目次
1. ピザのルーツの時代から、アンチョビが使われていた

カタクチイワシは地中海でよく捕れる魚だ。したがって、沿岸の諸国で広く親しまれていたと考えられる。そのカタクチイワシの塩漬けであるアンチョビは、古くから保存食として重宝されていた。
アンチョビは、ピザの誕生以前から親しまれていた
アンチョビがピザに使われはじめたのはいつごろか、という疑問があるだろう。現在のような形のピザは、18世紀にイタリアのナポリで発祥したといわれる。ところが、それ以前にも移民がピザに似た料理を食べていた。16世紀初頭には、すでにその料理のトッピングとしてアンチョビが使われていたとの記録がある。したがって、アンチョビはピザのルーツの時代から、ピザに深く関わっているといえるだろう。やがて、同じくイタリアの定番の食材であるトマトなどとともに、ピザの伝統的なトッピングとして親しまれるようになったと考えられる。
2. 本場イタリアで親しまれている、アンチョビ入りピザの例

イタリアはピザの本場といえる国で、多種多様なピザが作られている。アンチョビは食材として広く普及しており、アンチョビが使われるピザも数多い。いくつか例を紹介する。
マリナーラ
トマトソースベースで、アンチョビのほかオレガノやガーリックオイルなども使われる。
アッチューガ(イタリア語でアンチョビ)
アンチョビが主役となるピザで、ほかにトマトやにんにく、オリーブなどがのる。
ロマーナ
トマトソースベースで、アンチョビのほかにモッツァレラチーズが使われる。比較的シンプルなピザ。
スフィンチョーネ
シチリア風のピザで、比較的厚い生地が特徴。トマトや玉ねぎなどが使われる。
ほかにも、アンチョビが使われるピザが多数存在する。創作ピザまで含めると、無数といってもよいだろう。
3. イタリア以外の国でも、ピザのトッピングとしてアンチョビが親しまれている!

ピザの本場はイタリアといえるが、ピザとアンチョビが伝統となっているのはイタリアだけではない。厳密にピザとはいえないものもあるが、アンチョビを活かした料理が確立されている。簡単に例を紹介していく。
コカ(スペイン)
チーズを使わずに焼きあげる、ピザに似た料理。トッピングはさまざまだが、アンチョビを使ったコカも親しまれている。
ピサラディエール(フランス)
とくにプロヴァンス地方で親しまれている料理。アンチョビを味のベースとして、玉ねぎやチーズ、オリーブなどをトッピングする。レシピによっては砂糖を加えることもある。
結論
地中海沿岸ではアンチョビが普及していたことから、地中海で生まれた料理であるピザにアンチョビが使われるようになったのも自然だ、といえる。塩気や魚の風味が生地やほかの具材とよく合い、人気を獲得していったと推測できる。アンチョビ入りのピザを食べる際、アンチョビとピザの歴史に思いを馳せてみるのもよいかもしれない。
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