1. パルメザンチーズの本家、パルミジャーノ・レッジャーノとは?
チーズは、ピザやリゾット、パスタなどのイタリア料理に欠かせない食材だ。そのため、日本でもイタリアチーズの知名度は高く、その代表格がパルミジャーノ・レッジャーノだ。イタリアチーズの王様とも呼ばれる世界的に有名なチーズで、イタリア国内でも特別視されている。パルミジャーノ・レッジャーノにまつわる有名な話として、生産者が銀行に融資を頼む際にパルミジャーノ・レッジャーノを担保にできるという話がある。それほどまでに価値を認められているパルミジャーノ・レッジャーノをまねて作られたのがパルメザンチーズだ。パルミジャーノ・レッジャーノと似た風味を味わえるのだが、まったく異なるチーズである。
熟成させるほど美味しいチーズ
フレッシュタイプのチーズを除き、ほとんどのチーズは加工されてから熟成期間を経る。熟成させることでチーズ独特の旨みが増すからだ。パルミジャーノ・レッジャーノも熟成期間を経たのちに市場に出回るのだが、熟成期間は最低でも12ヶ月以上とされている。しかし水分が抜けて硬くなっているパルミジャーノ・レッジャーノのほうが好まれるため、2年以上熟成させたものがよく出回っている。熟成期間が長くなると、旨み成分であるチロシンが白い結晶となって出てくるため、ミルクの甘みと旨みをバランスよく味わえる。
2. パルミジャーノ・レッジャーノの産地と分類
チーズはイタリア料理には欠かせない食材であるため、イタリア国内のいたるところで作られている。チーズの王様であるパルミジャーノ・レッジャーノが作られているのは、イタリア北部に位置するエミリア・ロマーニャ州である。世界的に有名なチーズであるが、パルミジャーノ・レッジャーノはこの地域でしか作られておらず、さらに厳しい基準も設けられている。パルミジャーノ・レッジャーノは一晩置いて脂肪分を一部除いた牛乳と、翌朝に搾った牛乳を混ぜ合わせて作るのだが、その製造は1日に1回と決められている。また製造後は最低でも1年間は熟成させなければいけないため、生産量に限りがある。
ハードチーズに分類される
カビ付けしたものを青カビまたは白カビチーズ、熟成させないものをフレッシュチーズというように、製法でチーズを分類することができる。パルミジャーノ・レッジャーノはハードチーズに分類される。ハードチーズとは、乳を凝固させてできたチーズの素をさらに圧搾して固めたチーズで、ほかのチーズよりも水分を除いているため硬いのが特徴だ。
パルミジャーノ・レッジャーノの食べごろ
1年間熟成させれば食べることのできるパルミジャーノ・レッジャーノだが、しっかりとした旨みを堪能したいなら2年以上熟成させたものがおすすめだ。熟成期間はチーズの表面を見て判断することができ、色がアメ色に変化していれば2年以上熟成させていると判断できる。
3. パルミジャーノ・レッジャーノの食べ方と保存方法
パルミジャーノ・レッジャーノは直径35~45cm、高さ約20cm、重さは30kg以上という巨大なチーズだ。そのため、市場にはカットされた状態で出回ることが多い。パルミジャーノ・レッジャーノの食べ方として一般的なのは、チーズおろし器などで粉末状にしてパスタやサラダにトッピングする食べ方だ。削りたてのパルミジャーノ・レッジャーノの香りと濃厚なうまみが料理を美味しく演出してくれる。パルミジャーノ・レッジャーノを単品でそのまま食べたいなら、薄くスライスして食べるようにしよう。長期間熟成によって水分が取り除かれ非常に硬くなっているため、ほかのチーズのようにかぶりついて食べることは難しい。
余ってしまった場合は?
パルミジャーノ・レッジャーノを使いきれなかった場合は、ラップに包んで冷蔵庫で保管しよう。チーズの保存温度は6~10℃が望ましいとされているため、可能なら野菜室に入れるのがおすすめだ。パルミジャーノ・レッジャーノはハードチーズであるため、ほかのチーズよりも長く保存することができる。ただし、ほかの食品のにおいがついたり、冷蔵庫の湿気によってカビがついたりすることがある。カビがついてしまった場合は、カビの部分を取り除けば食べることができるため安心してほしい。
結論
チーズ好きでなくても名前は聞いたことがあるパルミジャーノ・レッジャーノはイタリアチーズの王様と呼ばれている。その大きさは当然ながら、1年以上熟成させることで生まれる旨みは、まさに王様の風格だ。カットしたパルミジャーノ・レッジャーノを購入したときは薄くスライスして、生のパルミジャーノ・レッジャーノの味わいを楽しんでほしい。
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