1. 万木かぶの特徴

万木かぶは滋賀県の伝統野菜のひとつで、高島市万木地区で古くから栽培されている。赤色の皮と白色の実のコントラストが印象的で、人目を引く。
漬物としての需要が主で、業者との契約栽培などがされており、一般のスーパーなどではあまり見かけることはない。
漬物としての需要が主で、業者との契約栽培などがされており、一般のスーパーなどではあまり見かけることはない。
万木かぶの由来
万木かぶの由来は定かではないが、茎や葉脈のあたりまで赤い「蛭口(ひるぐち)かぶ」と、白かぶが自然交配したことで生まれたとされている。明治時代、地元農家がこの品種を選抜したことにより、現在の万木かぶが誕生した。当時は農家の名前から「藤助かぶ」と呼ばれていたが、徐々に地名である万木の名が浸透していった。
現在では、万木かぶに多い根こぶ病に耐性のある品種が開発され、「近江万木かぶ」という名で売られている。
現在では、万木かぶに多い根こぶ病に耐性のある品種が開発され、「近江万木かぶ」という名で売られている。
滋賀県のご当地かぶ
日本在来のかぶは、その由来から東日本(ヨーロッパ型)と西日本(アジア型)で区別されることもある。しかし、滋賀県は日本の中央に位置するため、万木かぶ以外にも、さまざまな品種のかぶが栽培されている。
「日野菜」
約500年前に発見されたという、滋賀県の伝統野菜。大根を極々細くしたような形で、根の上部や茎、葉脈は赤紫色、根の下部は白色である。日野菜の漬物は、淡いピンク色になることから「桜漬け」と呼ばれる。ほどよい辛みと苦みが特徴。
「北之庄菜」
江戸時代末期から栽培されているかぶ。日野菜と同じく根の上部や茎、葉脈は赤紫色、下部は白色を呈する。短い大根のような形で、お尻がぽってりとしているのが特徴。ほのかな甘みと苦みがある。
「赤丸かぶ」
表面は根全体、茎、葉脈とも鮮やかな赤色。中は赤色の斑点が広がり、花のような美しさがある。肉質は非常に固いが、果物のような甘みがあるため、薄切りにしてサラダにも用いられる。
2. 万木かぶの旬や選び方

万木かぶの収穫時期は11月ごろ。
万木かぶを並べて天日に干す「ハサ干し」は、地元では晩秋の風物詩となっている。
めったにお目にかかれない万木かぶだが、見つけた際には次の点に注意して選ぶとよい。
万木かぶを並べて天日に干す「ハサ干し」は、地元では晩秋の風物詩となっている。
めったにお目にかかれない万木かぶだが、見つけた際には次の点に注意して選ぶとよい。
葉や茎がピンとしていて、みずみずしいもの
葉がしおれていたり、黄色く変色しているものは鮮度が落ちているため注意する。茎が途中で折れてしまっているものは鮮度が落ち、弱っている可能性があるので避けよう。
表面が鮮やかな赤色で、ツヤがあるもの
皮がつややかでハリがあるものがよい。万木かぶは皮ごと使うことも多いので、傷がない綺麗なものを選ぼう。
持ったときに重みがあるもの
手に取ったときに、しっかりと重みがあるものの方がみずみずしい。
3. 万木かぶの食べ方

万木かぶの特徴は、なんといってもその色である。食べ方は、ほかのかぶと大きく変わらないが、鮮やかな色は食卓を彩ってくれるだろう。
ぬか漬けや甘酢漬けに
万木かぶは主にハサ干ししたあと、ぬか漬けや甘酢漬けなどの漬物に利用される。
ハサとは稲などを干すときに使うもののことで、ハサ干しをすると水分が抜け落ち、旨みと甘みが増す。古くから食べられているのはぬか漬けだが、甘酢漬けの方が食べやすく、若者にも受け入れられやすい。
ハサとは稲などを干すときに使うもののことで、ハサ干しをすると水分が抜け落ち、旨みと甘みが増す。古くから食べられているのはぬか漬けだが、甘酢漬けの方が食べやすく、若者にも受け入れられやすい。
すりおろしてみぞれ鍋に
かぶには、消化酵素であるアミラーゼが多く含まれており、主に炭水化物のひとつであるデンプンの消化を助ける作用があるといわれている。秋や冬の体調を崩しやすい時期には、よく温まり、胃にも優しいみぞれ鍋がおすすめだ。
結論
滋賀県の伝統野菜、万木かぶについて紹介した。店頭ではなかなか見ることのできないかぶだが、運よく漬物屋で見かけることがあるかもしれない。漬物はそのまま食べるだけでなく、チャーハンやポテトサラダの具材としても使うことができる。見かけた際には、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
この記事もCheck!