1. リコッタチーズの特徴
リコッタチーズとは、チーズ作りのためにミルクを加熱した際に出る乳清(ホエー)に新たなミルクまたはクリームを加え、再加熱して作ったチーズのことである。リコッタはイタリア語で「再び煮る」という意味を指す。
原料のミルクは牛乳のほかに山羊乳や羊乳、水牛乳などさまざまだが、日本では牛乳から作るリコッタが一般的である。皮のない真っ白なクリーム状のチーズで、粒のあるもろもろとした軽い食感が特徴だ。
原料のミルクは牛乳のほかに山羊乳や羊乳、水牛乳などさまざまだが、日本では牛乳から作るリコッタが一般的である。皮のない真っ白なクリーム状のチーズで、粒のあるもろもろとした軽い食感が特徴だ。
味と香り
ホットミルクのような優しい味わいで、ほのかに甘い香りがある。あっさりとした風味が特徴だが、日本で販売されているものの中には、生クリームを加えて作った「リコッタ・アラ・パンナ」というリコッタチーズもある。ミルクだけで作られるものよりも濃厚でコクがあるため、こちらも人気がある。
リコッタチーズの栄養
リコッタチーズは、フレッシュチーズの中でも脂質含有量が圧倒的に少ないことでも知られており、ヘルシー食品の一つとして名を連ねている。また、カルシウム含有量もトップクラスで、およそ3分の1の量で牛乳と同じ量のカルシウムを摂取することができる。
【注目すべきはたんぱく質!】
リコッタチーズの栄養成分で、もっとも注目されるのはたんぱく質だ。牛乳に含まれるたんぱく質はカゼインたんぱく質と乳清たんぱく質に分けられる。牛乳にはおよそ8:2の割合でカゼインたんぱく質が多く含まれるが、人の母乳にはおよそ6:4の割合で乳清たんぱく質が多く含まれている。
乳清たんぱく質は消化されやすく、必須アミノ酸も多く含まれているため、母乳の代わりに与える調整粉乳には欠かせない成分となっているのだ。乳清から作られるリコッタチーズは当然、乳清たんぱく質の含有量が高く、良質なたんぱく質の供給源となっている。
乳清たんぱく質は消化されやすく、必須アミノ酸も多く含まれているため、母乳の代わりに与える調整粉乳には欠かせない成分となっているのだ。乳清から作られるリコッタチーズは当然、乳清たんぱく質の含有量が高く、良質なたんぱく質の供給源となっている。
2. リコッタチーズの産地や食べごろ
主な産地
リコッタチーズの主な産地は南イタリアである。イタリアには地域特有の高品質の製品であることを証明するD.O.Pという制度がある。リコッタチーズの中でも、カンパニア州などの限られた4つの州で水牛乳から作られる「リコッタ・ディ・ブーファラ・カンパーニャ」とラツィオ州で羊乳から作られる「リコッタ・ロマーナ」がこのD.O.Pに指定されている。
食べごろ
リコッタチーズは数あるチーズの中でもポピュラーなチーズで、通年楽しむことができる。ただし、リコッタチーズは新鮮さが命。本場のリコッタチーズを新鮮なうちに手に入れるのは難しいが、日本でも製造されているものがあるので試してみよう。購入する際は製造日をチェックして、なるべく新しいものを選ぶとよい。
3. リコッタチーズの食べ方
リコッタチーズはジャムやハチミツをかけてデザートにして食べるのがもっともシンプルである。新鮮なものには良質のオリーブオイル、塩、黒こしょうをかけて食べてもよいだろう。人肌程度にあたためると、甘いミルクの風味が増すのでおすすめだ。
また、そのまま食べるだけでなく、パンケーキやお菓子作りなどにも使うことができる。リコッタチーズは自宅でも作れるので、一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。
また、そのまま食べるだけでなく、パンケーキやお菓子作りなどにも使うことができる。リコッタチーズは自宅でも作れるので、一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。
リコッタチーズの作り方
- ボウルにキッチンペーパーまたはガーゼを敷いたザルを置き、プレーンヨーグルトを水きりする。この時ボウルに溜まった水を乳清(ホエー)として使用する。
- 溜まった乳清、牛乳、生クリーム、塩を鍋に入れて火にかけ、沸騰する前にレモン汁を加える。
- もろもろとした塊が出てきたら火を止め、キッチンペーパーまたはガーゼを敷いたザルにあけて水をきる。
相性のよいワイン
ワインを合わせるなら「アスティ」などの甘口のスパークリングワインがおすすめである。また、あっさりとしたリコッタチーズは朝食にもぴったりで、紅茶やコーヒーとの相性もバツグンだ。
結論
クセのない味わいで栄養価も高いリコッタチーズについて紹介した。リコッタチーズは本場イタリアでは、日本でいう豆腐のような日常的な食べ物である。日本では牛乳から作られるものが一般的だが、使用するミルクによって味わいも変化する。食べ比べセットなども販売されているので、違いを試してみてもよいだろう。