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歴史あるチーズ【ベームスター】の特徴!オランダ王室御用達って本当!?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2019年10月18日

ベームスターと聞いて思い浮かぶのは、チーズではなく、世界遺産である人もいるだろう。オランダの北、ホランド州にあるオランダ最古の干拓地として世界遺産に登録された、ベームスター。春には一面の花畑を見ることができる観光地として有名である。この世界遺産でのびのびと放牧されている牛の生乳から作られる、ベームスターというチーズについて紹介する。

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1. 1世紀以上の歴史があるチーズ、ベームスター

17世紀に干拓が行われ、いまもそのころの景観が保たれているとして世界遺産に登録されているベームスター地方。南東部ではとくに園芸が盛んで、季節には一面の花畑が旅人を迎えてくれる。

アムステルダムから、花畑が広がるホールンとメーデンブリックを結ぶミニSL、ベームスター、そして世界最大の球根栽培地区であるザイブ周辺までを「北の花街道」としている。この地区は東京ドーム20個分の規模でチューリップを栽培しており、旬の季節には虹色のカーペットのようにチューリップ畑が広がる。実に壮観である。

以前、ベームスターは海底にあったが、風車で水が汲みだされ、海のミネラルを豊富に含んだ肥沃な土が現れた。そのためこの土地で育つ牧草は栄養豊富だ。ナチュラルチーズは原材料によって味が左右される。この地で育った牛は、栄養豊富な草を食べてストレスなくのびのびと暮らしているため、生乳は海のミネラルが損なわれることがないといわれている。

ベームスターチーズは、最高級のゴーダタイプのチーズである。いまは世界のいろいろな国でゴーダチーズが生産されているが、ゴーダチーズ発祥はオランダだ。ベームスターチーズは、オランダ王室御用達のチーズとしても名を馳せている、100年以上の歴史をもつチーズなのだ。パッケージにも王冠のマークと王室の紋章、御用達の文字がまぶしく記載されている。厳しい品質基準を満たしたベームスターチーズにのみ、この証が表示されることが許されているのだ。

2. ベームスターチーズの特徴

ベームスターチーズには、生産して数週間で食べてしまうものと、数年寝かせて熟成させてから食べるものとがある。どんなチーズも、寝かせると水分が飛んで旨みや甘みが増すものだが、ベームスターチーズは驚くほど甘くなる。チーズのコクとしっかりとした甘みは、白みそととたえる人もいれば、練りうにのようなコクと甘み、うっすらキャラメルのような味わいの甘さとたとえる人もいる。ぜひ試してみて、自分なりの答えをみつけるのも面白い。

ベームスターチーズは落ち着いたオレンジ色をしており、食感は硬くねっちりとしている。若いセミハードタイプや、12ヶ月熟成したものなどさまざまな種類があるが、熟成期間が長いほど固くなる。ベームスターチーズの中でもとくに熟成が長く26ヶ月を過ぎたものである「EXオールド」は、カチカチで石のように固い。そのままなら強引にカットするか、カチ割りにして食べることができるが、すりおろすと使いやすくなる。熟成が長くなってもさほど癖は強くないので、老若男女問わず人気のチーズである。

ベームスターチーズはフルーティーな味わいのある赤ワインや洋酒のみならず、コーヒーにも合う。また、熟成が進んで味噌のような風味と甘みが出てくると、日本酒にも合うのが面白い。ただカットして食べるだけではなく、加熱してとろける性質を利用して調理に使ってもいいし、けずっても楽しめる。季節や気分に合わせて、さまざまな形に変えて食べることができるのも魅力の一つである。

3. ベームスターチーズの食感

ベームスターチーズに限らず、牛の生乳を原材料に使うチーズは、若いうちは柔らかく熟成進むと生地が締まり、もっちりした食感を経て、カチカチに固くなる。日本人に一番人気があるのは、もっちりとしたセミハードタイプの食感である。タンパク質を多くベームスターチーズは、熟成が進むにつれて、生地の中にシャリシャリと歯ざわりの小さな塊が発生する。これは決して異物混入や劣化によるダマではなく、チロシンというアミノ酸が徐々に結晶化したものなのだ。

チーズを熟成させていくと、タンパク質がアミノ酸やペプチドに分解されて固まっていく。多くのアミノ酸は水に溶けやすいが、チロシンは水に溶けにくく、乾燥すると結晶化しやすいのだ。もちろんこの結晶はチーズとともに食べることができる。アミノ酸とは旨み成分でもある。熟成してタンパク質が分解され、アミノ酸が増えていくと、どんどん美味しくなっていくのだ。

独特の食感も面白い。チーズならベームスターチーズのほかはパルミジャーノ・レッジャーノやミモレット、そのほかには塩蔵の魚やハム、キムチなどがある。ちなみに、チロシンはチーズから発見されたため、ギリシャ語でチーズを意味する「TYROS」から名付けられたといわれている。

結論

風光明媚な土地が生み出した歴史あるチーズ、ベームスター。種類がいくつかあるが、熟成期間で分けているだけでなく、ホースラディッシュを練りこんだものなどの変わり種もある。ベームスターの近くにあるアルクマールという街では、4月から9月の金曜日にチーズの市場が立ち、何百という種類のチーズが販売され、チーズ博物館があるチーズの街として名を馳せている。世界遺産を眺めるついでに、ちょっと足を延ばしてチーズを堪能しに行くのもおもしろそうである。
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