1. カベクー・フォイユチーズの由来

名前の由来は特徴から
チーズ作りは古くからヨーロッパの各地域で行われていたため、地域名がそのままチーズの名前になっている場合が多くある。また歴史的背景や見た目の特徴を踏まえて名前が付けられることも多い。カベクー・フォイユチーズは後者のパターンで見た目の特徴からその名が付けられた。「カベクー」は中世で使われていた言葉で、「小さな山羊のチーズ」という意味をもつ。また、「フォイユ」は「葉っぱ」という意味をもつため、直訳すると「葉っぱで包まれた小さな山羊のチーズ」という意味になる。その名の通り、カベクー・フォイユチーズは山羊の乳から作られたチーズで、栗の葉で包まれている。カベクーやフォイユという言葉が使われるチーズはほかにもあり、この言葉を知っていると名前からどのようなチーズかある程度想像できる。
葉で包む理由
世界にはさまざまなチーズがあるが、葉に包まれたチーズは数が少なく珍しい。フレッシュチーズ以外のチーズは熟成が必要だが、熟成中に表面が乾燥してしまうおそれがある。しかしカベクー・フォイユチーズは、葉でチーズを包むことで表面を乾燥から守り、みずみずしさを保つことができる。
2. カベクー・フォイユチーズの味わいと保存方法

風味の特徴
山羊乳のチーズは独特のにおいがあるため敬遠されることがある。しかし、カベクー・フォイユチーズは葉の香りがチーズに移るため、山羊乳のにおいも軽減され食べやすくなっている。山羊乳チーズのもつさわやかな酸味は、ほかのチーズにはないさっぱりとした味わいでクセがない。
シェーブルチーズに分類される
チーズは製法によって分類することができる。しかし、山羊乳から作られるチーズは「シェーブルチーズ」と一括りにされる。その理由は山羊乳の成分にある。牛乳や羊乳と異なり、山羊乳は固まる力が弱いため大きなチーズを作るのに適していない。そのため、シェーブルチーズは小さく成型されるという特徴をもつ。当然ながら山羊乳から作られるカベクー・フォイユチーズもシェーブルチーズに分類される。1個1個は小さいが、いろいろな形に成型しやすいため、カベクー・フォイユチーズのようにバラエティーに富んだチーズを作ることができる。
保存の仕方
1個1個が小さいカベクー・フォイユチーズは食べきるのが可能なサイズだ。しかし、大量に購入してしまった場合など、一度で食べきることができないときもあるだろう。そのときはラップに包んで冷蔵庫で保存しよう。当然、葉っぱはつけたままのほうが望ましい。チーズはにおいを吸着しやすい食品なのでにおいが強い食品のそばには置かず、なるべく早く食べきるようにしよう。
3. カベクー・フォイユチーズの食べ方

チーズプラトーには葉をつけたままで
カベクー・フォイユチーズに使われている葉は食べられないが、外すのはなるべく食べる直前にしよう。葉を早めに外してしまうと、みずみずしさや香りが損なわれてしまうからだ。とくにチーズプラトー(チーズの盛り合わせのことで、プレートの上にいろいろなチーズを盛り付けて楽しむ)に使う場合は、葉がついたままのほうがほかのチーズとの違いも際立つ。個々で切り分けながら食べるチーズプラトーだが、カベクー・フォイユチーズは丸々食べられるサイズであるため、カットする手間が省ける。
おすすめのワイン
チーズと一緒に楽しまれる飲み物といえばワインだ。チーズとワインはどちらも歴史の古い食品で、チーズが作られている地域ではワインも作られていることが多かった。そのため、現在でもチーズとワインをセットにすることが多い。しかしチーズとワインの組み合わせ方は意外と難しく、どちらの風味も損なわないようにしなければならない。とくにシェーブルチーズは日本人にとって食べ慣れない味なので、どのワインとの相性がよいか想像しにくい。一般的には、シェーブルチーズにはフルーティーな白ワインが合うとされている。カベクー・フォイユチーズもさっぱりとした風味のチーズであるため、白ワインのほうが合わせやすい。
結論
葉に包まれたカベクー・フォイユチーズはサイズが小さいため、非常にかわいらしい。日本人には敬遠されがちな山羊乳のチーズだが、葉の香りが山羊乳独特のにおいを和らげてくれるため食べやすくなっている。かわいらしい見た目と食べやすさから、チーズプラトーにおすすめのチーズだ。
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