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ワイン香るチーズ【メルルルージュ】とは?チーズの漬物?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2019年11月13日

パリからさほど遠くないドメーヌで作られるチーズ、メルルルージュ。ワインの搾りかすに漬けて熟成させた、セミハードタイプのチーズである。ワインに漬けるチーズはイタリアが発祥といわれており、フランスではまだ少ない。そんな中、フランスでフランスワインに漬けられたチーズ、メルルルージュを紹介する。

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1. メルルルージュとは

メルルルージュ(Merle rouge)はイル・ド・フランス圏内、パリから40kmほどのところで生産されているちょっと変わったチーズである。フランス語でメルル(Merle)は、鳴き声の美しい黒歌鳥のことを指すが、このメルルはブドウの品種メルロー(Merlot)を指す。その意味の通り、このチーズはメルローを主原料としたワイン、「シャトー・クラーク」を生産したブドウの搾りカスに漬けて生産されるチーズなのである。

シャトー・クラークを生産するドメーヌ(ブドウ畑を所有し栽培し、ワインを生産販売する生産者)の歴史は古く、しっかりと記録にも残されており、12世紀に最初のブドウを植えたところまで遡ることができる。その後に持ち主と時代に合わせ作り変えられるが、常にワインの品質は向上し続けているのだ。設備がどれほど最新式になろうとも、ワイン生産には特別な注意が払われ、手摘みされ、手作業で慎重に選別されたブドウは丁寧に運ばれ、重力を用いて搾汁し、最高の木の樽に入れられる。その後、新品の樽に入れてさらに熟成させる。丁寧に時間をかけて作られるのだ。
それだけ丁寧に扱われたブドウで作ったワインの搾りかすすら大事にしたい、そんな想いが伝わってくるようだ。
同ドメーヌ内は、牛用の放牧地まである。そこで育てられた牛からとれる新鮮なミルクを使ったチーズを、搾りかすとはいえこだわりのブドウに漬ける。なんとも贅沢なチーズである。

2. メルルルージュの美味しい食べ方

日本にも酒粕を使った奈良漬けや粕床を使った漬物などがあるが、独特の甘みが残る。だがワインの搾りかすに漬けたチーズは、味に変化はほぼない。ただ、ワインの香りがしみつくのみだ。チーズの独特のチーズ臭が苦手な人にはおすすめである。ワインの芳香に加え、香ばしいナッツのような、それともどこか土に似たような香りと相まって、複雑な香味を醸し出している。少々の酸味はあるがマイルドな味わいで、ミルクの風味も食べやすい。外皮は土色に似た濃いオレンジ、生地は締まってむっちりとした食感だ。チーズそのものに強いクセはないので、フランスのチーズが苦手な人でも食べやすい。

1個が約1kgほどだが、100g程度にカットして販売されているのが常である。まずはそのまま食べてみよう。1つでワインとチーズのマリアージュが楽しめる。ワインと合わせるのなら、もちろん同ドメーヌのワインとの相性が最高である。それ以外でも、フルーティーで飲みやすいものから比較的重めのものまで、赤ワインなら比較的相性がいいので、好みのワインと合わせてみよう。ドライフルーツやナッツとの相性もいい。パン・オ・フリュイのようなドライフルーツとナッツのぎっしり入ったパンをスライスして、合わせるとちょっとしたつまみにもおやつにもなる。ぜひ試してほしい。

3. チーズ作りは伝播する

ワインあるいはワインの搾りかすにチーズを漬ける技法は、イタリアが発祥とされている。

イタリアがある戦争で敗戦したときのこと。政治的略奪は食糧にも及び、追い詰められた農民たちが食糧を守るために、チーズを秋に収穫したブドウの搾りかす、あるいはワインの樽の中に隠しておいた。結果、チーズにワインの香りが移り、これまで以上に美味しいチーズに熟成され、しかもワインには防腐の効果もあったという。イタリアではワインに漬けたチーズは酔っ払いのチーズと呼ばれ、いまではいろいろなワインに漬けたチーズがあるという。イタリアでも、フランスのものを意識して作り始めたものがあるが、イタリアのものを取り入れてフランスで作られるチーズもある。ワイン漬けチーズもそのひとつである。ヨーロッパのチーズは、互いに影響しあってよりよいものを作り出してきたといえよう。

4. 作ってみようワイン漬けチーズ

メルルルージュはカットされて販売していることも多いので、さほど高価なチーズではない。が、取り扱っている店舗も少なく、日本ではなかなか手に入りにくいものだ。気分だけでも味わえるように、自分で漬けてみるのはいかがだろうか。

用意するもの

  • 好みの赤ワイン
  • 塩少々
  • 好みのセミハードタイプチーズ
  • 密閉できる袋
飲み残しのワインなどがあったらぜひ活用しよう。袋の中に、好みの赤ワインと塩少々と、好みのチーズを入れて丸1日以上冷蔵庫に入れておくだけだ。これにハーブやスパイスを加えて漬けても、じつに美味しい。ワインとの相性もよいつまみにもなる。フレッシュチーズから作ることもできるが、それは慣れてきてから。まずは簡単に市販のチーズで試してみよう。

結論

日本では、チーズを味噌に漬ける、昆布で〆るなど、いろいろな加工を加えて食べているが、ワインの搾りかすに漬けたものはないだろう。メルルルージュは、ワインとチーズの歴史が深いヨーロッパならではのマリアージュである。チーズはまだまだ新しいものや新しい食べ方が研究されている。今後も楽しみである。
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