餅のような見た目！【アルスア・ウジョアチーズ】はどんなチーズ？

チーズは作られる地域によって風味が異なり、サイズや形も多種多様で、見ていて非常に面白い。ガリシア州だけでも複数種のチーズが作られており、個性的な形のチーズが多いのだ。

アルスア・ウジョアチーズは円盤型のチーズだが、ほかのチーズよりも丸みを帯びているのが特徴的だ。滑らかな表面が日本のお供え餅のようにも見え、日本人がイメージするチーズの形とは大きく異なる。

アルスア・ウジョアチーズのサイズは、とくに規定がないためバラバラである。現在はチーズの品質を守るためにサイズ等も規定されることが多く、サイズが定まっていないチーズは珍しい。とくに規定はないものの1kgサイズのアルスア・ウジョアチーズがよく作られており、市場に出回るのもこのサイズが多い。

アルスア・ウジョアチーズはハードチーズに分類される。ハードチーズとは、製造過程でチーズ中の水分を抜くために圧搾（プレス）が行われているチーズを指し、水分を抜いている分硬くなるという特徴をもつ。

しかし、アルスア・ウジョアチーズはお供え餅のような見た目通り、適度なやわらかさを維持している。餅ほどではないものの弾力を有しており、一般的なハードチーズとは少し雰囲気が異なる。アルスア・ウジョアチーズを口に入れると、ヨーグルトに似た酸味と牛乳特有の甘みを感じることができる。牛乳チーズに慣れ親しんだ日本人にとっては非常に食べやすい味わいだ。

ヨーロッパでは、伝統の存続と品質の保持を目的とした認証制度が積極的に採用されている。認証制度には国家単位のものとEU全体のものがある。

アルスア・ウジョアチーズが取得しているDOPはイタリアとスペインで使われる認証制度だ。取得するためには厳しい規定をクリアしなければならないため、すべてのチーズが必ずしも取得できるわけではない。そのためDOPを取得しているかどうかはチーズ選びの際の1つの指標ともなる。

大きいチーズはカットされた状態で店頭に並ぶことが多いが、アルスア・ウジョアチーズは1kgサイズのものであればホールで購入することができる。ホールで購入した場合は自分でカットして食べなければならないが、美味しく食べるためにはカットにも注意を払う必要がある。

アルスア・ウジョアチーズのように熟成されたチーズは、熟成具合が均一ではないからだ。一般的に外側から熟成していくため、内側に行くにつれ熟成度は低くなる。当然ながら熟成度が異なると食感や味わいも異なるため、アルスア・ウジョアチーズの風味をすべて堪能するなら外側と内側の両方をバランスよく食べるのが理想的だ。
アルスア・ウジョアチーズのような円盤型のチーズの場合は、中心部から放射線状にカットするともっともバランスがよい。