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ほうれん草はなぜ生食できない?生食できるサラダほうれん草とは?

ほうれん草はなぜ生食できない?生食できるサラダほうれん草とは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 岩切千晃(いわきりちあき)

鉛筆アイコン 2021年7月16日

一時期、生の野菜や果物を積極的に摂取することが流行したことがある。食材は生で食べるのが望ましいとする食事法である。ところが、ほうれん草はもともとえぐみが強く、生食は向かない野菜とされてきた。このえぐみは、シュウ酸という物質のなせるところであるが、近年のほうれん草はこのシュウ酸の量を減らすことに成功したのである。そのため、サラダとして生で食べることができるサラダほうれん草が登場することとなった。

  

1. ほうれん草の生食はNG!

ほうれん草を生で食べることは、健康を妨げる影響があるため避けたほうがよい。ここでは、その理由や下処理の方法を見ていこう。

アクは必ず取り除く

ほうれん草は生で食べると体内に「シュウ酸」を取り込んでしまい、健康を阻害する可能性があるのだ。調理の過程でシュウ酸は「アク」と呼ばれ、ほうれん草のアク抜きはシュウ酸を取り除くことを指す。シュウ酸は体内に入るとカルシウムと結合して「シュウ酸カルシウム」となるが、この物質は結石などの症状を引き起こす(※1)。このほかカルシウムの吸収を妨げてしまうため、アクは取り除くようにしよう。

炒める前にもアク抜きは必要?

一般的なほうれん草の場合は、炒める前にもアク抜きが必要だ。ただし、近年人気が高まっているアクが少なくて生食可能なほうれん草の場合は、下茹でせずに炒めるだけで食べることもできる。

アク抜きの方法

ほうれん草は茹でこぼしを行うと、アクが取り除ける。茹でこぼしとは、材料を茹で、茹で汁を捨てることだ。茹で汁にアクが流れ出るため、苦みやえぐみを取り除ける。茹でこぼしのポイントは次の3つだ。
  • ポイント1:たっぷりのお湯で茹でこぼす
ほうれん草を茹でるときには、たっぷりのお湯で茹でこぼしすることが大切だ。たっぷりの熱湯で茹でればお湯の温度が下がってしまう心配もなく、短時間で調理が終えられる。長い時間茹でることで起こる栄養の流出も防げるだろう。
  • ポイント2:軸から茹でる
ほうれん草はかたい軸の部分からお湯に入れることもポイントだ。軸から茹でることで仕上がりが均一になる。また、軸の部分は外側からはキレイに見えても土が残っている場合があるため、洗い方を注意してほしい。軸の中心に十字の切り込みを入れ、根元だけたっぷりの水に浸しながら上下させると土を落とせるだろう。
  • ポイント3:水に長時間さらさない
茹でたほうれん草を冷水につけると色があざやかになるが、長時間水にさらすと栄養分が流出するため注意が必要だ。茹で終えたほうれん草は、できるだけ手早く冷水からも引き上げ、水分を取り除いたほうがよいだろう。

2. ほうれん草は生のまま冷凍できる?

ほうれん草を冷凍する場合、茹でてから行うことが一般的だが、生のままで冷凍保存することも可能だ。ほうれん草の品種やどのように使いたいかで冷凍保存の方法を変えるとよいだろう。

アクが少ないほうれん草の場合

アクが少ないほうれん草の場合は、生のまま冷凍するのもおすすめだ。洗ったほうれん草の水気をしっかりと拭き取り、3~4cmの長さでざく切りにしたら冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫にしまおう。使うときには凍ったまま調理してもよいし、お湯や電子レンジで加熱してからでも使用できる。

ほうれん草の苦みを抑えたい場合

通常のほうれん草や特有の苦みを抑えたい場合は、茹でてから冷凍したほうがよい。固めに茹でたほうれん草を冷水につけて色止めしたら、水気をしっかりと切って3~4cmに切る。ラップで包んで小分けにしたら、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫にしまおう。生のまま冷凍したときと同じように凍ったままの調理も可能だが、冷蔵庫で3時間~半日ほど解凍すればそのまま和え物やおひたしにもできる。

3. 生食できる「サラダほうれん草」とは?

