみである。洋梨は皮をむき、適当な大きさに切る。ふたつきのポットなどに洋梨、白ワインの順に入れる。冷蔵庫で1晩~2日漬けて完成。長く漬けると果物から水分が出てワインが薄まるため、洋梨は1日で取り出してもよい。冷蔵庫で保存し、3日以内に飲み切る。白ワインのすっきりした辛さとシルバーベルの甘みと香りの相性がよい。ほかの果物をブレンドしたり、ミントを入れても美味しい。
結論
シルバーベルは大玉であるが、味も香りも繊細でとても美味しい。12月に出回ることが多いので、クリスマスケーキの飾りつけや乾杯の酒としてサングリアを手作りしてみてもよいだろう。もし店で見かけたら、シルバーベルを購入してみてはいかがだろうか。
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