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いまは希少となったレンコンの品種【在来種群】の特徴を紹介

投稿者:ライター 田口忠臣(たぐちただおみ)

監修者:管理栄養士 市川咲(いちかわさき)

2019年9月 8日

お正月のおせち料理に欠かせないレンコンは、おせち料理以外にも、サラダや天ぷら、きんぴらなどいろいろな料理で美味しくいただける野菜である。そのレンコンには、古くから栽培されてきた在来種群と明治時代以降に伝わった中国種群とがある。スーパーなどの店頭で一般的に見かけるのは中国種群であり、在来種群は生産量が少なく希少な品種といわれている。今回はレンコンの在来種群について解説しよう。

1. レンコンのルーツと日本への伝来

レンコンはハス(蓮)の肥大した地下茎の部分で、原産地は中国やインド、エジプトと諸説ある。日本へは、かなり古くに伝えられたと考えられており、1951年には弥生時代後期の蓮の実が千葉県で発見され、翌年花を咲かせている。当初、蓮は観賞用であり、鎌倉時代に僧道元らによって中国から持ち込まれた品種が食用とされ、各地に広がり現在の在来種群となった。

現在、市場に流通しているレンコンのほとんどが、明治時代以降に中国から導入された中国種群である。中国種群は地下茎が地面の浅い場所にあることから収獲がしやすく、収量も多いため在来種群に代わり栽培されるようになった。在来種群は関東や東海地方など一部の地域で早採り用や観賞用として栽培されているが、その数はかなり少ない。

2. レンコン在来種群の特徴と美味しいレンコンの見分け方

レンコンには明治時代以降に導入された中国種群と、それ以前から栽培されていた在来種群とがある。2つには見た目や食感に違いがあるので説明しよう。

在来種群の特徴

レンコンの在来種群は、中国種群に比べると色が茶色く細いのが特徴だ。食べると食感は柔らかく、切ると糸を引くほど粘り気が強い。「昔のレンコンは、糸を引いて味が濃厚だった」といわれるのはこのためである。

地下10~20㎝と浅いところに地下茎がある中国種群とは違い、在来種群は地下60㎝もの深さに地下茎がある。そのため収穫に手間がかかるので、多くのレンコン農家は在来種群から中国種群の品種へと切り替えた。しかし、地下深くで育つ在来種群のレンコンは、その土の圧力により、繊維が細かく濃厚な味となり、一般的に流通している中国種群より美味しいという人も多い。

在来種群の品種としては「天王(てんのう)」や「上総(かずさ)」があるが、いずれも栽培や収獲に手間がかかるため、生産量はごくわずかで希少なものとなっている。

美味しいレンコンの見分け方

レンコンは、肉厚で丸みがあり、手に持ったときに重いものを選ぼう。また、表皮が淡い褐色をしていて、表皮や切り口がみずみずしいものが新鮮である。しかし、在来種群と中国種群では表皮の色や形に違いがあるので、見分ける時には在来種群か中国種群であるのかを確かめて判断しよう。在来種群は、普段見慣れている中国種群に比べてすらりと細く表皮が茶色っぽいのが特徴である。

穴の中が黒ずんでいるものは古くなったレンコンである。この変色はレンコンに含まれるタンニンが空気に触れることで起こる。そのため、レンコンを調理する際には、酢水につけると変色を防ぐことができる。

3. レンコンの栽培と収穫の時期

レンコンは、蓮田と呼ばれる泥沼の中で栽培される。3~4月頃に、3節ほどある種レンコンと呼ばれる根茎の一部を、蓮田の水の底の地面の中に植え付けると、種レンコンから芽が出て水上に顔を出す。暖かくなって8月頃から種レンコンの先が成長して節を作る。節からはまた茎が伸び、葉や花を付ける。これを繰り返し、種レンコンを植え付けてから収穫までは3年ほどかかる。

収穫は、9~10月の秋から始まり、お正月のおせち料理で需要が増える12月にピークを迎える。収穫の際、蓮田の水が深い場合には、腰の辺りまで水に浸かるため、ゴムの胴長靴を履いて作業する必要がある。

レンコンの収穫方法には2通りある。ひとつは「くわ掘り」で、蓮田の水を減らして茎を刈り取ってから、根を傷つけないように専用のくわを使って慎重に掘り起こす方法。もうひとつは「水掘り」でくわを使わずホースから勢いよく水を出して、レンコンの周囲の土を水圧で吹き飛ばす方法である。

結論

栽培や収穫に手間がかかることから、生産する農家が減りいまでは希少なレンコンとなった在来種群。しかし、在来種群は糸を引くほど強い粘りがあり、柔らかく味がよいとされる。レンコンの在来種群を見かけたら、ぜひ味わってみてほしい。
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