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台湾茶の一つ【梨山茶】とは?味わいや美味しい飲み方を解説

台湾茶の一つ【梨山茶】とは?味わいや美味しい飲み方を解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年10月23日

台湾は世界でも有数のお茶文化を持つ国であり、台湾の気候や風土に合わせた茶葉を栽培していると世界からも注目されている。なかでも台湾のブランド茶として人気を誇っているのが梨山茶(りさんちゃ)だ。日本ではまだ馴染みのないお茶だが、ほかのお茶とは異なる風味は一度飲んだら忘れられないだろう。ここでは梨山茶の栽培地や特徴について紹介する。

  

1. 【梨山茶】は高山茶の一種

台湾には、標高1,000m以上の場所で作られる高山茶というものがある。標高の高い山が多い台湾では高山茶は台湾茶の代名詞といっても過言ではなく、なかには独自にブランド化しているものもある。梨山茶もその1つだ。梨山茶が栽培されているのは台中県に位置する梨山だ。多くの山が連なる台湾のなかでも梨山は海抜2,000mを超す大きな山だ。梨山という名からも分かる通りもともとは梨を栽培していた地域だが、最近では梨山茶の茶葉栽培が主流となっている。

梨山茶の味わい

梨山茶は烏龍茶と同じ青茶に分類される。台湾茶を含め中国茶はお茶の色と加工方法で6つのグループに分けることができる。青茶はその中の1つで半発酵茶という特徴をもつ。お茶の発酵とは酸化させることを示すのだが、酸化させるか否かで見た目や風味は大きく異なる。たとえば緑茶は無発酵茶であるため淡い緑色でさっぱりとした風味を持つのに対し、完全発酵させた紅茶は香り豊かで華やかな味わいであることが多い。青茶は半発酵茶であるため緑茶と紅茶の中間という位置づけになる。しかし梨山茶は標高の高い気温差の激しい地域で栽培されたことで果実のような甘い香りと甘みを持つのだ。この味わいは梨山茶でしか堪能できないことから人気の要因となっている。

2. 梨山茶の製造方法と保存方法

厳しい環境のもと無事に収穫を迎えた梨山茶の茶葉を美味しく飲めるようにするためには、最初に茶葉を萎れさせることからはじまる。この作業のことを萎凋(いちょう)という。風通しの良いところに茶葉を置き萎れさせることで、茶葉が微発酵を起こし、香りを生み出すのだ。

次に行われるのが做青(さくせい)・揺青(ようせい)という作業だ。これは青茶に分類される茶葉でしか行わない作業で、湿らした茶葉を乾燥させながら揺らしかき混ぜることによって酸化発酵を調整する。茶葉によって美味しさを引き出せる発酵度が異なるため発酵度の見極めは非常に重要となってくる。理想の発酵度に達したら、それ以上の酸化発酵を抑制するために茶葉を加熱する。この熱を加える作業を殺青(さっせい)という。その後、揉捻(じゅうねん)という茶葉をもみ込む作業が行われ、最後に茶葉を完全に乾燥させれば梨山茶の完成だ。

梨山茶を大事に保管したいとき

購入した梨山茶を開封してそのまま放置しておくと、当然ながら風味は落ちてしまう。できれば飲みきってしまうのがよいが、なかなかそうもいかないだろう。茶葉の大敵とされているのが湿気とにおいだ。そのため開封後は密封容器に入れるなどの工夫が必要となる。また密封したら、できるだけ日の当たらない涼しい場所で常温保管しよう。温度を維持できるという点から冷蔵庫に保管する人もいるが、開け閉めが多い家庭用の冷蔵庫だと温度変化が多くなり結露が発生する恐れがあるため、注意が必要だ。

3. 梨山茶の美味しい飲み方

梨山茶を手軽に楽しみたいならば蓋碗(がいわん)がおすすめだ。蓋碗はふたのついた湯呑みで中国や台湾ではメジャーで、急須のように使うこともできれば、そのまま湯呑みとして使うこともできる便利な茶器だ。しかし本格的に梨山茶を楽しみたいなら茶壺(ちゃふう)を使った淹れ方に挑戦してみてほしい。茶壺とは中国茶用の急須で、茶壺以外にも茶海(ちゃかい)という茶壺で抽出したお茶を移す容器や聞香杯(もんこうはい)という香りを楽しむための湯呑み、茶杯というお茶を飲むための湯呑みなど、いろいろ必要となってくる。しかし梨山茶の特徴的な香りを十分に堪能するのにもっとも適した茶器である。

茶壺の使い方

まず茶壺を温めるためにお湯を入れる。十分に温まったらお湯を捨て、茶葉をセットする。そこに抽出用のお湯を茶壺からあふれそうになるぐらいたっぷり入れる。お湯を入れたらふたを閉め、保温性を高めるために茶壺にお湯をかける。そのまま1分ほど待ち、しっかりお茶を抽出する。抽出させすぎると雑味が出てしまうため時間は正確に計るようにしよう。抽出が終わったら茶海にすべて注ぎ移す。そのまま飲む場合は茶杯に注げばよいのだが、梨山茶の香りを堪能したいなら先に聞香杯に注ごう。聞香杯に注いだお茶は飲まずに茶杯に移す。聞香杯でお茶の残り香を楽しみ、茶杯で味を楽しめば梨山茶のすべてを堪能したといえるだろう。

結論

梨山茶はもともと梨が栽培されていた地域で栽培が始まった珍しいお茶だ。標高2,000m以上という茶葉栽培には厳しい環境だが、激しい気温差にさらされることでほかのお茶にはない果実のような風味を楽しむことができる。香りも十分に楽しんでほしいため、茶壺を使った飲み方にぜひ挑戦してみてほしい。
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  • 公開日:

    2019年10月 2日

  • 更新日:

    2019年10月23日

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