1. ハーブを食べる山羊
ブイゲットは、フランス南部アルビ近郊で生産される山羊ミルクのチーズ。アルビは、街全体が世界遺産に登録されており、フランスの歴史を知ることができる観光地として有名だ。ピレネー山脈にもほど近いアルビ近郊は、ガリックという石灰質乾燥地域のため、牛の餌となる牧草が育ちにくい。
牛と違って山羊は、山の谷間や急こう配、牧草が育ちにくいやせた土地でも、その地に生えるハーブなどを餌にしてたくましく生きてくれる。
人間は、母親の食べたものによって母乳の香りが変化することが知られている。それは山羊も同様のようで、この山羊のミルクで作ったチーズは、ほんのりハーブの香りが残っている。このハーブの香りは、山羊ミルクのチーズ独特の癖のある香りを和らげてくれる。
ちなみに、香りのついた母乳を飲んだ子どもは、香りの元の食材を好んで飲み食いするようになるといわれている。人間と同じ理屈なのかは定かではないが、母乳を飲んだ山羊の仔は、親と同じくハーブを好んで食べる山羊になるのだ。
牛と違って山羊は、山の谷間や急こう配、牧草が育ちにくいやせた土地でも、その地に生えるハーブなどを餌にしてたくましく生きてくれる。
人間は、母親の食べたものによって母乳の香りが変化することが知られている。それは山羊も同様のようで、この山羊のミルクで作ったチーズは、ほんのりハーブの香りが残っている。このハーブの香りは、山羊ミルクのチーズ独特の癖のある香りを和らげてくれる。
ちなみに、香りのついた母乳を飲んだ子どもは、香りの元の食材を好んで飲み食いするようになるといわれている。人間と同じ理屈なのかは定かではないが、母乳を飲んだ山羊の仔は、親と同じくハーブを好んで食べる山羊になるのだ。
2. ボートの形に成型されるチーズ、ブイゲット
シェーブルチーズは小型なものが多く、ほとんどは型に流して成型される。地方ごとに型の種類があり多種多様な形のチーズができるが、その中でもブイゲットは珍しいボート型をしている。ボート型と呼ばれているが、なんとなくオムレツのようにも見える形だ。
これは職人が、ひとつひとつ布で巻いて作成するためだ。手作りのため、大きさも形も微妙に違うのがまた面白い。
ブイゲッドは圧力をかけず、自分自身の重みでタンパク質と水分を分離させるのも特徴だ。
販売するときには、ハーブが一枝添えられる。おおよそがローズマリーだが、熟成士の感性によって、別のハーブが添えられることもある。フレッシュなうちに食べられることが多いチーズで、食べるとハーブの香りがふんわりと香る。柔らかな優しい食感だ。山羊ミルクは牛乳で作られたチーズよりもビフィズス菌が多く、酸味のあるチーズができあがる。ブイゲットも、さっぱりとしたヨーグルトのような酸味ながらコクがあり、ハーブの香りがさわやか。バランスのいい味わいのチーズである。
これは職人が、ひとつひとつ布で巻いて作成するためだ。手作りのため、大きさも形も微妙に違うのがまた面白い。
ブイゲッドは圧力をかけず、自分自身の重みでタンパク質と水分を分離させるのも特徴だ。
販売するときには、ハーブが一枝添えられる。おおよそがローズマリーだが、熟成士の感性によって、別のハーブが添えられることもある。フレッシュなうちに食べられることが多いチーズで、食べるとハーブの香りがふんわりと香る。柔らかな優しい食感だ。山羊ミルクは牛乳で作られたチーズよりもビフィズス菌が多く、酸味のあるチーズができあがる。ブイゲットも、さっぱりとしたヨーグルトのような酸味ながらコクがあり、ハーブの香りがさわやか。バランスのいい味わいのチーズである。
3. 山羊ミルクチーズの作り方
ブイゲットは手作業が多いため、形や大きさが多少変わることもある。牛乳とちがう、山羊のミルクでのチーズの作り方はどのようなものか、簡単に作り方を紹介しよう。
① ミルクを温め、スターターを入れる
乳酸菌が活発に働く温度まで、牛乳を温める。温度は30~40℃と体温よりやや高め。これにスターターと呼ばれる菌を入れる。乳酸菌やそのチーズの種類にあったカビなどだ。スターターは、その工場ごとで培養している場合もある。家庭でチーズを作るときは、ヨーグルトなどで代用も可能だ。
乳酸菌は、乳糖を分解して乳酸を生成し、ミルクを固まりやすく雑菌の繁殖を抑える。熟成の過程でも重要な働きをする、チーズの要なのである。
乳酸菌は、乳糖を分解して乳酸を生成し、ミルクを固まりやすく雑菌の繁殖を抑える。熟成の過程でも重要な働きをする、チーズの要なのである。
② 凝固させる
多くは、レンネットと呼ばれる牛または羊の胃からとれる凝乳酵素を加える。必要量は牛乳でつくるチーズより少量で、基本的に乳酸の力でじっくりと時間をかけて固めていく。山羊ミルクのチーズに酸味があるのは、この作り方にあるといわれている。
③ 型につめる
とろとろと柔らかな豆腐ようになって固まったら、型に流す。牛乳のチーズの場合は固まったものを細かく切ってホエーと呼ばれる水分を出しやすくし、さらに温めてホエーを分離させるが、山羊ミルクのチーズはそのまま型に流し、圧力をかける、何度も反転するなどして脱水を促す。これによって、独特のほろほろと優しい食感のチーズになるのだ。ブイゲットは型を使わずに、布で巻いていくので形や模様が不揃いになるようだ。種類によっては、山羊ミルクのチーズの中にもカードをきって脱水させるものもあるが、そのような作り方の場合は、よりしっかりとした食感になる。
④ 熟成
型からはずし、表面に塩や木炭、オリーブオイル、パプリカパウダーなどを塗り、熟成させていく。山羊ミルクのチーズは1週間~10日ほどで出荷される。出荷後はあまり長く熟成させることはなく、だいたいが1ヶ月、長くても2ヶ月ほどで食べきってしまう。2ヶ月の間でも、熟成による変化は大きく、その違いを楽しむのがまた面白い。
結論
ブイゲットは春の訪れとともに店先にならび、ハーブの香りとさわやかな酸味を楽しむ。型を使わず固めたチーズであるためか、非常にもろいチーズである。手に入れる機会があったら、優しく取り扱うことをおすすめする。とはいえ、その脆さも食感に関わる美味しさの要素の1つなのである。
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