1. 【シャロレチーズ】とは?

日本で作られるチーズのほとんどは牛の乳を原材料としているが、チーズの本場であるヨーロッパでは、山羊や羊の乳からもチーズを作る。フランスでは、山羊の乳から作ったチーズを総称して「シェーブルチーズ」と呼ぶ。シェーブルチーズは日本では珍しいがフランスでは一般的で、シャロレチーズのほかに「クロタン・ド・シャビニョル」や「ピコドン」など多くのシェーブルチーズがある。山羊の乳独特のにおいや味わいに慣れてしまうとやみつきになる美味しさだ。
ブルゴーニュ地方で作られる
フランスはチーズ作りが盛んな地域で、地域の風土に合わせて個性豊かなチーズが作られる。シャロレチーズはフランスのブルゴーニュ地方で作られているチーズだ。ブルゴーニュ地方はフランスのほぼ中央に位置する地域で、ワインの生産地としても有名だ。チーズ作りに適した風土であるため、シャロレチーズのほかにも山羊の乳から作られるマコネチーズや牛の乳から作られるエポワスチーズなど風味の異なるチーズが作られている。
シャロレチーズの特徴
チーズというと円盤状の形を思い浮かべるだろうが、シャロレチーズは樽型(直径4~6cm、高さ7~8cmの円柱形)で、見た目も非常にインパクトがある。シャロレチーズの表面はカビに覆われているが、これは熟成によって自然についたもの。中身はぎゅっと詰まっており、食べると少しの酸味とナッツの風味を感じる。シャロレチーズはブルゴーニュ地方で昔から変わらず作られてきたことが評価され、品質保証の証であるA.O.Pを取得している。
2. シャロレチーズができるまで

山羊の乳から作られるシャロレチーズだが、作り方は牛の乳で作るチーズと全く同じだ。最初に山羊の乳に乳酸菌とレンネットという酵素を加える。すると液体状だった山羊の乳のタンパク質成分が固まり、チーズのもととなる凝乳と呼ばれる固形物ができる。凝乳ができたら型に入れて成型する。シャロレチーズの場合は樽の形をした容器に入れられるのだが、山羊の乳は牛の乳より固まりにくいため、大きい容器で成型すると取り出す際に身崩れする可能性が高い。そのため、シェーブルチーズは小ぶりな容器で成形されることが多い。凝乳が固まったら、容器から取り出して熟成させる。熟成させることで外皮の表面にカビがつき、シャロレチーズ独特の味わいが生まれる。どのくらい熟成させるかは職人がチーズの状態を見ながら決めているため、正確には決まっていない。しっかり熟成されたらシャロレチーズの完成だ。
シャロレチーズの食べごろ
シャロレチーズの食べごろは春から秋にかけてと長い。春になると餌となる青草が豊富になるため、春先に出産した山羊から質のよい乳を多く搾ることができる。シャロレチーズの熟成期間は最短で2週間ほどなので、乳を搾ってすぐの春に食べることができる。しっかりと熟成させたシャロレチーズは秋に食べごろとなる。
3. シャロレチーズの美味しい食べ方

シャロレチーズのカッティング
チーズを切るときに最も重要なのが内側と外側のバランスだ。シャロレチーズのように熟成させるチーズの場合、外側の熟成した部分と内側の熟成していない部分を両方味わうのが醍醐味だ。シャロレチーズは樽型であるため放射線状に切れば、中心部の熟していない部分と外側の熟した部分の両方をバランスよく味わえる。
シャロレチーズの食べ方
チーズの食べ方はさまざま。そのまま食べることもあれば、サラダにトッピングして食べたり、トーストにのせて食べたりすることもある。シャロレチーズの場合は、日本のチーズではなかなか味わえない酸味とナッツの風味をそのまま味わえるため、そのまま食べるのがおすすめだ。またプラトー(チーズの盛り合わせ)にして、ほかのチーズと食べ比べてみるのも面白いだろう。シャロレチーズは見た目も特徴的であるため、プラトーにすると見栄えが非常によくなる。
ワインと一緒に楽しむ
チーズとワインは非常に相性がよく、ヨーロッパでは一緒に食されることが多い。しかし何でもよいというわけではなく、チーズの味わいとワインの香りを邪魔しない組み合わせでなければ、せっかくの味わいも楽しめない。ハードチーズのように旨みの強いチーズであれば赤ワインが合うが、一般的にチーズには白ワインが合うとされている。シャロレチーズを食べるときも白ワインを選ぶようにしよう。同じ産地のチーズとワインの組み合わせはとても美味しいといわれているため、シャロレチーズを食べるときはブルゴーニュ産の白ワインも用意しておくと間違いない。
結論
日本で食べられるチーズの多くは牛の乳から作られる。そのため山羊の乳から作られるチーズは食べ慣れていないことが多く、食べにくさを感じるときもある。シャロレチーズも山羊の乳から作られているため初めて食べるときは勇気がいるかもしれないが、ぜひ挑戦してみてほしい。
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