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ブドウが香るチーズ【ロトロヴィーテ】とは?まるでレアチーズケーキ?

ブドウが香るチーズ【ロトロヴィーテ】とは?まるでレアチーズケーキ?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年10月26日

イタリアには、チーズをイチジクや栗の葉で包み乾燥を防ぐ手法が古くからあったが、ロトロヴィーテはブドウの葉で包まれている。桜餅や柏餅を見て育った日本人なら、イメージがしやすいかもしれない。イタリアのピエモンテ州、クネオで生産されるさわやかな初夏の香りのするチーズについて紹介する。

  

1. ロトロヴィーテとは

ロトロヴィーテは、山羊ミルク100%で生産されたシェーブルタイプと呼ばれるチーズを、ブドウの葉で包んだものである。
産地はイタリアのピエモンテ州、クオネ地方。もともとピエモンテ州には、栗やイチジクの葉にチーズを包んで保存性を高めて熟成させる手法があった。ロトロヴィーテはブドウの葉で包むことによって、さわやかな香りの見た目にも楽しい初夏に楽しめるチーズになっている。
ひとつ約150gと小ぶりで食べきりサイズだ。イタリアは大家族みんなで食卓を囲むイメージであるが、少子化が進む昨今では小さな食べきりサイズのチーズが人気だという。形は円柱形をしており、葉の下のチーズは真っ白で肌が細かい。口溶けのいい、さわやかなフレッシュタイプだ。口に含めばブドウの葉の香りに続いて山羊のミルクの風味、山羊ミルクでつくられたチーズ特有の酸味が広がっていく。
ロトロヴィーテは、若いうちはしっとり、あっさりで穏やかな味わいだ。まるで間違ってヨーグルトを食べてしまったような味わいである。熟成が進むにしたがってチーズらしいコクがでてきて、ブドウの葉は色が濃くなっていき、チーズがよりブドウの香りになっていく。シェーブルタイプのチーズには独特の香りと癖があり、好き嫌いがくっきりと分かれる。シェーブルタイプの独特な癖を好む人には、少々物足りなく感じるかもしれない。

2. ロトロヴィーテはお洒落なデザートとして

ロトロヴィーテを含む山羊のミルクで生産されたチーズには、ビフィズス菌由来の独特の酸味がある。また特有の香りがあり、この2つを苦手とする人も多い。
そんな場合は、はちみつをかけて甘くして食べると食べやすくなる。はちみつも意外に香りの強い食品なので、酸味と香りを中和してくれ、パンや野菜と食べるよりも食べやすくなるだろう。また、ロトロヴィーテと相性のいい、ヴィンゴットという南イタリア生まれの天然ブドウソースがある。バルサミコ酢に似ているが、これは酸味が少ない甘味料である。
完熟ブドウを絞り煮詰めたあと、オーク樽で熟成させる。微かな酸味と豊かなブドウの香りを持った天然万能調味料だ。イタリア料理だけでなく、さまざまな料理に使える華やかな味わいを持っている。ブドウの葉を使ったチーズに、ブドウの深い甘みをもったソース、合わないわけがない。さっぱりとしたロトロヴィーテに、コクをもたらすヴァンゴットをぜひ試してもらいたい。チーズの皿が上質なデザートの一皿になるだろう。また、干しブドウと合わせても美味しい。

3. ロトロヴィーテのブドウの葉はどうする?

ロトロヴィーテを包むブドウの葉。この葉は食べるべきかとるべきか、日本の桜餅の葉と同じように悩んでしまう。
答えとしては、食べてもいい。初夏の柔らかいブドウの葉は食べることが可能だ。ちなみに、ブドウの葉には、「レスベラトロール」という、ポリフェノールが多く含まれているという。レスベラトロールはブドウの葉や果皮に多く含まれており、ブドウが自身を紫外線や病気などから守るために出すもの。
一時日本では赤ワインブームが起こったことがあり、その背景に「フレンチパラドックス」という現象があった。フレンチパラドックスとは、高脂肪な食事をとるフランス人は、脂質異常症が原因として引き起こされる疾患である冠動脈性心疾患を発症する人が少ないという矛盾した現象のことを指す。この矛盾した現象が起こる理由に、フランス人が毎日赤ワインを飲むことが関わっているという論文が発表されたことによって、健康志向の人がこぞって赤ワインを飲み始めた。一時期ほどではないが、いまもワインはアルコール飲料の中では健康維持に効果がある、という印象を持つ人が多いようだ。
レスベラトロールは未だに研究中の成分であるが、ポリフェノールの一種であり、抗酸化物質として健康維持に一定の役割をもつことがわかっている。いまでは、ブドウの葉のお茶なども販売されている。ロトロヴィーテに使われるブドウの葉にも、もちろんレスベラトロールが含まれている。加えてシェーブルタイプのチーズは脂肪分が少ないので、健康を気にする人にはうれしいチーズであろう。

結論

じつは、ブドウの葉を使った料理は日本にもある。「ブドウ葉寿司」という信州の郷土料理。ブドウ葉寿司は、ブドウの葉がある夏の間しか食べることができない季節限定の寿司だ。さわやかなブドウの葉の香りが寿司にうつり、ほのかにフルーティーな甘い香りの寿司になるのだ。ブドウ葉寿司には、葉が茹でてあり葉ごと食べられるタイプと、葉をはがして食べるタイプの両方がある。酢飯の酸味とシェーブルタイプのチーズの酸味、ブドウの葉は、酸味と相性がいいようだ。
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  • 更新日:

    2019年10月26日

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