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さやえんどうのひとつ【スナップエンドウ】の名前の由来と特徴

さやえんどうのひとつ【スナップエンドウ】の名前の由来と特徴

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2020年2月14日

ふっくらとしたみずみずしいさやと中のグリーンピースをまるごと食べられるスナップエンドウ。さやえんどうの中でも食べごたえがあり、さまざまな料理にも使いやすく人気の野菜だ。今回はスナップエンドウのネーミングの由来や特徴について詳しく解説していく。

  

1. スナップエンドウの特徴と由来

えんどう豆自体の歴史は古く、ツタンカーメンの墓からも発見されたという話があるほどだ。十分に育ったえんどう豆のさやは硬いため、食べられるのは中に入っている豆だけだ。一方スナップエンドウは、えんどう豆をさやごと食べられるよう品種改良されて誕生したものだ。そのため絹さやのように若採りして食べるさやえんどうと違って、歴史が浅い。

■スナップの和訳は「パキンと折れる」

スナップエンドウは英語ではsnap beanと表記される。スナップとは、パキンと折れるという意味だ。スナップエンドウのさやは水分が豊富で、実際に手で半分に折るとパキンという感触がある。その特徴がそのまま名前の由来になっているのがおもしろい。

■アメリカで品種改良

アメリカで名付けられたことからもわかるように、スナップエンドウはアメリカ生まれのさやえんどうである。一般的なさやえんどうは中の豆が成長するとさやが硬くなるため、さやごと食べることはできなくなる。さやごと食べるには絹さやのように豆が小さいうちに若採りするしかなかった。品種改良されて生まれたスナップエンドウは、豆が大きくなってもさやが硬くならないため、豆もさやもふっくらとした状態で美味しくいただけるのが最大の魅力だ。

2. スナックエンドウとの違いは?

日本では、「スナックエンドウ」という名前で似たようなさやえんどうが販売されていることがある。スナップエンドウとスナックエンドウ、どちらが本当の名前なのか、それとも別のさやえんどうなのだろうか。

■スナックエンドウは日本でつけられた名前

スナックエンドウという名前は、日本の会社が名付けたスナップエンドウの商品名だ。スナップエンドウが日本に輸入されるようになった1970年代に、日本人が親しみやすい名前をと考案された。軽食という意味を持つスナックを名前に使ったのは、より親しみやすい言葉であることに加え、スナップエンドウがスナックのようにポリポリと食べやすい品種であることが由来とされている。

■違いは名前だけ

同じ種類をさす二つの名前が混在しているのが紛らわしいということで、1983年に農林水産省によりスナップエンドウに統一されることにはなった。それでも、いまもなお昔の名残でスナックエンドウという名前が使われている場面もある。いずれにしても、正式な名前はスナップエンドウだと覚えておくといいだろう。

3. スナップエンドウの旬と産地

スナップエンドウの旬は、3~6月にかけてピークを迎える。ハウス栽培も行われているため年間通して入手することはできるが、露地ものも充実して一番美味しいのはやはり旬の時期だ。

■主な産地は鹿児島県

スナップエンドウの原産地はアメリカだが、現在は日本でも広く栽培され国産のものが多く出回る。最も生産量が多いのは鹿児島県で、全国の6割以上を占める。熊本県・愛知県・長崎県などでも盛んに栽培されている。

■産地によって旬が変わる

トータルでは鹿児島県での栽培量が多いが、地域によって旬が違うため、時期によって出荷量の順位が変わる。最初に旬を迎えるのは鹿児島県をはじめとした温暖な九州の地域で、その後愛知県・福島県などに北上し、7月には北海道がトップとなる。このように産地が南から北へと移行しながら長い間収穫され続けるのだ。

結論

アメリカ生まれの新品種・スナップエンドウは、特徴がそのまま名前になったユニークな野菜だ。呼び方が違うだけでスナックエンドウとはまったく同じものをさしているという点もおもしろい。栄養もたっぷりで美味しい旬のスナップエンドウをぜひ食卓に取り入れよう。
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  • 公開日:

    2019年8月19日

  • 更新日:

    2020年2月14日

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