ほうれん草は品種によって生で食べられるものもある。ここからは、生食できるサラダほうれん草について見ていこう。

ほうれん草との違いは?

世界の50ヶ国以上で栽培される優良な野菜ほうれん草は、その種類がとても多いことでも有名である。とはいえ、えぐみの原因となるシュウ酸の量をコントロールすることが可能になったのは、それほど昔のことではない。生で食べてもクセがないサラダほうれん草は、葉の食味もとても柔らかい。光沢がある優しい緑、小ぶりの葉という姿も、従来のほうれん草よりも優しげでたおやかである。

サラダほうれん草とほうれん草の栄養の違い

サラダほうれん草とほうれん草の違いを見ていくと、栄養面での大きな差はほとんどないことが分かる。ただし、サラダほうれん草は生で食べられる分、加熱調理で失われがちなビタミンなどの栄養素を余すことなく摂取できる。

サラダほうれん草のメリットとは

サラダほうれん草のメリットは、調理の過程で栄養が失われないことだ。茹でたり炒めたりと火を通さずに生で食べられるため、熱によって栄養が流れ落ちない。ただし、通常のほうれん草のように調理でカサが減らないため、たくさんの量を一度に食べることは難しいだろう。

シュウ酸が含まれていないわけではない?

サラダほうれん草は品種改良されているため、通常のほうれん草よりもシュウ酸の含有量が少ないが、全く含まれていないというわけではない。そのため、過剰に摂取するのは避けたほうがよいだろう。

4. サラダほうれん草の選び方や保存方法

ここからは、生でも食べられるサラダほうれん草の選ぶときのポイントや保存方法について理解を深めていこう。

サラダほうれん草の栽培方法

生で食べるという性質上、農薬はあまり使わないことが望ましい。病気に弱いというほうれん草の性質と無農薬での栽培に適応したのが、サラダほうれん草の水耕栽培である。水耕栽培とは、文字通り土を使用しない栽培方法で、閉鎖的な環境で育てられるので農薬を用いない場合がほとんどだ。

サラダほうれん草の選び方

サラダほうれん草を選ぶ際には、葉がシャキッと立っていて茎もみずみずしさを感じるものが新鮮なものとされる。葉物の常で、保存はあまり効かない。2日程度で使いきるのがおすすめだ。通常のほうれん草の選び方と大きな違いはないが、品種によっては赤みが強いものほど甘みが強くなるため覚えておくとよいだろう。

サラダほうれん草の保存方法

サラダほうれん草の保存方法は通常のほうれん草を冷蔵するときと同じだ。ぬれた新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵保存すれば2日程度鮮度を保てる。冷凍保存の場合は、生のままでも茹でてからでも可能だ。

サラダほうれん草の旬

サラダほうれん草の旬はほかのほうれん草と同じ12〜3月の冬期である。冬霜にあたることで甘みが増し、栄養価もアップしやすい。旬の時期は通常のものと変わりないが、水耕栽培で育てられるサラダほうれん草は、通年通して手に入れられる。

サラダほうれん草の種類

サラダほうれん草は、通常のほうれん草ほど流通はしていない。それでも、いくつかの品種はスーパーなどで販売され、よく知られている。淡い緑色が美しい「ディンプル」、根元だけではなく茎全体が赤い「早生サラダあかり」「赤茎ミンスター」などがある。いずれも、苦味が少なく生食に向くとされているサラダほうれん草ではあるが、ほうれん草の品種の中ではやや寒さに弱い性質があるものもあるためハウス栽培も多い。

結論

ほうれん草の特徴であるえぐみを減らして、生食用に品種改良されたサラダほうれん草。より美味しく生のほうれん草が食べることができるのは、農業技術の進歩の証といえるだろう。ほうれん草料理の王道はやはり、お浸しや炒め物を挙げる人も多いであろうが、美しい緑色を愛でつつサラダであっさりと食べるのも悪くない。苦みもないサラダほうれん草ならば、子どもでも喜んで食べてくれるだろう。
(参考文献)
※1 公益財団法人日本医療機能評価機構
https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0003085
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  • 公開日:

    2019年8月24日

  • 更新日:

    2021年7月16日

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