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イタリアのチーズ【カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオ】とは

イタリアのチーズ【カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオ】とは

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年11月30日

イタリアの山脈地帯で作られている「カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオ」というチーズがある。長い名前で聞いたこともないという人が多いかもしれないが、産地では貴重な食糧として長年食べ続けられている。一体どのようなチーズなのか、特徴や味について紹介していく。

  

1. カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオとは

カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオは、牛の生乳を原料とするハードタイプのチーズだ。イタリアの北東のフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で作られている。ジュリアン・アルプス山脈が由来のジューリア州のカルニア地方で重宝されている山のチーズである。

保存性の高さを追求

カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオの「ストラヴェッキオ」には、「十分に熟成された」という意味がある。現在は当然のように味を重視してチーズ作りが行われているが、カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオは山で暮らす人々の貴重な食糧としての役割が最重要視されていたため、保存性を第一に考えて作られてきた。保存性を高めるためには水分を抜く必要がある。一般的なハードタイプのチーズは長くても数ヶ月で出荷されるのに対し、カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオは2年もの時間をかけて熟成させる。そのため、色は淡いブラウンに変わり、非常に硬いチーズになるのだ。

パイナップルのような香り

熟成が進むにつれ、チーズはニオイがきつくなるのが一般的であり、そのクセの強いニオイが苦手という人も少なくないだろう。ところが、カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオの場合は、不思議なことにクセの強いニオイではなくパイナップルに似た芳香なのだ。この芳香の原因は不明だが、生産地の環境によるものと考えられている。

2. カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオの味は?

長期熟成のハードタイプチーズに似合わないフルーティーな香りが魅力のカルニア・アルトブット・ストラヴェッキオだが、味はどうなのだろうか。

濃縮されたミルクの旨み

2年という熟成期間により、水分がしっかりと抜かれた分ミルクの成分が凝縮されている。そのため、見た目は茶色くザラっとした印象だがミルキーで濃厚な味わいを楽しめるチーズである。そのうえクセもほとんどなく誰でも食べやすい味に仕上がっている。

じゃりじゃりした独特な舌触り

カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオは噛むほどに旨みがあふれるチーズである。それとともに、長期熟成による独特な舌触りも特徴の一つだ。チーズは熟成が進むとアミノ酸が結晶化するためじゃりじゃりとした食感が生まれるのだ。フルーティーな香りにミルクの旨みが詰まった濃厚な味わい、そして個性的な食感を兼ね備えるカルニア・アルトブット・ストラヴェッキオは、保存食でありながらいまや美味しいチーズとして有名になったのである。

3. カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオの美味しい食べ方

カルニア・アルトブット・ストラヴェッキオは非常に硬いチーズだ。そのまま食べることもできるが、すりおろしたり加熱したりすることでより食べやすくなる。

つまみとして赤ワインとともに

そのまま食べる場合は薄切りにしてシャルドネや赤ワインと一緒に楽しもう。ミディアムボディーの赤ワインなら濃厚なカルニア・アルトブット・ストラヴェッキオとの相性もよい。チーズそのものが持つフルーティーな香りやミルクの旨み、舌触りをまずは堪能しよう。

料理に加えても美味しい

クセがないため、すりおろしてさまざまな料理にふりかけたりグラタンなどに使用したりしても美味しい。産地では、「フリーコ」という郷土料理にカルニア・アルトブット・ストラヴェッキオが使われる。じゃがいもと玉ねぎとチーズを合わせて焼くイタリア風のお好み焼きだ。チーズの風味が生かされるシンプルな料理のため、試してみてはいかがだろう。

結論

日本ではなかなか食べることのできないカルニア・アルトブット・ストラヴェッキオだが、ネットショップなどでの取り扱いもある。運よく入手できたら、まずはそのままで一口味わってみたい。本当にパイナップルのような香りがするのか、ぜひ確かめたいものだ。
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  • 更新日:

    2019年11月30日

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