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【マコネ・ドゥミ・セック】ってどんなチーズ?特徴や食べ方を解説

【マコネ・ドゥミ・セック】ってどんなチーズ?特徴や食べ方を解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年10月 9日

ワインで有名なブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地区で生産される、マコネ・ドゥミ・セック。山羊ミルクのチーズだが、それを感じさせない風味と味わいを持つ。ナチュラルチーズは、大きな塊をカットして販売するイメージだが、このチーズは1つ50g前後と小さなチーズである。山羊ミルクのチーズ初心者に試してもらいたい逸品だ。

  

1. 高品質なチーズ、マコネ・ドゥミ・セック

マコネ・ドゥミ・セックは、ブルゴーニュ地方の南、ワインの産地として世界的に有名なコート・ドール県に隣接した、ソーヌ・エ・ロワール県でつくられる山羊ミルクのチーズである。コート・ドールほど有名ではないがこの県も昔からワイン造りが盛んで、マコネワインが有名である。ワインのためのブドウ農家は、ブドウ畑の下草を食べさせるための山羊を飼い、山羊からとれるミルクで自家製チーズを作っていた。それは代々受け継がれ、いまでも何百の家庭それぞれでチーズが作られているという。いわば家庭の味である。このチーズは主に地元で消費され、商売のためにチーズを作っているのはほんの少数だ。

マコネ・ドゥミ・セックは2006年に「AOC:Appellation d'origine contrôlée」に認定されている。AOCは、「原産地呼称統制」と呼ばれるフランスの品質保証制度で、伝統的な製法で作られた高品質の食品に与えられる。とくにワインやチーズなどの農業製品が対象で、取得するためにはその農業製品が、フランスのその土地独自の環境で作られていることなど、フランス原産地呼称委員会による厳しい審査基準をクリアする必要がある。500を超えるといわれるフランスのナチュラルチーズのうち、AOCを取得しているのは10分の1に満たない。
AOCを取得しているということは、マコネ・ドゥミ・セックはソーヌ・エ・ロワール県のマコネ地区でのみ作られる高品質なチーズであることを示す。
ちなみに、AOP(appellation d'origine protégée)というEU共通の制度もあり、AOC取得ラベルもAOP取得ラベルに統一されている。これはEU共通のラベルを使用することによって、消費者にも広くわかりやすく知ってもらえると同時に、偽物対策にも有効であると期待されている。AOC、またはAOPラベルは本物の品質保証がなされているという意味なので、ラベルがあったら安心して購入していいだろう。

2. マコネ・ドゥミ・セックの特徴

マコネは、形はまるでプリンのような裾が広がった山形で、てっぺんが平らな小さなチーズだ。1つが約50~65gと、ちょっとした軽食やおやつにちょうどいいサイズである。
ちなみにドゥミ・セックは熟成具合を指しており、熟成期間によってフレ、ドゥミ・セック、ブリュテと呼び方がかわる。ドゥミ・セックは半分乾いた、という意味で21日間の熟成具合のものを指す。
ドゥミ・セックの外皮は厚く黄味がかったベージュをしているが、カットすると内側から真っ白い柔らかい部分が顔を出す。一口で食べられてしまいそうな大きさだが、旨みが濃いので、カットして少しずつ味わいたい。
口あたりは軽くクリーミーで、少々マヨネーズに似た風味を持つ。ハーブの香りがほんのり香り、山羊ミルクとは思えない優しい甘みがある。それでいて山羊独特のクセもあるので、山羊ミルクのチーズ初心者におすすめしたい。外皮に青カビが生えてきたころのマコネ・ブリュテは、見た目はよろしくないが、生地が締まってきて、食感がクリーミーからほこほことしたものになり美味しい。外皮も、カビを取り除けば内側は食べることができるので、試してみるのもおもしろい。
できたてのマコネ・フレは残念ながら日本では食べることは難しく、現地へ行くしかない。日本で食べるには、輸送技術の進化を待とう。

3. マコネ・ドゥミ・セックはマコネワインとともに

マコネ・ドゥミ・セックをワインと合わせるならば、ここはやはり同郷のマコネワインがおすすめだ。きりりと冷やした白ワインは、山羊ミルクのチーズのコクと独特のくせ、穏やかな酸味によく合う。フランス料理を食べるとき、チーズは食後に勧められることが多い。その場合、高確率でメインデッシュと一緒に嗜んでいた赤ワインをまだ飲んでいるので、チーズは赤ワインと合わせて食べることになってしまう。昨今、とくに山羊ミルクのチーズはアペリティフと一緒に提供されるか、サラダに添えられることが多くなってきた。
マコネ・ドゥミ・セックはそのまま食べるのが美味しいとされてきたが、小さなサンドイッチになったり、ドレッシングと合わせたりとレシピの開発も進んでいるようである。とはいえ、もともとは酪農家のおやつ。そのまま食べるか、はちみつやベリー系の酸味のあるジャムと相性がいい。一口食べてみて山羊特有のにおいが気になるときは、はちみつなどの甘いソースと合わせることをおすすめする。香りが薄まってより食べやすくなる。ちょっとしたデザートのようになるので、試してみてほしい。

結論

フランスには実にたくさんの種類のチーズがあり、山羊ミルクのものだけでも旬のころには店先ずらりとならんで数えきれないほどだ。マコネ・ドゥミ・セックに限らず、山羊ミルクチーズの旬は春である。いまは冷凍技術が進み山羊のミルクを保存しておけるので、年中食べることができるが、やはり旬のものが一番美味しい。
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  • 更新日:

    2019年10月 9日

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