1. ブルゴーニュの地と相思相愛のワイン「ピノ・ノワール」

カベルネ・ソーヴィニヨンは適応性が高く、世界各地で栽培されワインの原料となっている。
一方、ピノ・ノワールは非常に繊細な品種で栽培が難しく、ブルゴーニュ以外の地域ではそれをしのぐワインはなかなか生まれないといわれている。
一方、ピノ・ノワールは非常に繊細な品種で栽培が難しく、ブルゴーニュ以外の地域ではそれをしのぐワインはなかなか生まれないといわれている。
■厳格な修道会によって発展したブルゴーニュワイン
ブルゴーニュワインには、世界で最も高価といわれるロマネコンティや、ナポレオンが愛したというシャンベルタンなどの名門がそろっている。2世紀頃にはすでに栽培が行われていたといわれるブルゴーニュのぶどうは、厳格な規律で知られる修道会によって運営され、繁栄してきた歴史を持つ。
■「黄金の丘」で育つピノ・ノワール
シャルドネやガメ・ノワールの交配種であるピノ・ノワールは、比較的冷涼で乾いた空気の地を好み、成熟が早い。この性質がブルゴーニュのような内陸の大陸性気候とマッチするといわれている。ブルゴーニュ地方でもとくに評価の高い「黄金の丘」と呼ばれる丘陵地帯は、ピノ・ノワールで埋められている。
偉大なワインを生み出すことから、世界各地でもブルゴーニュに倣えとばかりに栽培されている。しかし、土壌や気候によって個性が大きく変化するデリケートな品種であるため、同様の味を出すことは不可能のようだ。
偉大なワインを生み出すことから、世界各地でもブルゴーニュに倣えとばかりに栽培されている。しかし、土壌や気候によって個性が大きく変化するデリケートな品種であるため、同様の味を出すことは不可能のようだ。
2. ピノ・ノワール種の特徴、そこから生まれるワイン

世界に誇るワインを生み出すピノ・ノワール。
ブルゴーニュ以外の土地から生まれるピノ・ノワールは、どのようなものであろうか。形状や特徴などを探ってみよう。
ブルゴーニュ以外の土地から生まれるピノ・ノワールは、どのようなものであろうか。形状や特徴などを探ってみよう。
■カベルネ・ソーヴィニヨンとの唯一の共通性、小さめの果実!
あらゆる点で対照的といわれるカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワール。唯一の共通点は房や粒のサイズ感である。ピノ・ノワールは、房の長さが12~15cmと小ぶりで、果実も楕円の小粒である。果粒がギュッと凝縮して詰まった房を構成する特徴がある。果皮の色は青黒く、皮は非常に薄い。カベルネ・ソーヴィニヨンとは異なり、ピノ・ノワールは単一で醸造されることが多い。
■女性的な優しい香りが特徴
ピノ・ノワールの繊細さは、ワインとなってのちに香りにも表れる。繊細で華麗と評され、イチゴやラズベリーをはじめとするレッドフルーツやバラ、スミレを思わせる優美な気品が感じられる。タンニンもまろやかで、シルキーな舌触りが優しい。
■フランス以外で栽培されるピノ・ノワール
幻のワインであるロマネコンティに続けと、フランス以外のヨーロッパ諸国やニュージーランド、アメリカでも、ピノ・ノワールの栽培は行われている。そのため、「ピノ・ネーロ」や「クレヴナー」といった別名もある。ピノ・ノワールは前述したとおり非常に繊細な品種であるため、産地が変われば全く異なる味となることが多い。しかし、各地の醸造家の絶え間ない努力によって、評価の高いピノ・ノワールのワインも登場しつつある。
3. 繊細なピノ・ノワール、相性がよい料理は?

ワインのシロウトには敷居が高いブルゴーニュのピノ・ノワールは、世界中のワインオークションで最高落札額を更新する常連でもある。まろやかなタンニンと優しい香りは、ワイン初心者にもなじみやすい風味である。「赤ワインといえば肉に合う」というのが通説であるが、繊細なピノ・ノワールはトリュフやバルサミコ酢をベースにしたソースとも相性がよい。ヨーロッパでは、インドカレーや中華料理店の餃子と安価なピノ・ノワールを楽しむ人も多い。日本産、ドイツ産、イタリア産のピノ・ノワールは、2000円台で購入可能だ。
結論
ブルゴーニュ以外の土地では栽培が難しいとされてきたピノ・ノワール。ブルゴーニュのピノ・ノワールは、一般人には手の届かない価格がつくことが多い希少品となっている。土壌や気候の影響をもろに受けるピノ・ノワールは、世界各地で異なる味わいのワインを生み出している。ブルゴーニュ産には手が出なくても、ほどよい価格のピノ・ノワールでその可憐で優美な香りを楽しんでほしい。
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