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お椀型のチーズ【トピネットチーズ】とは?まんじゅうのような形が特徴的

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2019年10月16日

トピネットチーズは、手のひらサイズでこんもりと丸く、日本人なら饅頭を連想しそうな形をしている。トピネットはフランス語で、小さなモグラの塚を意味する。表面にうっすらと灰がまぶしてあり、確かに土塊のようにも見える。しかし土塊というには少々かわいらしいチーズ、トピネットチーズについて紹介する。

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1. シャラント地方のチーズ、トピネットチーズ

フランス西部、大西洋沿岸にあるシャラント地方。夏は過ごしやすい西岸海洋気候に恵まれ、冬も温暖。豊かな食材に恵まれ、手をかけなくとも美味しい郷土料理が堪能できる地域である。この地方は、かつて国内飼育数1位であったほど山羊の飼育が盛んである。復活祭のころに子山羊を食べる伝統があるが、その目的はミルクであり、シェーブルチーズに利用される。シェーブルとはフランス語で山羊を意味し、シェーブルチーズは山羊ミルクを主原料としたチーズのことである。日本ではあまり種類がないが、本場フランスでは、旬のころにはたくさんの種類のシェーブルチーズが店頭に並ぶのだ。
山羊のミルクは牛のミルクと違いカロテンが少ないので、真っ白いチーズができることが多い。ミルクからチーズへと加工するときに使う乳酸菌もじっくりと増やすため、ほのかな酸味がある。トピネットチーズはシェーブルチーズ特有の酸味とほろほろした食感がある。また、シェーブルチーズはさっぱりとした味わいになりがちだが、トピネットチーズは滑らかな食感の中にミルクの深いコクと甘さがあるのだ。熟成が進んでいくと、また味わいに変化がでてくる。酸味が弱くなり、水分が飛んで味が濃くなっていき、そして山羊特有の香りが強くなる。この香りにこそ魅力を感じるシェーブルチーズファンも多いので、食べるタイミングは好み次第だ。

2. トピネットチーズの誕生

このトピネットチーズが生産されるようになったのは、1990年代に入ってからとわりと最近である。もともとは、「トーピニエール」というモグラの塚を意味するチーズがあった。トーピニエールは「ガプロン」(姑の乳という異名を持つ)というチーズの型を使って作られた、グレープフルーツほどの大きさのお椀型のチーズだった。このトーピニエールをヒントに制作されたのが、120g前後と小ぶりで食べきりやすいサイズのトピネットである。ほんのり表面が黒いのは、木炭がまぶされているためだ。木炭はシェーブルの独特の酸味をやわらげ、余計な菌を抑え必要な菌の成長を促し、湿度を吸収してくれるのだ。熟成すると表面に皺がより、より土っぽい雰囲気がでてきて面白い。
この2つのチーズを作ったのは、広いブドウ畑と牧草地をもつ、歴史ある大農家である。フランスで2番目に大きい農家であるという。現在は3代目が引き継でいるが、近代的なものを取り入れながらも、伝統的な製法を守りっている。一時は800頭にまで増えた山羊を、健全な飼育のために半分に減らすなど、品質にこだわった姿勢を崩さない。無殺菌生ミルクにこだわり、丁寧な手作業で、この小ぶりなチーズを生産し続けているのだ。

3. トピネットとのマリアージュ

チーズといえばワインである。チーズもワインもそれぞれに癖があるので、もし迷ったなら同郷のもの同士をあわせると、大きな外れがないといわれている。

白ワイン

トピネットの産地シャラント地方の近隣にボルドーがあるので、ボルドーの白ワインなどいかがだろうか。柑橘類のような香りのするような白ワインを選ぶと、チーズの酸味とワインの香りと酸味が、さわやかな味わいを呼んでくれる。

スパークリングワイン

スパークリングワインもまた相性がいい。フルーティーで甘いものを選ぶと、トピネットの甘酸っぱい酸味を柔らかく泡が包んでくれる。デザートのような組み合わせになるだろう。

酒精強化ワイン

トピネットの産地、シャラント地方はコニャックの産地でもある。トピネットの生産農家は、ブドウ果汁にコニャックを加えてつくる酒精強化ワイン「ピノー・デ・シャラント」も生産しているのだ。地元ではワインだけでなく、ピノー・デ・シャラントと合わせていただくこともしばしばある。酒精強化とは、ぶどうを発酵させる際に強いアルコールを加えて発酵を止めてしまうことである。この場合の強いアルコールとはブランデーだ。発酵のどの段階でプランデーを加えるかで甘口か辛口か変化するのだが、ピノー・デ・シャラントは未発酵のブドウ汁にアルコールを加えて数年熟成させたものを指す。未発酵、あるいは途中で加えると糖分が多く残るため、甘口に仕上がるのだ。同郷どころか同じ農場で作られる飲み物なので、一度試してみるのも面白い。

結論

小さなモグラの巣穴という通り、小さなその形は日本でもウケがよく、人気上昇中のチーズである。生産農家はさらに意欲的で、トピネットのほかにもいろいろなシェーブルチーズや、シェーブルを使ったチーズケーキなども生産している。食べ物が美味しいフランス西部のシャラント。いつか訪れて味わってみたいものである。
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