1. ケソ・マホレロとは

ケソとはスペイン語でチーズを、マホレロとはマホレラという種類の山羊を指し、ケソ・マホレロは「マホレラ種の山羊ミルクで作られたチーズ」という意味を持つ。その名の通りの山羊ミルクから作られたチーズであり、スペインチーズの最高峰の一つである。
・カナリア諸島とは
アフリカ大陸の西に浮かぶ、カナリア諸島。位置的にはアフリカ圏であるが、西ヨーロッパの覇権争いの末、18世紀末にスペインが領有することになった。そのため、ヨーロッパからは遠く離れているが、随所にヨーロッパ風の雰囲気がある。カナリア諸島の一番大陸寄りの島がケソ・マホレロの産地、フェルトベントゥーラ島である。
フェルトベントゥーラ島の特徴は、火山帯でありながら山が低い。標高がさほど高くなく、風で運ばれた有機質の砂でできた砂丘が島を覆っている。年間の平均気温はおよそ18℃くらいと非常に穏やかな気候であることが挙げられる。
フェルトベントゥーラ島の特徴は、火山帯でありながら山が低い。標高がさほど高くなく、風で運ばれた有機質の砂でできた砂丘が島を覆っている。年間の平均気温はおよそ18℃くらいと非常に穏やかな気候であることが挙げられる。
・島に住む山羊、マホレラ種
カナリア諸島では、フェルトベントゥーラ島以外の島でも独自にチーズをつくっているが、フェルトベントゥーラ島のケソ・マホレロがとくに有名である。ケソ・マホレロは、この島でのみ生産されるチーズである。それはこの島に住むマホレラ種という山羊のミルクを使って作られているから。マホレラは乾燥注地帯に適応した種の山羊で、さまざまな柄をもつものがいることが特徴だ。白や黒、ドッドや茶色など、一見して同じ種類に見えないほどである。
このマホレラ種の山羊のミルクは脂肪分が高くタンパク質も豊富なため、山羊のミルクで作られたチーズの中では群を抜いて濃厚な味わいをもつ。
このマホレラ種の山羊のミルクは脂肪分が高くタンパク質も豊富なため、山羊のミルクで作られたチーズの中では群を抜いて濃厚な味わいをもつ。
・保護原産地呼称(DOP :Denominación de Origen Protegida)
ケソ・マホレロは、スペインのDOPに指定されており、スペインの山羊チーズの中では、一番にDOPを取得したチーズである。
DOPとはヨーロッパの品質保証制度の一つである。品質保証制度はチーズやワインなど、主に畜農産物に与えられる。
ヨーロッパでは、各国に品質保証・原産地保証の制度があり、伝統的な手法や産地、品質を守ってきた。しかし自国の品質保証マークは理解できても、ほかの国のマークがわからなければ、本物か偽物か区別できない。そこで、EU内で統一しようということになり、DOP(フランスではAOC)ができた。DOPの認定には品質管理と産品・産地保護のための厳しい条件があり、それをクリアしなければならない。
ケソ・マホレロもこのマークを確認することによって、フェルトベントゥーラ島以外で作られた偽物との区別ができる。
DOPとはヨーロッパの品質保証制度の一つである。品質保証制度はチーズやワインなど、主に畜農産物に与えられる。
ヨーロッパでは、各国に品質保証・原産地保証の制度があり、伝統的な手法や産地、品質を守ってきた。しかし自国の品質保証マークは理解できても、ほかの国のマークがわからなければ、本物か偽物か区別できない。そこで、EU内で統一しようということになり、DOP(フランスではAOC)ができた。DOPの認定には品質管理と産品・産地保護のための厳しい条件があり、それをクリアしなければならない。
ケソ・マホレロもこのマークを確認することによって、フェルトベントゥーラ島以外で作られた偽物との区別ができる。
2. ケソ・マホレロの特徴

ケソ・マホレロの形状は円盤形、上下の面は平である。刻む模様も決まっており、その模様のついた型に入れて成型される。成熟期間によって、味も呼び名も変わってくる。
・フレスコ
8~20日ほど熟成させたもの。ヨーグルトのようなさわやかな酸味がある。甘みもあり、若いほど白く、食べやすい。弾力があり山羊チーズ特有のクセも少なく、山羊チーズが苦手でも食べられるほどだ。
・セミクラード
20∼60日熟成させたもので、これが最も人気がある状態のもの。少しずつ熟成が進むが、まだまだ山羊チーズ特有のクセは弱く優しい味わいだ。ナッツ類のような香りがあり、舌触りも少しずつもったりとしてくるが、水分が少なくなった分、コクがでてくる。
・クラード
2ヶ月熟成。熟成が進めば進むほど、黄色みを帯び、ピリッとした刺激が出てくる。山羊チーズ好きにはたまらない味わいになるのがこのころだ。
古くは表面にオリーブオイルを塗って保存していたが、昨今は真空包装などの保存技術の開発により、遠くまで流通するようになった。しかし日本に輸入されるだけでも時間を要するので、あっさりと食べたい人は手に入れたら早めに食べることをおすすめしたい。ちなみに現地では、パプリカの粉末やトウモロコシの粉を表面に施したものも人気である。
古くは表面にオリーブオイルを塗って保存していたが、昨今は真空包装などの保存技術の開発により、遠くまで流通するようになった。しかし日本に輸入されるだけでも時間を要するので、あっさりと食べたい人は手に入れたら早めに食べることをおすすめしたい。ちなみに現地では、パプリカの粉末やトウモロコシの粉を表面に施したものも人気である。
3. ケソ・マホレロ、酒とのマリアージュ

チーズといえばワインを思い浮かべる人が多いだろう。山羊ミルクからつくられるチーズには酸味とさっぱりとした味わいがあるので、同じく酸味のある白ワインとの相性がよいといわれている。もちろん山羊ミルクのチーズであるケソ・マホレロも、白ワインと相性がいい。
しかし、ケソ・マホレロはほかの山羊ミルクチーズと比べて、脂肪分が高くコクがありリッチで上品な味わいである。ほかの酒にも負けない力強さがあるので、好みの酒と合わせてみるのも面白い。じつは、ケソ・マホレロは日本酒とも相性がいい。日本酒は甘くさわやかな酸味があるものも多いので合わせやすいのだ。
そのまま食べてもよし、クラッカーなどにのせて塩や醤油を少々たらしてもよし。ほかにも少し熟成が進んでくると香ってくるナッツのような香りは、ジャムやはちみつなどとも相性がいい。いろいろ試して、好みの食べ方をみつけよう。
しかし、ケソ・マホレロはほかの山羊ミルクチーズと比べて、脂肪分が高くコクがありリッチで上品な味わいである。ほかの酒にも負けない力強さがあるので、好みの酒と合わせてみるのも面白い。じつは、ケソ・マホレロは日本酒とも相性がいい。日本酒は甘くさわやかな酸味があるものも多いので合わせやすいのだ。
そのまま食べてもよし、クラッカーなどにのせて塩や醤油を少々たらしてもよし。ほかにも少し熟成が進んでくると香ってくるナッツのような香りは、ジャムやはちみつなどとも相性がいい。いろいろ試して、好みの食べ方をみつけよう。
結論
産地であるカナリア諸島は一年中気候が安定していて、スペインから国内線で行ける気軽な観光地として人気だが、日本での知名度は高くない。しかし各島で、それぞれ特徴的なチーズをつくっており、それぞれが非常に興味深い。スペイン土産にも最適である。機会があったらぜひいろいろと試してもらいたい。
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