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【ローヴ・デ・ガリック】とは?ハーブの香りのするチーズ?

【ローヴ・デ・ガリック】とは?ハーブの香りのするチーズ?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年11月15日

山羊ミルクから作られるチーズのことを、シェーブルチーズという。シェーブルとはフランス語で山羊乳のことだ。山羊ミルクからつくるチーズは、牛や羊のミルクを原材料としたチーズとは風味が異なる。そしてこのローヴ・デ・ガリックは、山羊のミルクの香りを押しのける強いハーブの香りが特徴のチーズなのである。

  

1. ローヴ・デ・ガリックはハーブの香りのチーズ

ローヴ・デ・ガリックは、南フランスの地中海にほど近い、ラングドック・ルション地方で作られるシェーブルと呼ばれるタイプのチーズである。春から秋にかけて山羊が出産し、ミルクが出る時期がこのチーズの旬であり、ヨーロッパでは春の訪れを知らせてくれるチーズである。ローヴ・デ・ガリックは、シェーブルタイプ独特の食感と香りに加え、さわやかなハーブの香りがよりいっそう華やかに春の訪れを感じさせてくれる。
ローヴ・デ・ガリックの特徴は、なんといってもその香りにある。ローズマリーやタイムなどの強いハーブの香りがする。ローヴとはローヴ種の山羊のことだ。この山羊はマルセイユ地方などでごくわずかに生息している。ローヴ種の山羊ミルクからつくられていたので、ローヴの名をつけ、チーズのチケットにも角の立派なローヴ種であろう山羊のイラストが描かれている。ローヴ種の山羊がハーブを食べると、ほかの種類の山羊よりも、ミルクにハーブの香りが残りやすいといわれている。しかし、現在ローヴ・デ・ガリックの原材料となる山羊は、ローヴ種に限定されておらず、アルピーノ種など、ほかの山羊ミルクを使うものもある。また、チーズから香るハーブの香りはミルク由来といわれているが、製造過程でエッセンスを加えることもあるようだ。顧客のリクエストで、少々香りの雰囲気を変えることも可能だ。

2. 職人がつくるチーズ、ローヴ・デ・ガリック

ローヴ・デ・ガリックのガリックという名前は日本ではニンニクを連想しがちだ。香りの付いたチーズと聞いて、ガーリック味なのかと勘違いしてしまう人もいるかもしれない。ガリックとは南フランスの石灰岩質の乾燥地域のことである。ガリックは乾燥地帯なので牧草が育ちづらい、すなわち牛が飼育しにくい場所なのである。しかし山羊は、過酷な環境でもたくましく育ってくれる。牧草が少ないかわりに、乾燥に強いハーブやローズマリー、タイムなどを食べて育つのだ。つまりローヴ・デ・ガリックは、石灰岩質の乾燥地域のローヴ種という山羊、という意味になる。
1つ60g程度、直径5cm、一度に食べきるのに最適の量だ。まんまるの形もかわいらしい。これは職人が、ひとつひとつ手作業で丸めている。ミルクを凝固させてかき混ぜることによって、ホエーとカードに分離させる。それを規定量、素早くまるめていくのだ。チーズといえど乳製品である。長いこと手のひらでこねていると、温まっていきよろしくない。熟練の職人は、1つをまるめるのに数秒とかからない。あっという間にまるめていき、少々の不ぞろい感は、チーズの生地が柔らかいことと、手作りならではである。ローヴ・デ・ガリックの味わいは、フレッシュなうちは乳酸菌由来の酸味が強く、これにハーブの香りが絡み、非常にさわやかな味わいである。熟成が進むと外皮に白カビが生え、コクが深くなっていく。皮は食べられるが、独特のピリッとした辛みもでてくる。山羊チーズ初心者はフレッシュなものをおすすめする。

3. チーズに含まれるハーブの香り

ローヴ・デ・ガリックは、主にローズマリー、タイムの香りが強い。この2つは乾燥地帯でもよく育ち、山羊の餌となるのだ。

ローズマリー

同じく南仏のチーズ「ブイケット」などにも使われ、チーズとの相性がいい香りをもつ。フランス料理でもよく使われ、キッチンハーブやお母さんのハーブとも呼ばれ、家庭の味としても馴染み深い。肉・魚のにおい消しにもなり、煮込み料理に入れてもよい。松葉のような太めの細長い茎は、料理の飾りつけにしても見栄えがいい。日本でも手軽に手に入るハーブの1つだ。清々しいながらも、強い香りはまるで森林の中にいるようにすっきりとしている。古代ローマやギリシャ時代から使われていた歴史あるハーブで、当時は老化防止の薬として信じられていた。

タイム

ギリシャ語で「防腐」を表す。こちらも古くから人類の側にあったハーブの1つである。強い香りがあるので、食材のにおい消しに使われる。こちらもキッチンハーブと呼ばれ、フランスでは一般的なハーブである。オイルに漬け込んでハーブオイルを作れば、ピザやチーズ、パスタにとさまざま楽しむことができる。もちろんチーズにかけても美味しい。

結論

ローヴ・デ・ガリックは強いハーブの香りを持ち、あまりシェーブルタイプらしくないチーズである。味わいはさっぱりとしている。好き嫌いはあるだろうが、ローヴ・デ・ガリッグは美味しい山羊のミルクから作られる。さわやかなハーブの香りを楽しみながら、山羊ミルクチーズへデビューしてみてはいかがだろうか。
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  • 更新日:

    2019年11月15日

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