1. クアドレッロ・ディ・ブーファラの特徴
もっとも特徴的なのはその熟成方法である。一般的なウォッシュチーズは表面を塩水や酒で磨くように洗って熟成されるが、クアドレッロ・ディ・ブーファラはまるごと塩水のプールに沈める。なんとも大胆で斬新な熟成方法だが、この過程があるからこそ、特有の旨みが生み出されるのだ。牛のミルクから作られるウォッシュチーズは中が白っぽい黄色になることが多いのに対し、水牛乳から作られるクアドレッロ・ディ・ブーファラはハリのあるつややかな白色である。オレンジ色の表面には熟成の際についた縞模様がくっきりと残っている。
味や香り
ウォッシュチーズらしい特有の香りは控えめで、ナチュラルチーズを食べ慣れていない人にも食べやすいチーズである。独特の風味はトリュフや麦わらにたとえられることもある。中のチーズは弾力があり、モッツァレラに共通するようなむっちりとした食感だ。水牛乳らしい上品な甘さでしつこくなく、さっぱりとした後味となる。
さまざまな水牛乳製チーズ
チーズは牛や山羊、羊などさまざまな動物のミルクから作られるが、なかでも水牛のミルクから作られるものは上質で品のある風味がすると大変人気がある。水牛乳製のチーズには「ブーファラ」または「ブッファラ」という名が付けられ、ほかのチーズとは区別されることが多い。日本でも有名な「モッツァレラチーズ」も、もともとは水牛乳のみで作られており、牛乳と混合させたものが主流となったいまでも「モッツァレラ・ディ・ブーファラ」は高級品として世界中の人に愛されている。
2. クアドレッロ・ディ・ブーファラの産地や食べごろ
主な産地
クアドレッロ・ディ・ブーファラが作られているのはイタリアチーズの一大産地、ロンバルディア州である。この地で作られる「マスカルポーネ」や「ゴルゴンゾーラ」は日本でもおなじみだ。クアドレッロ・ディ・ブーファラと同じウォッシュタイプとしては「タレッジョ」が世界的にも有名である。
食べごろ
クアドレッロ・ディ・ブーファラの熟成期間はおよそ40日間で、若いうちはややもろいが、熟成が進むとむっちりとした見た目になる。商品化され日本に輸入されるころには十分熟成されているため、購入後はなるべく早く食べるのがよいだろう。
3. クアドレッロ・ディ・ブーファラの食べ方
クアドレッロ・ディ・ブーファラはシンプルにそのままで味わうのがおすすめである。一般的なウォッシュチーズよりも香りが控えめなので、ウォッシュ好きでなくても美味しく食べられるだろう。バケットやクラッカーにのせて食べるのもよい。トースターで軽く焼いたり、炙ったりするとミルクの風味が引き立ち、より旨みを感じることができる。
相性のよいワイン
ウォッシュタイプのチーズはそのクセの強さに負けないようなしっかりとしたワインを合わせることが多いが、クアドレッロ・ディ・ブーファラはチーズ自体の味が比較的淡泊なのでフルーティーなさっぱりとしたワインを合わせるとよい。ワイン以外では日本酒もおすすめである。シャープな味がさわやかなチーズの味と絶妙にマッチする。
結論
独特の熟成方法で仕上げられるクアドレッロ・ディ・ブーファラについて紹介した。ウォッシュチーズの中では比較的食べやすく、初心者にもおすすめできるチーズだが、少々値が張るのがネックである。牛や山羊に比べて水牛は数が少なく希少なので、水牛乳から作るチーズもおのずと高くなってしまうのだ。とはいえ、ほかのウォッシュチーズにはない上品な味わいを楽しむことができるので、ぜひ一度試していただきたい。
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